■□――【メールマガジン労働情報/No.2167】
労働市場改革分科会のとりまとめを報告/労政審労働条件分科会 ほか
―2026年7月17日発行――――――――――――――□■
┏━━━━━━━━┓
本号の主な内容
┗━━━━━━━━┛
【行政】労働市場改革分科会のとりまとめを報告/労政審労働条件分科会 ほか
【統計】5月の生産指数、前月比0.1%上昇/鉱工業指数確報
【労使】新データベースの活用で賃上げの基盤となるデータ収集を強化/JEC連合定期大会
【動向】勤務先の賃上げ実施率70.2%、要因は「人材確保」/民間調査 ほか
【企業】5年連続のベースアップ実施、初任給は33万円へ引き上げ/アルコニックス ほか
【海外】中堅ホワイトカラー専門職の四分の一、昇進・昇給が5年以上ほぼなし・アメリカ ほか
【イベント】中小企業労務管理セミナー「職場のハラスメント対策」/かながわ労働センター県央支所 ほか
━━━━━━━━━━━━━━
【JILPTからのお知らせ】
━━━━━━━━━━━━━━
☆2026年度・第74回「東京労働大学講座専門講座」(9月開講・会場開催)受講者募集中!
https://www.jil.go.jp/kouza/senmon/index.html
☆第11回国際労働雇用関係協会(ILERA)アジア地域会議2026のご案内
https://ilera-2026asia.com
━━━━━━━━━━━━━━
【行政】
━━━━━━━━━━━━━━
●労働市場改革分科会のとりまとめを報告/労政審労働条件分科会
厚生労働省の労働政策審議会労働条件分科会は14日、会合を開き、「資金移動業者の口座への賃金支払制度
(賃金のデジタル払い)」などについて議論した。また事務局から「日本成長戦略会議 労働市場改革分科会
とりまとめ」について報告を受けた。同取りまとめでは、労働供給制約下での「強い経済」の実現に向け、
「人的資本投資の促進」「労働者の希望に応じた円滑な労働移動の促進」「多様な人材の労働参加の推進」
「企業の人材マネジメントへの支援」などの方向性が示された(資料2-1・4頁)。
労働者代表として参加した連合は、日本成長戦略(案)や骨太の方針2026(案)を踏まえた労働時間制度の見直しに
関し、裁量労働制については長時間労働になりがちであり、適切な裁量や処遇が確保できていないといった課題
があるとして、拡充や要件緩和に反対の姿勢を示した。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_74576.html
(連合プレスリリース)
https://www.jtuc-rengo.or.jp/news/news_detail.php?id=2388
●宿泊業の人手不足と生産性向上を特集/観光白書
観光庁は10日、『令和7年度観光の状況 令和8年度観光施策(観光白書)』を公表した。「観光立国推進基本
計画(第5次)」の柱の一つである「観光地・観光産業の強靱化」に関連し、宿泊業の人材確保や生産性向上に
関する現状と課題、先進的な取組事例を紹介している。宿泊業・飲食サービス業の人手不足を感じている企業の
割合が高いほか、賃金は全産業に比べて低く、年間休日日数も少ない傾向にあると指摘した(概要9頁)。人手
不足の解決には、有形・無形の投資や人材育成を通じて収益性・生産性を高め、繁閑差への対応力を強化し、そ
の成果を賃金や待遇の改善につなげていくことが重要とした(同13頁)。
https://www.mlit.go.jp/kankocho/news02_00092.html
▽概要版
https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/002011051.pdf
●放課後児童クラブ利用児童数が過去最多、待機児童は減少/こども家庭庁
こども家庭庁は14日、2026年度の「放課後児童クラブの実施状況(速報値)」を公表した。2026年5月1日時点
の登録児童数は前年比3万1,392人増の160万2,037人となり、過去最多を更新した。利用できなかった児童数
(待機児童数)は前年比1,617人減の1万4,713人だった。
政府は「こども未来戦略」に基づき、放課後児童クラブの受け皿整備や常勤職員配置の改善などを進めている。
女性の就業率の伸び等を背景に、登録児童数は2030年頃に約165万人でピークを迎えると推計し、文部科学省と
連携した「放課後児童対策パッケージ2026」に基づく取組を行っている。
▽2026年度 放課後児童クラブの実施状況(速報値)
