■□――【メールマガジン労働情報/No.2055】
「ものづくり産業におけるDXと人材育成に関する調査」結果を記者発表 ほか
―2025年5月9日発行――――――――――――――□■
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本号の主な内容
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【行政】地方や中小企業での良質な雇用の在り方について提言/労政審部会報告 ほか
【統計】3月有効求人倍率1.26倍、前月比0.02ポイント上昇/一般職業紹介状況 ほか
【労使】第96回メーデー中央大会を開催/連合など ほか
【動向】25年夏季賞与・一時金(ボーナス)、対前年同期比3.8%増、過去最高額を更新/民間調査 ほか
【海外】各労使団体の力関係に変化なし/労使の代表性に関する政府発表/フランス
【イベント】「派遣先事業主・責任者研修会」/東京労働局 ほか
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【JILPT研究成果情報】
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☆記者発表 「ものづくり産業におけるDXと人材育成に関する調査」
デジタル技術の導入・活用に向けた人材確保、「社内人材の活用・育成」が半数超
JILPTは9日、「ものづくり産業における DX と人材育成に関する調査」結果を記者発表しました。デジタル技術
の導入・活用に向けた人材確保の方法を複数回答で尋ねたところ、「社内人材の活用・育成」が「企画・開発・
設計」「製造」「生産管理」「品質管理」のすべての工程で半数を超え、最多でした。デジタル化の取り組み
内容としては、全工程で「見える化(データの収集・蓄積・分析)」が最多、「自動化(データによる制御)」
は、特に「製造」工程で高くなっています。
https://www.jil.go.jp/press/documents/20250509.pdf
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【JILPTからのお知らせ】
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◇『日本労働研究雑誌』5月号 特集「ストライキ」
https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2025/05/index.html
◇『ビジネス・レーバー・トレンド』5月号 「キャリア形成と育児の両立をどう支えるか」
https://www.jil.go.jp/kokunai/blt/backnumber/2025/05/index.html
◇労働政策フォーラムの開催報告 第137回「仕事と育児の両立支援─改正育児・介護休業法の施行に向けて─」(2025年2月7日~13日開催)
https://www.jil.go.jp/event/ro_forum/20250213/houkoku/index.html
☆「メールマガジン労働情報」読者アンケート調査の結果について
2025年2~3月実施した読者アンケート調査の結果をとりまとめました。ご協力ありがとうございました。
https://www.jil.go.jp/kokunai/mm/enquete/index.html
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【行政】
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●地方や中小企業での良質な雇用の在り方について提言/労政審部会報告
厚生労働省は8日、「労働政策基本部会報告書-急速に変化する社会における、地方や中小企業での良質な雇用の
在り方」を公表した。、AIの進化による社会構造の変化や人口減少社会を見据え、地方や中小企業における課題等
について検討した結果をまとめている。地方における賃金等の労働条件の低さや情報発信の不足、社会インフラ維
持に必要な建設、輸送・機械運転、保健医療、介護等の産業・職種の労働条件の低さ、多様で柔軟かつ安心な働き
方の不足等を地方・中小企業の課題としてあげ、その解消に向けた施策の在り方を、「労働生産性の向上」、
「労働参加率の向上」、「ジェンダーギャップの解消」、「情報ギャップの解消」の4点について提起している。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_57680.html
▽報告書概要
https://www.mhlw.go.jp/content/12602000/001485056.pdf
●プラットフォーム労働者の労働者性について検討を開始/厚労省研究会
厚生労働省は2日、「労働基準法における「労働者性」に関する研究会」を開催した。プラットフォームワーカー
等の新たな働き方が広がっていることを踏まえ、1985年研究会報告書が示した「労働者の判断基準」 の見直し
に向け検討するとしている。ヒアリング事項(案)は、これまでの裁判例で労働者性判断において重視された要素
は何か、労働者性の判断に関して課題が多い業種・職種はあるか等をあげている。同研究会は、労働基準法制研究
