■□――【メールマガジン労働情報/No.2059】
大卒総合職モデル賃金、ピークの55歳で62.3万円/中労委調査 ほか
―2025年5月23日発行――――――――――――――□■
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本号の主な内容
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【行政】女子学生対象「霞が関体験プログラム」を実施/内閣人事局
【統計】大卒総合職モデル賃金 ピークの55歳で62.3万円/中労委調査 ほか
【労使】25年度重点政策を要請/連合
【動向】共働き正社員の平均世帯年収806万円/民間調査 ほか
【企業】国内で希望退職300人募集/サンデン
【海外】ノルウェー石油掘削労組、賃金交渉決裂/スト回避に向け調停へ
【イベント】6月「男女雇用平等推進月間」関連セミナー開催/東京都 ほか
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【JILPT研究成果情報】
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◇調査シリーズNo.255『「最低賃金の引上げと企業行動に関する調査」結果―2021~2023年度の連続パネル調査を通じて―』
地域別最低賃金の引き上げが中小企業に及ぼす影響や対応を把握するため、厚生労働省の研究要請に基づき3年
連続で調査を実施しました。2023年に最低賃金引き上げに対する取組を行った中小企業の割合は42.7%で、内容は
「賃金引き上げ」を除くと「製品・サービスの価格・料金の引き上げ」「人件費以外の諸経費などコストの削減」
「人員配置や作業方法の改善による業務効率化」の順でした。2016年以降の労働者の生産や売上の時間当たりの
変化について、いずれの調査も「変わらない」が4割以上で最多でしたが、「伸びた計(はっきり伸びた+はっきり
しないが伸びたと思う)」の割合がが増加しました。
https://www.jil.go.jp/institute/research/2025/255.html
◇調査シリーズNo.256『AIの職場導入による働き方への影響等に関する調査(労働者Webアンケート)結果』
人工知能(AI)の職場への導入が進み、その影響に対する国際的な関心が高まっています。JILPTでは、厚生労
働省の研究要請に基づき、OECDの知見を活用し、日本の労働者のAI活用状況を国際比較可能な形で調査しました。
全有効回答労働者のうち、「企業でAIが使用されている労働者」は12.9%で、そのうちの8.4%が「自身でAIを
利用」、6.4%が「生成AIを利用」している結果が得られました。2年前と比較した職場でのAI利用状況の変化に
ついて尋ねたところ、57.9%が「大幅に/やや拡大している」と回答し、業務におけるAIの利用が進んでいる
ことが示されました。
https://www.jil.go.jp/institute/research/2025/256.html
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【JILPTからのお知らせ】
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★2025年度「東京労働大学講座・総合講座」(7月開講、オンライン開催)募集中!
<労働法> 部門 7月10日(木)~8月29日(金)(14講義日+試験)
https://www.jil.go.jp/kouza/sogo/index.html
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【行政】
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●女子学生対象「霞が関体験プログラム」を実施/内閣人事局
内閣人事局は9月上旬、各府省等と連携した女子学生対象の「霞が関体験プログラム」を実施する。初日に、
女性活躍やワークライフバランス推進に関する取り組みについてオンラインでの説明があるほか、残り4日間で
政策の企画・立案プロセスを体験できる。理系学生が参加しやすい技術系職種グループも設けられる。募集締切
は6月12日(木)。全各5日間・第1クール:9月2日(火)~5日(金)、第2クール:9月9日(火)~12日(金)。
https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/recruit/event/detail_women_program.html
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【統計】
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●大卒総合職モデル賃金、ピークの55歳で62.3万円/中労委調査
中央労働委員会は、2024年の「賃金事情等総合調査」と「労働時間、休日・休暇調査」を21日に公表した。「賃金
事情調査」によると、大学卒の事務・技術(総合職)のモデル賃金は、22歳25.07万円、35歳41.69万円45歳56.37
万円で、ピークの55歳は62.3万円。所定内賃金は40万3,900円で、前年比で2万2,600円の増加、所定外賃金は6
万8,100円で同2,800円の増加。
「労働時間、休日・休暇調査」によると、1日の所定労働時間は「本社事務」で7時間42分、「交替なき勤務」で
7時間43分、「2交替勤務」で8時間21分、「3交替勤務」で7時間26分だった。
資本金5億円以上かつ労働者1,000人以上(介護事業所は100人以上)の調査対象380社のうち235社から回答による。
https://www.mhlw.go.jp/churoi/chousei/chingin/24/index.html
▽調査結果の概要
「賃金事情調査」
https://www.mhlw.go.jp/churoi/chousei/chingin/24/dl/03.pdf
「労働時間、休日・休暇調査」
https://www.mhlw.go.jp/churoi/chousei/chingin/24/dl/07.pdf
●2024年度実質賃金、前年度比0.5%マイナス/厚労省調査
厚生労働省は22日、毎月勤労統計調査の2024年度分結果確報(事業所規模5人以上)を公表した。
現金給与総額は、前年度比3.0%増の34万9,388円となったが、消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)で
実質化した賃金指数は98.7で前年度比0.5%減少し、3年連続の減少となった。持家の帰属家賃を含む消費者
物価指数(総合)による実質賃金指数は、100.2で前年度と同水準。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r06/24fr/dl/pdf24fr.pdf
●24年5月1日時点の外国人留学生、約34万人/学生支援機構調査
日本学生支援機構がこのほど発表した「2023年度日本人学生留学状況調査」「2024年度外国人留学生在籍状況
調査」によると、23年度に海外留学した日本人留学生数は前年度比で3万1,017人(53.3%)増加の8万9,179
人だった。留学先のトップはアメリカの1万3,517人(15.2%)、オーストラリア9,163人(10.3%)、韓国