https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/69799c33-85cb-44f6-8c70-08ed3a292ab5/65a48f05/20260710_policies_kosodateshien_houkago-jidou_87.pdf
▽放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)
https://www.cfa.go.jp/policies/kosodateshien/houkago-jidou/
▽大臣記者会見
https://www.cfa.go.jp/speech/e60b7b5e
●こども霞が関見学デーを開催/厚労省
厚生労働省は7月29日(水)、30日(木)の両日、2026年度「こども霞が関見学デー」を開催する。
「こども霞が関見学デー」は、各府省庁が連携し、省庁見学や体験活動などを通じ、こどもたちが夏休みに広く
社会を知るきっかけとなることを目的に実施している。参加型プログラム(要事前応募)や、自由参加のプログ
ラムがある。
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou_kouhou/kouhou_shuppan/kids/2026_info.html
▽パンフレット(各種プログラムの案内)
https://www.mhlw.go.jp/content/10200000/001724916.pdf
●雇用終了をめぐる裁判例の動向等をテーマに大阪市で開催/中労委「労使関係セミナー」
中央労働委員会は、「労使関係セミナー」を全国で開催している。同セミナーは、裁判例や労働法制に関する情
報を広く発信し、労使紛争の未然防止及び早期解決を図ることなどを目的として、学識経験者による基調講演や
労働委員会委員等によるパネルディスカッションを行っている。9月14日(月)に大阪市で基調講演「雇用終了
をめぐる裁判例の動向~判例から読み解く!退職の意思表示は有効か、退職勧奨はどこまで許されるか~」を開
催予定。参加無料。事前の申込みが必要。
https://www.mhlw.go.jp/churoi/roushi/dl/R080714-1.pdf
━━━━━━━━━━━━━━
【統計】
━━━━━━━━━━━━━━
●5月の生産指数、前月比0.1%上昇/鉱工業指数確報
経済産業省は14日、5月の「鉱工業指数(生産・出荷・在庫、生産能力・稼働率)」確報値を公表した。生産指
数(季節調整済)は102.6(前月比0.1%上昇)で2カ月連続の上昇。業種別で上昇したのは「無機・有機化学工
業」「石油・石炭製品工業」「金属製品工業」等。低下は「汎用・業務用機械工業」「電気・情報通信機械工業」
等。出荷指数は101.5(同0.5%上昇)、在庫指数は94.9(同1.1%低下)、在庫率指数は102.3(同0.7%上昇)
となった。速報と比べて、生産、出荷、在庫、在庫率はいずれも下方修正した。
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-1.html
▽概要
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/press/b2020_202605kj.pdf
━━━━━━━━━━━━━━
【労使】
━━━━━━━━━━━━━━
●新データベースの活用で賃上げの基盤となるデータ収集を強化/JEC連合定期大会
化学・エネルギー関連産業の組合でつくるJEC連合(堀谷俊志会長、12万9,000人)は7月9、10の両日、広島県
広島市で定期大会を開き、昨年の大会で決めた「2026~2027年度運動方針」の補強内容を確認した。補強方針は、
新たに設計・構築するデータベースシステムを加盟組合へのデータ提供や交渉サポートに活用していくことを提起。
組織拡大では、これまで取り組めていなかったターゲット組合や再雇用者の組合員化に焦点を当て、組織化の期
限を設定して情報共有や目標・進捗状況の確認を行う方針を打ち出した。堀谷会長は「賃上げにおいては、基盤
となるデータ収集をはじめとする調査・分析力に課題がある」として、新データベースを積極的に活用していく
考えを強調。組織拡大についても、「『JEC連合に加盟して良かった』と思ってもらえれば防ぐことはできるはず
だ」などと述べ、脱退組合を出さない取り組みに総力をあげる姿勢を示した。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/kokunai/topics/mm/20260717.html
━━━━━━━━━━━━━━
【動向】
━━━━━━━━━━━━━━