会報告書(2025年1月)が、1985年報告書の「労働者の判断基準」が働き方の多様化に対応できない部分がある等
と指摘し、総合的な検討を行うべきとされたことを受けたもの。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_57506.html
▽ヒアリング事項案
https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/001483479.pdf
▽労働基準法制研究会報告(2025年1月28日)
https://www.mhlw.go.jp/content/11402000/001370269.pdf
●就職氷河期世代等支援に関する関係閣僚会議を開催/首相官邸
政府は4月25日、第1回就職氷河期世代等支援に関する関係閣僚会議を開催した。首相は議論を踏まえ、バブル
崩壊後の1990~2000年代、雇用環境が厳しい時期に就職活動し、現在も様々な課題に直面している就職氷河期世
代への支援の柱として、「就労・処遇改善」「社会参加」「高齢期を見据えた支援」の検討を掲げ、関連施策の
充実・強化を関係大臣に指示した。検討結果は6月メドで取りまとめ『骨太方針2025』に反映される。
(首相官邸ウェブサイト)
https://www.kantei.go.jp/jp/103/actions/202504/25hyogakishien.html
▽就職氷河期世代等支援に関する関係閣僚会議/内閣官房
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/shushoku_hyogaki_shien/kankeikakuryokaigi/index.html
●2025年度・2026年度の成長率と物価は下振れ、価格転嫁の動向は継続/日銀レポート
日本銀行は1日、「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」(2025年4月)を発表した。「基本的見解」は、
消費者物価(除く生鮮食品)上昇率を、2025年度2%台前半、2026 年度は1%台後半、2027年度は2%程度と
予想。 前回1月レポートとの比較では、2025年度と 2026 年度の成長率は、各国の通商政策等の影響を受けて
下振れ、消費者物価も原油価格の下落や今後の成長ペース下振れの影響などから下振れるが、物価の先行きに
ついては、2027 年度に2%程度となると展望している。
レポートは雇用・所得環境について、女性や高齢者などの追加的な労働供給が見込みにくく、労働需給は
引き締まった状態が続き、名目賃金は春季労使交渉の結果等を踏まえて高い伸び率が続くとし、企業の賃金・
価格設定行動については、人件費・物流費などのコスト上昇を販売価格に反映する動きは継続し、「成長率が
高まり、労働需給の引き締まりがより明確となるもとで、積極的な企業の賃金・価格設定行動は更に広がる」
としている。
https://www.boj.or.jp/mopo/outlook/gor2504a.pdf
▽全文(5月2日掲載)
https://www.boj.or.jp/mopo/outlook/gor2504b.pdf
▽総裁記者会見
https://www.boj.or.jp/about/press/kaiken_2025/kk250502a.pdf
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【統計】
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●3月有効求人倍率1.26倍、前月比0.02ポイント上昇/一般職業紹介状況
厚生労働省は2日、2025年3月分「一般職業紹介状況」を公表した。有効求人倍率(季調値)は1.26倍で、前月と
比べ0.02ポイント上昇。新規求人倍率(同)は2.32倍で、前月比0.02ポイント上昇。新規求人(原数値)は、
前年同月比で3.0%減。産業別にみると、増加は情報通信業(8.2%増)、宿泊業・飲食サービス業(3.3%増)、
減少は卸売業・小売業(7.7%減)、生活関連サービス業・娯楽業(6.9%減)、教育・学習支援業(6.2%減)。
同日公表の2024年度平均の有効求人倍率は1.25倍で、前年度(1.29倍)に比べ0.04ポイント低下した。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_57261.html
▽報道発表資料
https://www.mhlw.go.jp/content/11602000/001479026.pdf
●3月の完全失業率2.5%、前月比0.1ポイント上昇/労働力調査
総務省は2日、2025年3月の「労働力調査(基本集計)」を公表した。完全失業率(季調値)は2.5%で、0.1
ポイント上昇した。完全失業者数は180万人(前年同月比5万人減)で、2カ月連続の減少。就業者数は6,770万人
(同44万人増)で32カ月連続の増加。雇用者数は6,138万人(同58万人増)で、37カ月連続の増加。正規従業員数
は3,642万人(同40万人増)で17カ月連続の増加。非正規従業員数は2,151万人(同20万人増)で3カ月連続増加。
同日公表された2024年度平均の完全失業率は2.5%で、前年度比で0.1ポイント減。完全失業者数は175万人で、
同3万人減少した。
▽3月結果