8,384人(9.4%)だった。また、24年5月1日現在の外国人留学生数は、33万6,708人で前年度比で5万7,434人
(20.6%)増加した。出身国・地域別にみると、最多は中国の12万3,485人(36.7%)、ネパール6万4,816人
(19.2%)、ベトナム4万323人(12.0%)など。増加率では、ミャンマーの113.5%が最高で、スリランカ79.9%、
ネパール71.1%などが続く。
https://www.jasso.go.jp/about/press/jp2025043001.html
▽報道資料
https://www.jasso.go.jp/about/press/__icsFiles/afieldfile/2025/04/25/jp2025043001.pdf
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【労使】
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●25年度重点政策を要請/連合
連合は20日、働くことを軸とする安心社会の実現に向け、「デジタル社会インフラの整備促進と産業構造の変化
への対応」「中小企業への支援強化」「雇用の安定と公正労働条件の確保」など11項目から成る2025年度重点政策
を立憲民主党に要請した。冒頭、清水事務局長は「昨年の衆議院選挙以降、国会の様子が変わってきた」と述べ、
税と社会保障の一体改革による重層的なセーフティネットの構築や産業強靭化とDX・GXを通じた国際競争力の向上、
雇用の安定と公正な労働条件の確保を求めた。
https://www.jtuc-rengo.or.jp/news/news_detail.php?id=2231
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【動向】
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●共働き正社員の平均世帯年収806万円/民間調査
マイナビが15日発表した、「仕事・私生活の意識調査2025年(2024年実績)」によると共働き正社員の平均世帯
年収は806万4,000円で、理想とする年収額1,126万3,000円と約320万円の開きがあった。「正社員と正社員」の
組み合わせの夫婦は全体の85.8%と、「正社員とそれ以外(14.2%)」を大幅に上回った。子の有無別では、
子どもがいる夫婦の方が平均世帯年収、理想の平均世帯年収ともに高い傾向がみられた。1カ月あたり残業時間は、
平均15.4時間 、家事時間は同1.8時間だった。出世意欲について、「出世したい」は全体の30.2%、男女別では
男性33.6%、女性24.2%だった。
https://www.mynavi.jp/news/2025/05/post_48829.html
●ミドルの約4人に1人、パラレルキャリア・副業に取り組む/民間調査
エン・ジャパンは19日、同社が運営する転職サイトの利用者1,919人を対象に実施した、「パラレルキャリア/副業」
調査の結果を発表した。23%が本業以外の活動に取り組んでいると回答、始めた理由(複数回答・以下同)は「経済
的に安定するため」50%、「経験やスキルを積むため」46%が上位にあがった。活動内容としては「スポットワーク」
14%、「経営層・役員・CxO」12%、「クリエイティブ系」12%、「ボランティア」同率12%が並んだ。活動で得ら
れたこととしては「副収入」61%、「人脈形成」33%、「本業では得にくいスキルを習得」33%、「趣味や生きがい」
32%が続く。
https://corp.en-japan.com/newsrelease/2025/41561.html
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【企業】
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●国内で希望退職300人募集/サンデン
電機メーカー・サンデン(本社:群馬)は15日開催の取締役会で希望退職者の募集を決定した。対象は、2025年6月20日
時点で勤続1年以上の日本在勤の社員で約300名を募集し、特別退職金や再就職支援サービスを提供する。併せて取締役
の報酬辞退も実施し、人材構造改革施策に取り組む。
https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS02369/f7e5bc32/b0ec/45ac/80e1/eb5f9f8a8d8d/140120250514551828.pdf
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【海外】
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●ノルウェー石油掘削労組、賃金交渉決裂/スト回避に向け調停へ
ノルウェーで21日、約7,500人の石油掘削作業員が関わる賃金交渉が決裂した。企業側と三つの労働組合が明らかにした。
ノルウェー船主協会(NSA)と労組間で行われていた交渉は今後、政府が任命する調停人の下で再開される。日程は未定。
NSA側の交渉担当者は声明で「残念ながら合意には至らなかった」と述べた。ノルウェーでは労使交渉制度が厳格に規制
されており、今後の調停でも合意に至らなかった場合にのみ、労働者にスト権が与えられる。労働者側の要求内容や
賃金条件の詳細は通常公表されず、今回も明らかになっていない。同国は世界有数の石油・ガス輸出国。ストが実施され
れば、拡張プロジェクトや新規油田の操業開始に遅れが出ると予想されるが、日々の生産量への影響は限定的とみられる。
労組によると、ノルウェーの海上掘削リグ労働者の年間賃金は74万3,000~94万2,000ノルウェークローネ(約1,047万~
1,327万円)で、これに時間外手当や福利厚生が加わる。(オスロー・ロイター時事)2025年5月22日 ※リンク先なし
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【イベント】
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●6月「男女雇用平等推進月間」関連セミナー開催/東京都
東京都労働相談情報センターは、6月の「男女雇用平等推進月間」中、関連セミナーを会場(都内各所)とオン
ラインで開催する。テーマは、「女性リーダーの育成」「自分らしい働き方」「男性の育業」など。
受講無料。要事前申込。先着順、定員に達し次第、受付終了。
https://www.hataraku.metro.tokyo.lg.jp/seminarform/index/menu/
●「管理監督者・職場リーダーのためのメンタルヘルス ラインケアセミナー」/中央労働災害防止協会
中央労働災害防止協会は7月11日(金)、「管理監督者・職場リーダーのためのメンタルヘルス ラインケアセミナー」
を港区で開催する。話を聴く技法である「積極的傾聴法」の基本の習得に加え、「部下の不調への気づきと対応」
についての事例検討を含めて、実際的なラインケアに必要な能力を実習を通して学ぶ。参加費2万3,100円。
https://www.jisha.or.jp/seminar/health/h3670_mh_linecare.html