●勤務先の賃上げ実施率70.2%、要因は「人材確保」/民間調査
日経BP総合研究所は9日、「5年後の未来に関する調査」結果を発表した。2026年度に勤務先が賃上げを「実施
した・実施予定」と回答した割合は70.2%だった。要因については、「社員のモチベーション向上・離職防止」
が74.6%で最多、「人員獲得・採用のため」54.4%が続いた。また、26年度に賃上げを実施した・する予定と
回答した人の54.4%は、今後も毎年継続的な賃上げが行われると回答した。一方、賃上げを実施しなかったと回
答した人の56.1%は、今後も「賃上げは望めない」と答えた。
https://www.nikkeibp.co.jp/atcl/newsrelease/corp/20260709/
●障がい者の5割が業務でAI活用、約9割が効果を実感/民間調査
レバレジーズが運営する障がい者就労支援サービス「ワークリア」は10日、「業務におけるAI利用に関する実態
調査」の結果を発表した。会社員として勤務する障がい者443人のうち、業務でAIを活用している割合は50.6%
だった。活用場面は「文章・メール作成」「報告書・資料作成」がいずれも58.0%で最多となった。
AI活用による業務への影響については、「ポジティブ」と「ややポジティブ」を合わせ約9割が肯定的に評価し、
具体的には「作業時間が大幅に短縮された」が52.3%で最多だった。心理的負担の変化については「自分のペース
で納得いくまで確認ができるようになった」、「ミスを事前にAIでチェックできるため、提出時の不安が減った」
が挙がり、効率化にとどまらず、精神的な安定にも寄与していることが明らかとなった。一方、AIの進化について
2人に1人が「不安を感じる」と回答。理由として「必要なスキル水準が急速に高まると感じるから(51.8%)」や
「自分の担当業務が将来なくなる可能性を感じるから(42.9%)」が上位に挙がった。
https://worklear.jp/library/report/120
●在留外国人、今後も日本で働きたいは95.8%も、長期就労希望者は減少/民間調査
外国人採用専門の人材会社マイナビグローバルは7日、「在留外国人の日本での就労意欲調査結果」を公表した。
今後も日本で働きたいとする回答は95.8%(前年調査比3.5ポイント増)。一方、5年以上働きたいは、61.6%
(同14.7ポイント減)と長期的な就労希望者の割合が減少した。日本以外での就労に関心がある人も83.7%に
のぼり、日本が唯一の選択肢ではないことが分かるとしている。在留資格別の就労意欲では、特定技能(95.2%)
が技能実習(97.1%)とならび高く、就労ルートとして特定技能が定着しつつあることが示されたとしている。
https://mgl.mynavi.jp/news/view/id=496
●就活生の半数超が親に相談、「話を聞いてほしい」が最多/民間調査
人材サービスのジェイックは14日、「就職活動における親との関わり」に関する調査結果を発表した。就職活動
に関する親への相談頻度について尋ねたところ、定期的に親へ相談している学生は54.4%だった。相談するタイ
ミングの最多は「業界・職種を絞り込む、企業選びの初期段階」で、次いで「内定獲得後、最終的に承諾先を
決める時」、「就職活動のストレスや不安を感じた時」となった。親に期待する役割は「相談内容を聞いてほし
い」が最も多く、「経験や知見などに基づくアドバイスがほしい」、「状況や気持ちを理解してほしい」が続いた。
親に「答え」を求めるよりも、心理的な支えや経験に基づく助言を期待する傾向がうかがえた。
https://www.jaic-g.com/news/pressrelease/260714/
━━━━━━━━━━━━━━
【企業】
━━━━━━━━━━━━━━
●5年連続のベースアップ実施、初任給は33万円へ引き上げ/アルコニックス
非鉄金属等の輸出入などを行うアルコニックスは1日、ベースアップと定期昇給を組み合わせた約4.3%の賃上げ
を実施したと発表した。対象は非管理職層で、5年連続のベースアップとなる。また、採用力強化に向け、2027
年4月入社予定の新卒社員の初任給を3.1%引き上げ、33万円とした。初任給は25年入社の30.5万円から、26年入
社では32万円、27年入社では33万円へと段階的に引き上げている。
https://www.alconix.com/news/2026/07/wage-growth-2026.html
●分身ロボット活用で障がい者の就労機会拡大へ/野村ホールディングス・オリィ研究所
野村ホールディングスとオリィ研究所は7日、「障がい者インクルージョンの推進に向けた業務協力に関する覚書」
