メールマガジン労働情報 No.1934

■□――【メールマガジン労働情報/No.1934】

賃金と物価の好循環、強まっていくか注視が重要/日銀・展望レポート(24年1月) ほか

―2024年1月26日発行――――――――――――――□■

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  本号の主な内容
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【行政】賃金と物価の好循環、強まっていくか注視が重要/日銀・展望レポート(24年1月) ほか
【統計】2023年月額賃金31万8,300円、前年比2.1%増/賃金構造基本統計
【労使】賃金体系維持分を含め6%基準の引き上げを要求する闘争方針を決定/UAゼンセンの中央委員会 ほか
【企業】アルムナイネットワークを新設/三菱電機 ほか
【イベント】「社外人材活用セミナー」/千葉県 ほか

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【JILPT研究成果情報】
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◇資料シリーズNo.272『就職氷河期世代のキャリアと意識―困難を抱える20人のインタビュー調査から』

就職氷河期世代のキャリアと意識を明らかにすることを目的に、この世代の人達へのインタビュー調査を行いました。
氷河期世代のキャリアは、これまで想定されていたような非正規の継続ではなく、新卒正社員であっても労働条件が悪く、
正社員を離職し、正社員と非正社員、無業・失業を行きつ戻りつする「ヨーヨー型」のキャリアが多数存在するとわかりました。
https://www.jil.go.jp/institute/siryo/2024/272.html

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【JILPTからのお知らせ】
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☆ホームページ停止のお知らせ

設備等点検のため、下記の期間、当機構ホームページ(蔵書DBを含む)を停止いたします。
ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願い申し上げます。
<1月26日(金)18時~1月27日(土)16時>

★第130回労働政策フォーラム(会場/オンライン開催) 申込受付中!
 「ガイダンスツールを活用した就職相談とキャリア支援─相談支援現場からの実践報告─」
 ▽概要ページ
 https://www.jil.go.jp/event/ro_forum/20240227/index.html

 第1部「VRTカード」講習会 ※会場開催(定員50名)
  日 時 2月27日(火)13時00分~14時25分
  会 場 AP日本橋 RoomA/B
       (東京都中央区日本橋3-6-2 日本橋フロント6階)
  ☆「VRTカード」とは
  https://www.jil.go.jp/institute/seika/vrtcard/index.html

 第2部 労働政策フォーラム ※オンライン(ライブ)開催
  日 時 2月27日(火)14時45分~17時10分
 <登壇者>
  原田千絵 (公財)愛知県労働協会 職業適性相談グループ主任
  奥村英生 北海道労働局 北見公共職業安定所所長
  玉手桃子 キャリアコンサルタント
  太幡竜一 (株)エイチ・アール・シー・キャリア 対人支援グループ
  深町珠由 JILPT主任研究員

  

★第129回労働政策フォーラム(オンライン開催) 申込受付中!
 「仕事と介護の両立─介護離職ゼロに向けた課題」<労働関係図書優秀賞記念企画>
 ▽概要ページ
 https://www.jil.go.jp/event/ro_forum/20240205/index.html

 第1部 記念講演(オンデマンド配信)2月1日(木)~5日(月)
 第2部 パネル討論(ライブ配信)  2月5日(月)14時~16時30分
 <登壇者>
  塩入徹弥 大成建設(株) 管理本部人事部専任部長
  川内 潤 NPO法人となりのかいご 代表
  牧野史子 NPO法人 介護者サポートネットワークセンター・アラジン 理事長
       (一社) 日本ケアラー連盟 代表理事
  池田心豪 JILPT副統括研究員



◇『日本労働研究雑誌』2024年特別号を刊行しました!
 2023年労働政策研究会議報告

本号は、日本労使関係研究協会が2023年9月に開催した「2023年労働政策研究会議」での報告論文などを掲載した
特別号です。総括テーマは、「人材育成・キャリア形成をめぐる政策課題―組織(企業)主導型から社会・企業・
個人(労働者)協力型の人材育成・キャリア形成の構築を目指して」です。
https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2023/special/index.html

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【行政】
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●賃金と物価の好循環、強まっていくか注視が重要/日銀・展望レポート(24年1月)

