メールマガジン労働情報 No.1919

■□――【メールマガジン労働情報/No.1919】

技能実習に代わり「育成就労制度」の創設を提起、転職要件は原則「1年超」/法務省有識者会議 ほか

―2023年11月29日発行――――――――――――――□■

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  本号の主な内容
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【行政】技能実習に代わり「育成就労制度」の創設を提起、転職要件は原則「1年超」/法務省有識者会議 ほか
【統計】10月の消費者物価指数2.9%上昇/総務省 ほか
【動向】路線バスの8割で「減便・廃止」、運転手不足でダイヤ維持困難/民間調査
【企業】福利厚生制度に卵子凍結補助を導入、最大40万円支給/ディップ ほか
【海外】UAWと自動車大手3社が暫定合意―4年半で25%の賃上げなど/アメリカ ほか
【法令】労働関係法令一覧(2023年10月公布分)
【イベント】「テレワークセミナー」/東京テレワーク推進センター

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【JILPT研究成果情報】
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◇資料シリーズNo.271
『「job tag」(職業情報提供サイト(日本版O-NET))のインプットデータ開発に関する研究(2022年度)』

2018年度と翌19年度に当機構が初期開発し、その後毎年度情報の拡充・更新を行っている職業情報のデータセットについて、
2022年度は主に、既存領域のうち「仕事の内容」領域の情報更新と、新たに「アビリティ」の領域の情報作成を行いました。
また、仕事量と就業者数の変化に関する調査も併せて実施しました。
https://www.jil.go.jp/institute/siryo/2023/271.html

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【JILPTからのお知らせ】
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★企画展示「労働組合機関紙の世界」/労働図書館

JILPT労働図書館では、閲覧室内の展示コーナーで、テーマを決めて企画展示をしています。
このたびは、29日(水)から2024年2月16日(金)まで「労働組合機関紙の世界」と題し、所蔵する関連資料をご紹介しています。
https://www.jil.go.jp/lib/exhibition/index.html

◇『日本労働研究雑誌』12月号を刊行しました! 特集「多様な属性の正社員」

少子高齢化に伴い、日本的雇用慣行に見直しの動きがみられます。以前は男性正社員が年功処遇や終身雇用の対象と
想定されていましたが、その状況に変化は有るのでしょうか。「多様な働き方」に対応した雇用管理の改善が見られますが、
それは日本的雇用慣行の中核である「正社員」の多様化に及んでいるのでしょうか。
本号では「正社員」をめぐる労働環境の変化の有無について特集しています。
https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2023/12/index.html

◇『ビジネス・レーバー・トレンド』12月号を公開しました!「生涯キャリアの充実と社会貢献活動」

定年後の働き方として、再雇用制度の利用や別の会社への就職のほか、勤労者意識の多様化などにより、
社会貢献活動もひとつの選択肢となっており、活動を希望する社員を支援する企業も出てきています。
本号では生涯キャリアを豊かにするために、企業等で働いてきた人がどうすれば社会貢献活動に参加できるか、
また、定着・継続させるにはどうしたらよいかを考えます。
https://www.jil.go.jp/kokunai/blt/backnumber/2023/12/index.html

★事務職員(中途・社会人経験者)の募集について

労働政策研究・研修機構では、事務職員(中途・社会人経験者)を募集しています。
リクナビNEXT応募フォームより、必要事項を記入して送信(応募)してください。
チームワークで仕事ができる方、幅広い好奇心・チャレンジ精神をもって仕事に取組み、
新しい分野について貪欲に学び続ける意欲のある方を歓迎します。
https://www.jil.go.jp/information/koubo/shokuin/2023/index.html

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【行政】
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●技能実習に代わり「育成就労制度」の創設を提起、転職要件は原則「1年超」/法務省有識者会議