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/index.html
▽3月概要
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/pdf/gaiyou.pdf
▽2024年度 結果の概要
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/nendo/pdf/gaiyou.pdf
●生活保護の保護申請件数、前年同月比3.6増/厚労省調査
厚生労働省は7日、生活保護法に基づく「被保護者調査」(2025年2月分概数)の結果を公表した。保護の申請件
数は1万9,078件で、前年同月比656件(3.6%)増。保護開始世帯数は1万7,527世帯で、同616世帯(3.6%)増。
被保護実世帯は164万6,229世帯で、同3,446世帯(0.2%)減。被保護実人員は199万8,606人で、同1万8,649人(0.9%)減。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/hihogosya/m2025/dl/02-01.pdf
●3月基調判断、「一進一退」に据え置き/鉱工業指数速報
経済産業省は4月30日、3月の鉱工業生産・出荷・在庫指数(速報)を公表した。生産指数(季調値)は前月比
1.1%低下の101.1で2カ月ぶりの低下。業種別にみると、全15業種のうち自動車工業や電気・情報通信機械工業
など10業種が前月比で低下した。出荷(季調値)は98.7で前月比2.8%・2カ月ぶりの低下。在庫は0.9%の上昇。
在庫率は4.5%の上昇。基調判断は、「総じてみれば、生産は一進一退で推移」として据え置いた。
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-1.html
▽概要
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/press/b2020_202503sj.pdf
●こどもの数1,366万人、44年連続の減少/総務省統計局推計
総務省は4日、5月5日の「こどもの日」にちなんで、2025年4月1日現在のこどもの数(15歳未満人口)の推計
を発表した。それによると、こどもの数は1,366万人(対前年比35万人減)で44年連続の減少。こどもの割合は11.1
%(同0.2%減)で51年連続の低下。都道府県別では、こどもの割合は沖縄県(15.8%)が最も高く、秋田県(8.8%)
が最も低くなっている。
https://www.stat.go.jp/data/jinsui/topics/pdf/topics145.pdf
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【労使】
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●第96回メーデー中央大会を開催/連合など
連合などのメーデー中央大会実行委員会は4月26日、東京・代々木公園で第96回メーデー中央大会を開催した。
冒頭、連合会長は戦後80年を踏まえ、未来に向かって平和を求める決意を述べた。続いて、2025春闘について
中小・小規模事業所で前回を上回る賃上げ率となっていることに触れて 「確実に格差は縮まっている」とした
うえで、「働くことが単に生活の糧を得るだけではなく、一人ひとりの人生そのものであり、自己実現の一つと
して位置付けられる」と述べた。来賓挨拶で首相は「賃上げこそが成長戦略の要」として物価上昇に負けない
賃上げ実現への決意を示し、価格転嫁を更に徹底するための下請法改正案の早期成立・早期施行を目指すと述べた。
参加者数は2万9,200人(主催者発表)。
▽連合ニュース
https://www.jtuc-rengo.or.jp/news/news_detail.php?id=2225
▽首相官邸
https://www.kantei.go.jp/jp/103/actions/202504/26mayday.html
●物価高騰を上回る大幅賃上げ・底上げを/全労連系メーデー
全労連などの中央メーデー実行委員会は5月1日、第96回中央メーデーを東京都渋谷区の代々木公園で開いた。
全労連議長は主催者あいさつで、最低賃金の引き上げをはじめ、労働者の処遇改善、大幅賃上げが必要との世論
を創り上げてきたとした一方、コメをはじめとする食料品高騰による物価高が甚大な影響を与えているとし、
物価高騰を上回る大幅賃上げ・底上げを求めた。
(第96回メーデー宣言)
https://www.zenroren.gr.jp/stpr/2992/
▽主催者あいさつ
https://www.zenroren.gr.jp/gichou_room/第-96-回メーデー-主催者あいさつ/
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【動向】
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●25年夏季賞与・一時金(ボーナス)、対前年同期比3.8%増、過去最高額を更新/民間調査
労務行政研究所は8日、東証プライム上場企業を対象とした夏季賞与・一時金についての調査結果を公表した。
妥結結果は、全産業ベース(114社、単純平均)で86万2,928円、対前年同期比で3.8%増。産業別では、製造業