日本銀行は23日、「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」(2024年1月)を発表した。「政策委員の大勢見通し」では、
2023年度の消費者物価指数を2.8%とし、前回(10月)から据え置き、実質GDPは2.0%から1.8%に下方修正した。
企業の賃金・価格設定行動については「上下双方向に不確実性が高い」としつつ、「労働需給が引き締まるもと、
人材確保などを意識し、企業の賃金設定行動がより前傾化する可能性がある」、「賃金に物価動向を反映させる動き
とともに、物価に賃金動向を反映させる動きも広がり、賃金と物価が上振れる可能性がある」(7頁)などと指摘。
「長期にわたる低成長やデフレの経験などから、賃金・物価が上がりにくいことを前提とした慣行や考え方が社会に
定着してきたことを踏まえると、賃金と物価の好循環が強まっていくか注視していくことが重要」(8頁)との見解を示した。
https://www.boj.or.jp/mopo/outlook/gor2401a.pdf

●景気判断「一部に足踏みもみられるが、緩やかに回復」を維持/1月・月例経済報告

政府は25日、1月の「月例経済報告」を公表した。基調判断は、「景気は、このところ一部に足踏みもみられるが、
緩やかに回復している」を維持。先行きについては、「緩やかな回復が続くことが期待される」としつつ、
「世界的な金融引締めや中国経済の先行き懸念のリスクに加え、中東地域をめぐる情勢等の影響にも十分注意が必要。
さらに、能登半島地震の影響に十分留意が必要。」としている。個別判断では、雇用情勢は、「改善の動きがみられる」の
判断を維持。消費者物価は「上昇テンポが緩やかになっている」から「緩やかに上昇している」に、
輸出は「持ち直しの動きがみられる」から「持ち直しの動きに足踏みがみられる」に、変更。
https://www5.cao.go.jp/keizai3/getsurei/2024/0125getsurei/main.pdf

●今後の労働基準関係法制の法的論点整理などに向けた研究会がスタート/厚労省研究会

厚生労働省は23日、第1回労働基準関係法制研究会を開催した。同研究会は、今後の労働基準関係法制について
包括的かつ中長期的な検討を行うとともに、働き方改革関連法附則第12条に基づく労働基準法等の見直しについて
具体的な検討を行う。検討事項は、(1)「新しい時代の働き方に関する研究会」報告書(23年10月)を踏まえた
今後の労働基準関係法制の法的論点整理、(2)働き方改革関連法の施行状況を踏まえた労働基準法等の検討。
「新しい時代の働き方に関する研究会」報告書については、過半数代表の規定の厳格化や運用の徹底、働く人の
健康確保のために多様な就業者を含めた労働者概念の見直し等、労働条件分科会(23年11月)で示された意見を参考資料として紹介している。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_37490.html
▽「新しい時代の働き方に関する研究会」報告書に関する主な意見
https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/001194511.pdf

●「日本スタートアップ大賞2024」の募集/厚労省

厚生労働省は、「日本スタートアップ大賞2024」の募集を開始した。同大賞は、次世代のロールモデルと
なるような、社会的インパクトのある事業を創出した起業家やスタートアップを表彰する制度。
厚生労働省のほか、経済産業省、農林水産省、文部科学省、国土交通省、総務省等でも募集している。
厚生労働大臣賞(医療・福祉スタートアップ賞)の対象は、医療・福祉分野の発展に対し、最も評価の高いもの。
募集締切は2月16日(金)(必着)、審査、受賞者の決定は3月を予定。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_37330.html
▽事務局HP(応募詳細)
https://www.mizuho-rt.co.jp/topics/2023/startup.html

●「アンコンシャス・バイアス セミナー」の動画公開/厚生労働省

厚生労働省は2023年度委託事業「個々の女性労働者のキャリア形成支援事業」の一環として、
「アンコンシャス・バイアス セミナー~心に潜む“無意識の思い込み”に気づく~」の動画を公開した。
企業における研修でも使用可能。動画の理解状況を自己チェックするための付属資料も用意。
有識者の一人に、池田心豪・JILPT副統括研究員が出演している。
▽アンコンシャス・バイアス セミナー動画
https://www.youtube.com/watch?v=WsuPpbkLRsY
▽付属資料
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001190882.pdf
▽アンケート
https://forms.office.com/r/HMtnsaL3rn

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【統計】
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●2023年月額賃金31万8,300円、前年比2.1%増/賃金構造基本統計

厚生労働省は24日、2023年「賃金構造基本統計調査」結果の速報を公表した。
一般労働者(短時間労働者以外の労働者)の月額賃金は、31万8,300円(前年比2.1%増)。
金額は1976年調査開始後、最高額で、伸び率は1994年に同2.6%増となって以来の水準。
学歴別(高校、大学のみ)では、高校28万1,800円、大学36万9,600円で、前年と比較し、
ほとんどの年齢階級で前年を上回り、相対的に34歳以下の若年層で高い伸びとなっている。
賃金構造基本統計調査は、主要産業の雇用労働者の賃金調査で、今回は23年6月分として支払われた
所定内給与額の平均。速報では結果の一部(産業大分類×学歴別、勤続年数別、年齢階級×産業大分類別、
年齢階級×学歴×企業規模別)を公表。調査の概況は3月に公表予定。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2023/dl/sokuhou.pdf
▽統計表
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2023/index.html

