政府、国際派人材育成プログラムを設置

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2003年1月

政府は2002年10月1日、健康医療分野に限定した新たな訓練プログラムを立ち上げた。未経験者に准看護婦や入院患者介護支援者になるための訓練プログラムを提供するとともに、プログラム修了者には就労機会も提供する。同部門の労働力不足を緩和すると同時に、訓練参加者に就労機会を提供することで、職業訓練に消極的な国民に対して訓練の有効性を訴える狙いもあるようだ。

プログラムを推進するのは、ヘルス・マネージメント・インターナショナル(HMI)付属の健康科学研究所(HMI-IHS)で、人材開発省の人材開発支援スキーム(MDAS)がこれを支援する。准看護婦訓練コース(ENTC)と入院患者介護支援コース(ICAC)の二つのコースを設置し、初年度に最低でも100ヶ所の訓練所を用意する。

ENTCは、准看護婦になるために必要な訓練を提供し、ICACは入院患者介護支援者になるために必要な基本医療の理論と実践の専門訓練を提供する。なお、HMI-HISは、ICAC対象の国家技能認証制度の公認訓練センターとして認可を受けている。

ENTCとICACは今後3年間に最低でも500ヶ所の訓練所を設け、健康医療分野の人材不足に対応していく。健康医療分野には現在4万人以上が雇用されているが、公共・民間あわせて2000人の欠員が生じている。

今回のプログラムの目玉は、プログラム修了者に就労機会を提供することだ。HMIが第一期の修了者を傘下のバレスティアー病院で雇用し、以降の修了者の雇用についても、すでに幾つかの病院が協力することに大筋で合意している。

政府としては、プログラム修了者が即座に就労機会を得られる体制を整えることで、雇用情勢が悪化していても職業訓練を受けることに消極的な国民に対し、訓練の有効性を訴えたい意向だ。

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