開催報告:第15回北東アジア労働フォーラム(2017年11月17日開催)
若年雇用

概要

労働政策研究・研修機構(JILPT)は2017年11月17日、東京で第15回北東アジア労働フォーラム(日中韓ワークショップ)を開催しました。本フォーラムは、労働政策研究・研修機構(JILPT)、中国労働社会保障科学院(CALSS)、韓国労働研究院(KLI)の日中韓3カ国の労働政策研究機関が共通するテーマに基づき、研究成果を持ち寄り、報告と討論を行うことによって、各国の労働政策研究に示唆を与え合うことを目的として、2002年から毎年開催しています。

今回のテーマは、「若年雇用」です。

日本では、景気後退期に「就職氷河期」と呼ばれる時期を迎え、若者の就職問題が深刻化する中、いくつもの政策が講じられてきました。また、若者自身の就業観も過去20年あまりの間に大きく変化しています。

中国では、高度成長期を終え、「新常態(ニューノーマル)」の局面に突入しました。発展の中心が新しい産業、新しい経済へとシフトし、また若者の高学歴化が進みながら、就業形態も多様化しています。

韓国では、若者の就職問題の背景にある労働市場の二重構造問題を解決するため、政府はその取組みにとりわけ力をいれています。

若者の雇用を巡る問題とその対応は、日本、中国、韓国でそれぞれ異なっていますが、共通している点は、若者の雇用情勢が経済や景気に大きな影響を受けることです。本フォーラムでは、3カ国間の若者雇用の実情を比較しながら、今後の政策研究のあり方について意見交換を行いました。


日時:
2017年11月17日(金曜)
場所:
国際文化会館 (International House of Japan)
主催:
日本 労働政策研究・研修機構(JILPT)
中国 中国労働社会保障科学研究院(CALSS)
韓国 韓国労働研究院(KLI)

プログラム

開会あいさつ

10時00分~10時10分
菅野 和夫 労働政策研究·研修機構(JILPT) 理事長
キム・スンテク 韓国労働研究院(KLI) 院長職務代行
鄭 東亮 中国労働社会保障科学研究院(CALSS) 副院長

第一セッション(座長:キム・スンテク 韓国労働研究院 院長職務代行)

10時10分~10時40分
「中国における高等教育機関卒業生の就業の現状と課題への対応」
孟 続鐸 中国労働社会保障科学研究院 補助研究員
10時40分~11時10分
「若者の労働市場の実態と政策の方向」
キム・ユビン 韓国労働研究院 研究委員
11時10分~11時40分
「日本における近年の若者の就業問題:新卒就職システムの光と影」
小杉 礼子 労働政策研究・研修機構 特任フェロー
11時40分~12時00分
休憩
12時00分~12時30分
討論
12時30分~14時00分
昼食休憩

第二セッション (座長:鄭 東亮 中国労働社会保障科学研究院 副院長)

14時00分~14時30分
「中国における青年の就業情勢についての分析」
鮑 春雷 中国労働社会保障科学研究院 補助研究員
14時30分~15時00分
「若者雇用政策の課題と方策」
ホ・ジェジュン 韓国労働研究院 先任研究委員
15時00分~15時30分
「大都市の若者の就業行動と意識の変化―『第4回若者のワークスタイル調査』より」
堀 有喜衣 労働政策研究・研修機構 主任研究員
15時30分~16時00分
討論
16時00分~16時20分
休憩

総括討論 (座長:菅野 和夫 労働政策研究·研修機構 理事長)

16時20分~17時20分
各国討論者、報告者による討論

閉会あいさつ

17時20分~17時30分
鄭 東亮 中国労働社会保障科学研究院 副院長
キム・スンテク 韓国労働研究院 院長職務代行
菅野 和夫 労働政策研究・研修機構 理事長

平成30年4月9日掲載

報告書

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