■□――【メールマガジン労働情報/No.2168】
「骨太方針2026」と「日本成長戦略」を決定/政府 ほか
―2026年7月22日発行――――――――――――――□■
┏━━━━━━━━┓
本号の主な内容
┗━━━━━━━━┛
【行政】「骨太方針2026」と「日本成長戦略」を決定/政府 ほか
【統計】母の就業率・正社員比率とも過去最高/国民生活基礎調査
【労使】「骨太方針2026」「日本成長戦略」を高評価/経団連・会長コメント ほか
【動向】悪天候時のテレワーク、6割超が負担軽減を実感/民間調査 ほか
【企業】企業の仕事・役割を学べる教材を公開/「企業教材ライブラリー」
【海外】〈フォーカス〉「連邦協約遵守法」の概説と邦語訳 ドイツ ほか
【イベント】卵子凍結支援制度導入企業に奨励金/東京都
━━━━━━━━━━━━━━
【JILPTからのお知らせ】
━━━━━━━━━━━━━━
☆2026年度・第74回「東京労働大学講座専門講座」(9月開講・会場開催)受講者募集中!
https://www.jil.go.jp/kouza/senmon/index.html
☆第11回国際労働雇用関係協会(ILERA)アジア地域会議2026のご案内
https://ilera-2026asia.com
━━━━━━━━━━━━━━
【行政】
━━━━━━━━━━━━━━
●「骨太方針2026」と「日本成長戦略」を決定/政府
政府は21日、経済財政諮問会議と日本成長戦略会議を開催し、「経済財政運営と改革の基本方針2026(骨太方針
2026)」と「日本成長戦略」を決定した。17の戦略分野に関する「官民投資ロードマップ」や、8つの分野横断
的課題に対する対応方針等を示す。賃上げ環境整備については、2029年度までの間で、日本経済全体で、持続的・
安定的な物価上昇の下で、物価上昇を年1%程度上回る賃金上昇を賃上げのノルム(社会通念)として定着させ
る(骨太方針11頁、成長戦略63頁)、最低賃金については、2030年代前半できる限り早期に全国平均1,500円を
達成するとしている(骨太方針11頁、成長戦略66頁)。また、柔軟で多様な働き方を実現するため、労働時間法
制等に係る政策対応について夏以降の労働政策審議会において議論を行うとしている(骨太方針15頁、成長戦略
58頁)。
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2026/0721agenda.html
▽骨太方針2026
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2026/0721_shiryo07.pdf
▽日本成長戦略
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2026/0721_shiryo01.pdf
▽首相官邸ウェブサイト
https://www.kantei.go.jp/jp/105/actions/202607/21keizai_seichyou.html
●労災保険法等改正法を公布、遺族年金要件見直しや時効延長/厚労省
厚生労働省は、労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律が10日に成立、17日公布されたことについて、都
道府県労働局長宛に通達した。改正法は、遺族補償年金等、特別遺族年金等について、夫にのみ課せられた支給
要件(妻の死亡時に55歳以上又は一定の障害の状態にある者)の廃止、石綿(アスベスト)関連疾病等の災害補
償の事由に該当するかどうかを容易に判断できない疾病について労災保険給付の請求権等の消滅時効期間を2年
から5年とする、労災保険適用事業に関する暫定措置を廃止し、農林水産業の小規模な個人経営の事業の一部も
適用事業とする、労災保険の特別加入団体(一人親方等の特別加入手続等を行う団体)についての要件を法令に
規定し適正化を図る、などを内容としている。施行は2027年4月1日、暫定措置の廃止のみ公布の日から5年以
内の政令で定める日。
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001725171.pdf
▽改正法概要
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001725425.pdf
●精神障害の労災認定1,082件、パワハラが最多/厚労省「過労死等の労災補償状況」
厚生労働省は15日、2025年度「過労死等の労災補償状況」を公表した。過労死等に関する請求件数は6,212件
(前年度比1,402件増)、支給決定件数は1,310件(同5件増)だった。うち、業務上の強い心理的負荷による精
神障害の請求件数は4,958件(同1,178件増)、支給決定件数は1,082件(同26件増)となった。精神障害の支給
決定事案で発病の原因となった「出来事」では、「上司等から、身体的攻撃、精神的攻撃等のパワーハラスメン
トを受けた」が222件で最多、「顧客や取引先、施設利用者等から著しい迷惑行為を受けた」と「セクシュアル
ハラスメントを受けた」がともに127件で続く。時間外労働時間別では、「20時間未満」が57件で最も多く、