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【労使】
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●賃金体系維持分を含め6%基準の引き上げを要求する闘争方針を決定/UAゼンセンの中央委員会

化学・繊維などの製造業からスーパーマーケットなどの流通業、また、サービス業に至るまで、幅広い業種をカバーする
UAゼンセン(松浦昭彦会長、約189万4,000人)は23日、兵庫県神戸市で中央委員会を開催し、2024労働条件闘争方針を
決定した。方針は「物価が継続的に上昇する中で、安心して消費を行い、生活を維持していくためには、物価を上回る
賃金引き上げが必要最低限の条件」と強調。全体的な要求の考え方として、制度昇給等の賃金体系維持分に加えて
4%基準(総合計6%基準)の賃金引き上げに取り組むと掲げた。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/kokunai/topics/mm/20240126a.html

●「月額3万円以上、時給190円以上、10%以上」の引き上げを目指す/国民春闘共闘の春闘方針

全労連や中立労組などでつくる国民春闘共闘委員会(代表幹事:小畑雅子全労連議長)は19日、都内で第1回単産・地方
代表者会議をオンラインとの併用で開き、2024年の国民春闘方針を確認した。賃上げ要求基準として、前年同様、
「月額3万円以上、時給190円以上、10%以上」の引き上げを目指すほか、企業内最低賃金「時給1,500円以上、
月22万5,000円以上」などを掲げている。ストライキを背景に交渉力を強める取り組みを全体に広げて、大幅賃上げ・
底上げを実現したい考えだ。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/kokunai/topics/mm/20240126b.html

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【企業】
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●アルムナイネットワークを新設/三菱電機

三菱電機は18日、退職者(アルムナイ)との継続的つながり構築のためのネットワーク「Re-MELCO~アルムナイ
ネットワーク~」を新設し、運用開始すると発表した。従来、退職した人材を再び雇用する「カムバック採用」を
していたが、同ネットワークを通じ求人情報など定期的な情報提供を行い、社内外の幅広い経験や高い専門性を持つ
人材との継続的つながりを強化し、再雇用機会の拡大を図るとしている。
https://www.mitsubishielectric.co.jp/news/2024/0118.html

●博士号取得者の初任給引上げ、奨学金の代理返還制度の新設等/JR東日本

JR東日本は16日、専門的知識を有する人材確保等のため博士号取得者の初任給を2万5,000円(最大約9%増)
引き上げるとともに、若手人材の確保のため奨学金の代理返還制度を新設すると発表した。奨学金の代理返還制度は、
奨学金を受給していた社員(一部)について、毎年5万円を上限とし、入社後最長10年間、会社が代理返還するもの。
博士号取得者への初任給引上げ、奨学金代理返還とも、すでに入社している社員も対象とする。あわせて、
難病・障害のある子どもを育てる社員が利用できる勤務・休暇制度について、利用期間を中学校3年生までとしていたのを
子の年齢に関わらず利用できるようにする。いずれも、4月1日より実施。同社は「社員のウェルビーイング」の実現に引き続き取り組むとしている。
https://www.jreast.co.jp/press/2023/20240116_ho02.pdf

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【イベント】
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●「社外人材活用セミナー」/千葉県
千葉県ジョブサポートセンターは2月15日(木)、「社外人材活用セミナー」を開催する。内容は、
「在宅ワーカーを効果的に活用して事業力を強化する手法と募集・契約・マネジメントのポイントとは」。
対象は県内企業の経営者及び担当者。参加無料。事前予約制で、定員は50名程度。
https://www.chiba-job.com/event/4645


●「職場の個人情報・プライバシー保護」「マイナンバー実務」に関する講座/神奈川県労働福祉協会

神奈川県労働福祉協会は2月に、次の講座をZoomライブで開催する。オンデマンドもあり。

 ○「マイナンバー実務対応講座」
  2月20日(火)、対象は勤労者、総務、人事労務、給与計算担当者他一般の方。受講料15,000円、要事前申込。
  https://www.zai-roudoufukushi-kanagawa.or.jp/mynumber.html

 ○「職場の個人情報・プライバシー保護と情報セキュリティの法的責任と実務対応」
  2月22日(木)、対象は勤労者、他一般の方。受講料10,000円、要事前申込。
  https://www.zai-roudoufukushi-kanagawa.or.jp/privacy-protection.html