2002年第3四半期の失業情勢
雇用創出を上回る労働力人口の上昇により、2002年第3四半期には失業者数が前年同期比で15%と大幅に増え、210万人を越えている。つまり、失業者数を200万人以下にとどめるという目標は達成できなかったことになる。また失業率も1桁を達成できず、11.41%となっている。
就業者及び雇用の特徴別に見た失業増(2002年第3四半期、前年同期比)
出所:労働力調査に基づき独自に作成
性別で見ると、失業者数増加の割合は男女ともにほぼ等しくなっているが、いずれにせよ女性が新たな失業者の60%を占めていることには変わりない。年間失業増は年齢が進むにつれて大きくなっており、25歳未満の層では5%未満と平均の3分の1以下であるのに対し、25歳以上ではほとんど20%近い数値に達している。
部門別ではサービス部門に失業が集中している。失業者全体に占めるサービス部門の割合は40%そこそこであるが、過去1年間における新たな失業者で見るとほぼ55%がサービス部門労働者となっている。一方、初めての就職先を探している失業者の増加率はわずかで、平均を大きく下回っており、労働市場が比較的ダイナミックな動きを維持していることを示している。実際、新たに労働力人口となった労働者のうち就業者数の方が失業者数よりも多くなっている。
従がって、就職の前段階としての失業状態は減りつづけているようである。女性は労働市場の状況により曝されやすく、就業から失業への移行を除くと、労働市場におけるあらゆる動きにおいて女性の方が男性を上回っている。
長期失業者数は大きく減少しており、1年以上失業状態にある労働者の数は過去1年間でほぼ2ポイント下降、過去10年間で最低の36.6%となっている。統計方法上の修正による影響もあるが、それとは別に失業がより短期のものになりつつあるのは確かである。
これは雇用成長局面の当然の結果ともとれるが、以前の好況・雇用成長局面では長期失業者の減少は見られなかった。
しかしながら、労働市場における動きのすべてが楽観を許すようなものであるわけではない。失業者をそれぞれの家庭における役割の点から見ると、失業増が最も大きかったのは世帯主と配偶者で、いずれの場合も16%増えている。これに対して他のメンバー(主として世帯主の子)の場合には失業増はより少なくなっている。この結果、働く意欲がある家族メンバーのすべてが失業している家庭は、過去1年間で18%増え、ほとんど50万家庭(全家庭の3.55%)近くにのぼっている。

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