法務省出入国在留管理庁は24日、第16回「技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議」にて
最終報告書案をとりまとめた。技能実習制度に代わる新制度の名称を「育成就労制度」(資料2-1・7頁)とし、
人材確保と人材育成を目的とした制度にする。技能・知識を段階的に向上させ、新制度から特定技能への円滑な移行を図ること、
人権保護の観点から、同一機関の就労1年超等の要件の下で本人意向の転籍(転職)を認めるとしつつ、
「当分の間、分野によって1年を超える期間の設定を認めるなど、必要な経過措置を設けることを検討」を追加した。
(資料2-1・38頁)
「やむを得ない事情がある場合の転籍」については、契約時と実際の労働条件が違う場合など明確化し、
暴力やハラスメントの確認手続きも柔軟化する(資料2-1・14頁)。監理団体等の要件厳格化等の措置
(資料2-1・22頁)を講じることなども提起している。
https://www.moj.go.jp/isa/policies/policies/03_00005.html
▽資料2-1(最終報告書・見え消し版)
https://www.moj.go.jp/isa/content/001406716.pdf
▽資料2-2(概要・見え消し版)
https://www.moj.go.jp/isa/content/001406717.pdf

●景気判断「一部に足踏みもみられるが、緩やかに回復」へ下方修正/11月・月例経済報告

政府は22日、11月の「月例経済報告」を公表した。基調判断は、「景気は、このところ一部に足踏みもみられるが、
緩やかに回復している」に下方修正。先行きについては、「緩やかな回復が続くことが期待される」としつつ、
「世界的な金融引締めや中国経済の先行き懸念のリスクに加え、中東地域をめぐる情勢等の影響にも十分注意が必要」
との前月の表現を踏襲した。個別判断では、設備投資を「持ち直しに足踏みがみられる」に下方修正。
雇用情勢は、「改善の動きがみられる」の判断を維持した。
https://www5.cao.go.jp/keizai3/getsurei/2023/1122getsurei/main.pdf
▽首相官邸
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202311/22getsurei.html

●業務委託元会社の団交拒否は不当労働行為に当たらないとの初審命令を維持/中労委

業務委託元である会社が、申立外会社(業務委託先会社)と組合が交わした協定書に基づき締結された、
組合員が雇用されている申立外会社との運送委託契約を終了させたため、委託先会社が組合員を解雇する旨を
通知したことを受けて、組合が申し入れた団交に応じなかったことが不当労働行為であるとして申立てがあった
事件で、中央労働委員会は11月22日、業務委託元会社は、組合員に対し、雇用契約上の雇用主としての地位にない
などから労働組合法上の使用者には該当しないとして、組合の救済申立てを棄却した大阪府労働委員会の
初審命令を維持し、組合の再審査申立てを棄却した。
https://www.mhlw.go.jp/churoi/futouroudou/dl/r051122-1.pdf

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【統計】
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●10月の消費者物価指数2.9%上昇/総務省

総務省は24日、2023年10月の全国消費者物価指数を公表した。生鮮食品を除く総合指数は106.4で前年同月比2.9%の上昇。
前月比(季調値)は0.5%上昇で横ばい。前年同月比で上昇が大きかったものは、「乳卵類」19.2%、「生鮮野菜」18.6%、
「生鮮果物」16.9%などの順。品目では「宿泊料」42.6%、「トマト」41.3%、「リンゴ」29.4%などの上昇が目立つ。
一方、「電気代」マイナス16.8%、「ガス代」同10.2%などエネルギー価格が下落した。
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/index-z.html
▽報道発表資料
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf

●基調判断「改善を示している」で据え置き/9月景気動向指数の改訂状況

内閣府は24日、2023年9月の「景気動向指数・速報からの改訂状況」を公表した。
景気の現状を示す「一致指数」は、前月差0.1ポイント上昇の114.7(速報値は114.7)。
基調判断は、「景気動向指数(CI一致指数)は、改善を示している」で据え置き。
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/202309rsummary.pdf
(統計表)
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/di.html

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【動向】
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●路線バスの8割で「減便・廃止」、運転手不足でダイヤ維持困難/民間調査

帝国データバンクは22日、「全国『主要路線バス』運行状況調査(2023年)」を発表した。30路線以上を有する、
公営バスを除いた全国の民営路線バス運行業者127社を対象に調査した結果、運行ダイヤの改正などにより、
少なくとも約8割にあたる98社で、2023年中に1路線以上の「減便・廃止」を実施することが分かった。
24年に予定・検討中の事業者を含めると計103社に上り、全体の8割を超える。
減便や廃止となった理由として、ほぼ全ての事業者で「運転手(人手)不足」が挙げられ、「2024年問題」対応のために
ダイヤ改正を行ったケースや、沿線の人口減による不採算化を理由としたケースもみられたとしている。
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p231109.pdf