を締結した。分身ロボット「OriHime」を活用し、障がいのある人やその家族の学びや社会参画、就労機会の拡大
に向けた取組みを進める。ロボットを活用した就労・雇用モデルを共同で検討し、27年秋に開設予定のロボット
カフェの実証に参画するほか、野村HDの拠点における遠隔接客や案内、社内外コミュニケーション支援などでの
活用可能性も探る。野村HDでは、グループ社員を対象に研修を実施するなどの障がい者インクルージョンを推進
しており、今回の協業を通じて新たな雇用機会の創出につなげる。
https://www.nomuraholdings.com/jp/news/nr/nhi20260707.html
━━━━━━━━━━━━━━
【海外】
━━━━━━━━━━━━━━
●国別労働トピック/JILPT
<アメリカ>
▽中堅ホワイトカラー専門職の四分の一、昇進・昇給が5年以上ほぼなし
ニューヨーク大学プロフェッショナル教育学部とシンクタンクのバーニンググラス研究所が共同で発表した調査
結果「脇道に逸れたキャリア:中堅専門職の経済的流動性における隠された危機
(Sidetracked: The Hidden Crisis in Mid-Career Professional Economic Mobility)」によると、米国の大卒中
堅ホワイトカラー専門職の24.2%が、5年以上昇進しておらず、賃金もほとんど伸びていない。また、入職10年
経過後にキャリアが停滞した者は、入職後10年間(キャリア初期)の昇進が平均1.5回、賃金上昇が平均30%だった
のに対し、停滞しなかった者は、それぞれ平均1.9回、71%だった。キャリア初期における昇進や賃金上昇の違い
が、その後のキャリアの停滞と関連していることが浮かび上がった形だ。本調査は、米国の2000年以降のさまざ
まな業界における、ホワイトカラー専門職130万人以上のキャリア動向を分析したものである。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2026/07/usa_02.html
●従業員が米メタを提訴/AIで解雇対象者を選定か
米メタ(旧フェイスブック)が大規模解雇を行う際、人工知能(AI)を搭載したソフトウエアを使って障害者や
病気休暇の従業員の中から不釣り合いに多くの対象者を選んでいたとして、従業員26人が同社を提訴した。
訴訟はカリフォルニア州オークランドの連邦裁判所に提起された。連邦裁は13日、メタは生産性やAIの活用度な
どの要因を解雇の目安にしており、健康状態や家族の介護のために欠勤した従業員が不利になっていると指摘した。
この訴訟は米国の主要企業による、解雇でのAI使用に異議を唱える初のケースという。
原告の従業員は7月22日以降に順次解雇するとの通告を受けており、連邦裁に対し、解雇を差し止める暫定的な
判断を示すよう求めている。メタの広報担当者は14日、「従業員のマネジメントや組織の意思決定は、AIではな
く人間が行ってきたし、今も行っている」と主張した。メタは5月、世界の全従業員の10%に当たる8,000人近く
を解雇し、今年後半にも追加の解雇を行う計画と報じられている。(ロイター時事)2026年7月15日
━━━━━━━━━━━━━━
【イベント】
━━━━━━━━━━━━━━
●中小企業労務管理セミナー「職場のハラスメント対策」/かながわ労働センター県央支所
神奈川県かながわ労働センター県央支所では、9月9日(水)に中小企業労務管理セミナー「職場のハラスメ
ント対策~カスハラ対策等改正法対応も踏まえた実務のポイント~」をオンライン開催する。10月から施行さ
れるハラスメント対策の改正内容をはじめ、各種ハラスメントの対策として事業主が講じるべき実務上のポイン
トを事例を交えながら解説する。参加無料。100名(要申込、先着順)。
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/w4v/evt/e8207791.html
●日本人社員と外国籍社員のミスコミュニケーションに関するセミナーをオンライン開催/AOTS
海外産業人材育成協会(AOTS)は8月25日(火)、「日本人社員と外国籍社員のミスコミュニケーションに関する
セミナー 」をオンライン開催する。対象は、高度外国人材とともに働く日本人、または高度外国人材を雇用している/
採用を検討している企業担当者。日本人社員と高度外国人材の間で起こりやすいミスコミュニケーションについて学ぶ。
定員50名・参加無料。
https://www.aots.jp/hsp/miscommunication-seminar/