「40時間以上~60時間未満」が55件だった。業務上の過重な負荷による脳・心臓疾患の請求件数は1,254件(同
224件増)、支給決定件数は217件(同24件減)だった。支給決定件数を業種別にみると、「運輸業、郵便業」が
64件で最多。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_74476.html
●「アトツギ甲子園」を開催/経産省
経済産業省は、既存の経営資源を活かした新規事業のアイデアを競うピッチイベント「アトツギ甲子園」を開催
する。中小企業が事業承継を進める上での課題・懸念点である「後継者の経営能力」育成に向け、自身の企業を
見直し、新しい事業へ取り組むきっかけを提供するほか、「全国の後継者との横のつながり」を得る機会にもなる。
対象は39歳以下の後継者で、応募期間は8月3日(月)~11月25日(水)18時。
https://www.meti.go.jp/press/2026/07/20260715003.html
━━━━━━━━━━━━━━
【統計】
━━━━━━━━━━━━━━
●母の就業率・正社員比率とも過去最高/国民生活基礎調査
厚生労働省は15日、2025年「国民生活基礎調査」の結果を公表した。単独世帯の割合は35.4%、高齢者世帯は
31.9%でいずれも過去最高。24年の1世帯当たり平均所得は575.2万円(前回23年調査536.0万円)と増加し、
過去最高となった。児童のいる世帯について、母が「仕事あり」の割合は81.2%(前回24年調査80.9%)、母が
「正規の職員・従業員」は34.7%(同34.1%)でいずれも過去最高となった(概況8ページ)。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa25/index.html
▽概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa25/dl/14.pdf
▽報道発表資料
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa25/dl/13.pdf
▽調査の概要
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa25/dl/01.pdf
━━━━━━━━━━━━━━
【労使】
━━━━━━━━━━━━━━
●「骨太方針2026」「日本成長戦略」を高評価/経団連・会長コメント
経団連は21日、同日、閣議決定された「骨太方針2026」と「日本成長戦略」に関する会長コメントを発表した。
「強い経済」を実現するための政策枠組みの大転換が打ち出され、画期的な内容となっているとし、投資不足の
流れを断ち切り、潜在成長率を高めるとの方針は、経団連が掲げる「投資牽引型経済」と軌を一にするものであ
り、高く評価するとした。経団連としては「投資牽引型経済」の実現に向けて、国内の設備投資、研究開発投資、
賃金引上げを含めた人的投資の大幅な拡大を促すべく、企業自らのマインドセットの大転換を強力に働きかけ、
わが国経済の持続的な成長と産業競争力の強化に全力で取り組むと述べている。
https://www.keidanren.or.jp/speech/comment/2026/0721.html
●「日本成長戦略」に対する事務局長談話/連合
連合は21日、同日、閣議決定された「日本成長戦略」について、事務局長談話を公表した。労働時間法制につい
て「夏以降の労働政策審議会において議論を行う」とされたことについては、長時間労働を助長しかねない裁量
労働制の拡充は行うべきではないとする一方、勤務間インターバル義務化や連続勤務制限規制の実現を求めた。
「物価上昇を年1%程度上回る賃金上昇を賃上げのノルムとして我が国に定着させる」ことを賃上げ環境整備の
目標として堅持したことは評価できるとする一方、最低賃金の政府目標が毎年のように変更されるようでは中期
目標として不安定であるとし、合理的な目標設定のあり方の検討を求めた。
https://www.jtuc-rengo.or.jp/news/article_detail.php?id=1413
●改正労災保険法の成立を評価/連合が談話
連合は10日、参議院本会議において改正労災保険法が可決・成立したことを受けて談話を発表した。改正法につ
いて、遺族補償年金の夫婦間格差の是正や、小規模農林水産事業者への労災保険の強制適用、フリーランス等を
対象とする特別加入制度の適正化、労災保険給付請求権等の消滅時効期間の延長などが盛り込まれたことについ
ては、労災保険制度のセーフティネット機能強化に資する内容と評価した。
一方、改正法とあわせて運用が見直される労災支給決定情報の事業主への提供については、被災労働者への不当
な圧力や請求の萎縮につながる懸念があるとして、労働者が不利益を被らないよう求めた。また、労災発生状況
に応じて保険料率を増減させる「メリット制」についても、労災隠しなどの弊害が生じていないか実態把握と制
度検証が必要とした。
https://www.jtuc-rengo.or.jp/news/article_detail.php?id=1409