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【企業】
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●福利厚生制度に卵子凍結補助を導入、最大40万円支給/ディップ

人材サービス事業を手がけるディップは21日、女性社員のキャリアとライフプランの両立を支援する「卵子凍結補助」を
福利厚生制度に導入したと発表した。39歳までの女性正社員を対象に卵子凍結費用を最大40万円補助。社内アンケートでは、
対象年齢の女性社員の約3割が同制度の利用を希望していた。同社では女性課長職比率が年々上昇し、上級管理職における
女性比率を高めていくことが重要として、出産や女性特有の健康問題に対するサポートを拡充していくことが不可欠だとしている。
https://www.dip-net.co.jp/news/1953

●社員への一時金、20万円と月給0.3カ月分を支給/JR西日本

JR西日本は21日、社員への一時金支給について発表した。今期の業績を踏まえ、コロナ禍における社員の取り組みに
感謝の意を表するとして、20万円および基準内賃金(基本給・エリア手当・扶養手当の合計額)の0.3カ月分を支給。
シニア社員等(定年後再雇用者)には20万円、契約社員には10万円をそれぞれ支給する。
https://www.westjr.co.jp/press/article/items/231121_00_press.pdf

●来春から平均5.1%の賃上げを決定/ワークマン

ワークマンは16日、2024年の4月度より社員とパート社員の賃金を平均5.1%引き上げると発表した。
業績的には3%の賃上げが妥当ではないかとの社内議論があったが、小売企業として賃上げによる消費の好循環への期待感もあり、
また社員の生活をインフレから守るためにも5%の賃上げが必要との結論に至ったとしている。
https://www.workman.co.jp/news/インフレによる消費低迷解消に向け、当社は5.1

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【海外】
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●国別労働トピック/JILPT

<アメリカ>
▽UAWと自動車大手3社が暫定合意―4年半で25%の賃上げなど

労働協約の改定をめぐる自動車大手3社と全米自動車労組(UAW、組合員数約15万人)との労使交渉は10月30日までに
各社で暫定合意に達し、のべ6週間にわたるストライキが終了した。UAWは、各社からそれぞれ「4年半で25%の賃上げ」や、
賃金を物価に連動させる「生計費調整(COLA)」制度の復活などの労働条件引き上げを獲得したと評価している。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2023/11/usa_01.html

▽ハリウッドの脚本家と俳優のストライキが終結―AIの利用制限などに合意

ハリウッドの脚本家や俳優らでつくるそれぞれの労働組合が、待遇の改善や動画配信に伴う収益の分配、AIの利用制限などを
求めてストライキに発展した労使交渉で、脚本家の労使は9月24日、俳優の労使は11月8日、それぞれ経営側と暫定合意に達した。
報酬の引き上げや動画配信の視聴数と連動したボーナスの支給、AIの利用に対する脚本家や俳優の権利の確保、などを盛り込んでいる。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2023/11/usa_02.html

<韓国>
▽雇用労働部、労働時間に関する大規模調査を実施―一部分野には週52時間の超過を認める方針か

11月13日、雇用労働部は、勤労時間関連設問調査の調査結果を発表した。本調査の結果を受けて、政府は現行の週52時間制
(法定労働時間40時間+延長労働12時間まで)から、一部の業種、職種に限り、週単位で管理する現在の最長労働時間を
1カ月、四半期、半年、年単位で管理できるようにして、週52時間を超過する労働時間を認める方針である。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2023/11/korea_01.html

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【法令】
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●労働関係法令一覧(2023年10月公布分)
https://www.jil.go.jp/kokunai/mm/hourei/202310.html

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【イベント】
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●「テレワークセミナー」/東京テレワーク推進センター

東京テレワーク推進センターはテレワークに関するセミナーをオンラインと各会場で開催する。
▽12月14日(木)「メタバースが勤務先となる仮想オフィスで実現する新しい働き方とその効果」
 (会場は文京区)
▽12月20日(水)「ハイブリッドワークに役立つ最新テレワークツール」(会場は立川市)
どちらも参加無料、要事前予約。定員各回(オンライン)300名、(会場)15名。
https://tokyo-telework.metro.tokyo.lg.jp/seminarevent