3.7%増、非製造業4.8%増と、ともにプラス。妥結額は、2022年以降4年連続の増加で、前年に続き80万円台を
維持し、過去最高額を更新した。支給月数は、平均 2.55カ月で、同一企業で見ると前年同期(2.58カ月)を
0.03カ月下回った。
https://www.rosei.or.jp/attach/labo/research/pdf/000089053.pdf
●社会人1・2年生「出世したい」は5割半/民間調査
ソニー生命保険は4月15日、2025年春から働き始める社会人1年生と就職後1年経過した社会人2年生(計1,000
人)の金銭事情、仕事観などに関する意識調査結果を発表した。将来の出世意欲を尋ねたところ、54.5%が「出
世したい」と回答。男女・年次別では1年目男性の71.2%が「出世したい」と回答したのに対し、2年目女性は
36.8%にとどまった。社会人2年目に「1年目の職場でドン引きしたこと」を聞いたところ、「社内の人間関係が
ギクシャク」(16.2%)、「ハラスメントを受けた・見聞きした」(13.8%)、「仕事内容が事前に聞いていたことと
違った」(11.8%)、「必要のない残業をしている人がいた」「仕事をしていない人がいた」(いずれも11.4%)等。
社会人1年目にかかった金額は「身だしなみ」「自己投資」「プライベートな付き合い・交際」「実家に入れた金額」
の全項目で昨年度比で減少、物価高騰による倹約志向の高まりと分析している。
https://www.sonylife.co.jp/company/news/2025/nr_250415.html
▽調査結果PDF版
https://www.sonylife.co.jp/company/news/2025/files/250415_newsletter.pdf
●「障がい者雇用」実態調査を発表/民間調べ
エン・ジャパンが4月16日に発表したアンケート調査結果によると、2026年7月より民間企業の障がい者法定雇用
率が2.7%に引き上げられることについて54%が「知っている」と回答。対象企業が従業員40.0人以上から37.5人
以上になることについての認知度は48%だった。業種別ではいずれも「商社」の認知度が最も高かった。現在障がい
者を雇用している企業は53%で、業界別では「メーカー」が76%と最多。障がい者の雇用経路は「ハローワーク」
が最多の48%だった。
https://corp.en-japan.com/newsrelease/2025/41180.html
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【海外】
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●国別労働トピック/JILPT
<フランス>
▽各労使団体の力関係に変化なし―労使の代表性に関する政府発表
政府は4月8日、向こう4年間の全国レベルの労使交渉権を持つ代表的な労働組合と使用者団体を公表した。
2013年から実施されている労使の代表性に関する選挙結果をまとめたものだが、各労使団体の勢力図は、前回の
2021年の結果から変化していない。ただ13年からの変化を見ると、かつて労働組合の最大勢力であったCGT
(労働総同盟)の支持率は低下し、管理職組合CFE-CGCの支持率が上昇する傾向が見られる。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2025/04/france_01.html
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【イベント】
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●「派遣先事業主・責任者研修会」/東京労働局
東京労働局は5月22日(木)、「派遣先事業主・責任者研修会」をオンライン(Zoom)で開催する。派遣労働者を
受け入れている(または受入予定の)事業所の担当者向けの内容で、男女雇用機会均等法等の派遣労働者への適用、
派遣労働者と労働基準法等の適用、外国人在留支援センターの紹介など、労働者派遣に関わる様々なルールを説明
する。参加無料。要事前申込。同形式で2026年3月まで開催、繰り返し・一部のみ受講も可。
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/news_topics/jyukyuuchousei_20250522_hasaki_00001.html
●「派遣労働者の同一労働同一賃金オンラインセミナー」/東京労働局
東京労働局は5月23日(金)、「派遣労働者の同一労働同一賃金オンラインセミナー~労使協定作成実務~」を
Zoomによるオンラインで開催する。
2部構成となっており、Part1では賃金を除く労使協定全体における説明や注意点等、Part2では賃金の説明
や計算方法に特化した内容となっている。主に派遣元事業所で労働者派遣事業に初めて従事する人向けの内容
で、誰でも参加可、受講無料。申込専用フォームから要事前申込。今後、2026年2月まで月1回、同一内
容で実施予定、繰り返し・一部のみ受講も可。
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/news_topics/jyukyuuchousei_070523_01_00001.html