(労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案/厚労省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/topics/bukyoku/soumu/houritu/221.html
(参議院ウェブサイト)
https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/221/meisai/m221080221056.htm
━━━━━━━━━━━━━━
【動向】
━━━━━━━━━━━━━━
●悪天候時のテレワーク、6割超が負担軽減を実感/民間調査
テレワークやリモートワークに関する情報を提供するテレリモ総研は10日、テレワーク・リモートワーク経験者
1,004人を対象に調査した「悪天候時のテレワークに関する調査」結果を発表した。悪天候時にテレワークできて
よかった場面として、「公共交通機関の遅延・運休に左右されない」が63.3%で最多となり、「通勤災害(ケガ
や事故のリスク)を回避できる」が48.8%で続いた。悪天候時にテレワークできず困った経験としては、「通勤
時間が大幅に増えた」が36.2%で最多、「危険を感じながら出社しなければならなかった」25.5%が続いた。
https://lassic.co.jp/teleremo/telework-bad-weather/
●ITエンジニアの約6割、職場で「AI格差」を実感/民間調査
IT専門職の職業紹介等を行うレバテックは13日、「ITエンジニアのAI活用に関する実態調査」の結果を発表した。
ITエンジニア572人に、AIの活用能力の差が業務評価や年収、キャリアなどの処遇の違いにつながる「AI格差」
が職場で生じていると感じるか尋ねたところ、「そう感じる」と「ややそう感じる」を合わせた59.3%が格差が
生じているとした。格差が表れる点については、「担当できる業務範囲」が51.3%で最多。次いで「成果の評価・
昇進スピード」、「アサインされる業務レベル」となった。今後、AIを使いこなせるエンジニアとそうでない
エンジニアとの間で年収格差が拡大すると思うか尋ねたところ、「拡大する」と「やや拡大する」を合わせた65.0
%が拡大を予想した。
https://levtech.co.jp/research/5683976/
━━━━━━━━━━━━━━
【企業】
━━━━━━━━━━━━━━
●企業の仕事・役割を学べる教材を公開/「企業教材ライブラリー」
キャリア教育やSDGs学習などの教材を無料で提供するポータルサイト「企業教材ライブラリー」(運営:ケシオン)
では、企業の専門知識やノウハウを生かしたコンテンツを公開している。現在、UCCジャパン、フクダ電子、ニップン、
セガ、本田技研工業、リクルートなど計10社が参加しており、教科や学年ごとに検索・利用できる。
このうち、日本建設業連合会は、建設業で働く様々な職種・世代の人材や、建造物、ものづくりのプロセスを
紹介する「けんせつ小町」を掲載し、建設業の魅力や役割を伝えている。また、リクルートの「パラアスリート
の生き方編」では、ワークシートを活用しながら競技と仕事の両立について考える内容となっている。
▽企業教材ライブラリー
https://www.kigyo-kyozai.jp/
▽建設業を知る、学ぶ/日本建設業連合会
https://www.kigyo-kyozai.jp/results/materials/index.php?id=7&
▽パラリング:障がい者理解授業コンテンツ/リクルート
https://www.kigyo-kyozai.jp/results/materials/index.php?id=9&
━━━━━━━━━━━━━━
【海外】
━━━━━━━━━━━━━━
●フォーカス/JILPT
<ドイツ>
▽「連邦協約遵守法」の概説と邦語訳
本稿は、ドイツにおいて2026年5月1日に施行された「連邦協約遵守法(Bundestariftreuegesetz)」
(8条5項については、2028年1月1日施行)について、その概説と邦語訳を試みるものである。
https://www.jil.go.jp/foreign/labor_system/2026/07/germany.html
▽連邦の公共調達及びコンセッションの委託及び履行における協約遵守の確保のための法律
https://www.jil.go.jp/foreign/labor_system/2026/07/germany_01.html
━━━━━━━━━━━━━━
【イベント】
━━━━━━━━━━━━━━
●卵子凍結支援制度導入企業に奨励金/東京都
東京都は、従業員が自身のライフプランやキャリアプランを考えたときの選択肢の一つとなるよう、卵子凍結に
ついての休暇制度や福利厚生制度等を整備する企業等に奨励金を支給する。奨励金交付額は、取組内容に応じて
最大で60万円。事前エントリーを7月21日(火)10時から29日(水)17時まで受け付けている。
https://www.hataraku.metro.tokyo.lg.jp/josei/katsuyaku/career-childplan/ranshishourei/index.html