メールマガジン労働情報 No.1886

■□――【メールマガジン労働情報/No.1886】

「学校の働き方改革」の推進等を提言/22年度・文部科学白書 ほか

―2023年7月21日発行――――――――――――――□■

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  本号の主な内容
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【行政】「学校の働き方改革」の推進等を提言/22年度・文部科学白書 ほか
【統計】6月の生鮮食品を除く総合指数、前年同月比3.3%上昇/全国消費者物価指数 ほか
【労使】大胆な業務削減・定数改善や給特法の廃止・抜本的見直しを/日教組定期大会 ほか
【動向】宿泊業の6割で人手「戻らず」/民間調査
【企業】「週3日以上の出社」を原則化/パナソニック コネクト
【海外】年金制度改革の成立と全国的な抗議行動(1)/フランス ほか
【イベント】「どうする現場の安全管理」/大原記念労働科学研究所

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【JILPTからのお知らせ】
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☆『労働関係法規集2023年版』 発売中!
https://www.jil.go.jp/publication/ippan/houkishu.html

☆第4期プロジェクト研究シリーズ 発売中!

No.4『介護離職の構造―育児・介護休業法と両立支援ニーズ』
https://www.jil.go.jp/institute/project/series/2022/04/index.html

No.6『雇用流動化と日本経済―ホワイトカラーの採用と転職』
https://www.jil.go.jp/institute/project/series/2022/06/index.html

No.7『働き方改革、働き過ぎの、「今」―課題解消の手掛かりを求めて』
https://www.jil.go.jp/institute/project/series/2022/07/index.html

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【行政】
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●「学校の働き方改革」の推進等を提言/22年度・文部科学白書

 文部科学省は18日、2022年度の文部科学白書を公表した。特集は、「令和の
日本型学校教育」を担う教師の養成・採用・研修等の在り方について。多様な
専門性を有する質の高い教職員集団を形成していくためには、教職員の多様性を
配慮したマネジメントの実現や、「学校の働き方改革」の推進などが必要と提言。
教師の勤務環境が、教職志望者の動向に影響を与えているとの指摘もあり、在校等
時間の客観的な把握をはじめとする勤務時間管理の徹底や、業務の役割分担・適正
化などに積極的に取り組む必要があるとしている。
https://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/hpab202001/1420041_00015.htm

●2024年問題を前に「トラックGメン」創設/国交省

 国土交通省は18日、政府が6月に決定した「物流革新に向けた政策パッケージ」に
基づき、発荷主企業のみならず、着荷主企業も含め、適正な取引を阻害する疑いのある
荷主企業・元請事業者の監視を強化するため、21日に「トラックGメン」を創設すると
発表した。同省では貨物自動車運送事業法に基づき荷主等への是正措置を講じてきたが、
2024年問題を前に強力な対応が必要として、「トラックGメン」による調査結果を荷主
企業・元請事業者への「働きかけ」「要請」等に活用し、実効性を確保するとしている。
https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha04_hh_000278.html
(報道発表資料)
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001620557.pdf

●「社会人のためのデータサイエンス演習」受講者募集/総務省

 総務省は18日、“データサイエンス”力の高い人材育成のため、データサイエンス・
オンライン講座「社会人のためのデータサイエンス演習」の受講者募集を開始した。
開講期間は、10月3日(火)~12月12日(火)の予定。社会人や大学生に向けて、業務
やビジネス上での分析事例を中心に実践的なデータ分析(統計分析)の手法を解説する。
講座紹介用ウェブサイトから誰でも受講登録可能(登録・受講は無料)。
https://www.stat.go.jp/info/guide/public/houdou/pdf/ho230718.pdf

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【統計】
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●6月の生鮮食品を除く総合指数、前年同月比3.3%上昇/全国消費者物価指数

 総務省は20日、2023年6月の全国消費者物価指数を公表した。生鮮食品を除く
総合指数は105.0で前年同月比3.3%の上昇、前月比(季節調整値)0.4%の上昇。
前年同月比での上昇に寄与したのは、鶏卵などの乳卵類17.4%(寄与度0.22)、
洗濯用洗剤などの家事用消耗品12.6%(同0.14)、アイスクリームなどの菓子類
10.8%(同0.26) など。下落は、電気代のマイナス12.4%(同マイナス0.49)。
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/index-z.html
(報道発表資料)
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf

●2023年7月の総人口、前年同月比56万人減/総務省人口推計

 総務省は20日、人口推計を公表した。2023年7月1日現在の総人口(概算値)
は1億2,456万人(前年同月比56万人・0.45%減)。23年2月1日現在の総人口
(確定値)は1億2,463万1千人(同56万3千人・0.45%減)。年齢階層別(確定値)
では、「65歳以上」が3,618万人(同0.17%減)、「15~64歳」が7,405万6千人
(同0.28%減)、「15歳未満」が1,439万5千人(同2.00%減)。
https://www.stat.go.jp/data/jinsui/pdf/202307.pdf
(統計表等)
https://www.stat.go.jp/data/jinsui/new.html

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【労使】
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●大胆な業務削減・定数改善や給特法の廃止・抜本的見直しを/日教組定期大会

 日教組(瀧本司委員長、約20万6,000人)は7月15、16の両日、都内で定期大会を
開催し、1.教育政策、2.教育行財政政策、3.労働政策、4.福祉・社会保障政策
5.男女平等政策、6.組織政策、からなる「23~24年度運動方針」を確認した。
長時間労働是正とワーク・ライフ・バランスの実現に関しては、「だれもが安心して
働き続けられる職場環境の実現・整備」に向けて、勤務時間を意識した働き方を進める
とともに、大胆な業務削減・定数改善、「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等
に関する特別措置法(給特法)」の廃止・抜本的見直しなどを求めることを掲げている。
(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/kokunai/topics/mm/20230721a.html

●「揺るぎない産別運動」継承・発展の座標軸として基本理念と行動指針を策定/情報労連定期大会

 NTTやKDDIなどの労働組合でつくる情報労連(安藤京一委員長、約19万3,000人)は
7月13日、都内で定期大会を開き、向こう2年間の中期運動方針を決めた。新運動
方針では、産別運動を次代につなぐ観点で基本理念と行動指針を策定。これに基づ
き、具体的な運動・活動を展開していくことを確認した。組織拡大では、「2025年20万
労連」の必達に向けて、すべての組織が組織拡大推進体制を構築するとともに、強い
危機感と責任を持って「結果を出す」取り組みを強化することを掲げた。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/kokunai/topics/mm/20230721b.html

●全雇用形態の賃金改善を引き出した一方、妥結結果と要求との乖離が課題に/NTT労組定期大会

 NTT東西やドコモ、データなど、NTTグループ企業の労組で構成するNTT労働組合
(鈴木克彦委員長、約14万4,000人)は7月11、12の両日、都内で第26回定期大会を
開催した。活動を振り返る一般経過報告では、2023春季生活闘争について、グループ
主要会社の正社員の賃金改善が過去9年間との比較で最高水準の引き上げ幅だった
ことやすべての雇用形態で賃金改善を引き出せたことなどを評価する一方、生活防衛の
ために求めた10万円を断念せざるを得なかった点などについて「組合員の期待に応え
られなかったことを重く受けとめる」と総括した。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/kokunai/topics/mm/20230721c.html

●賃上げ額は加重平均1万5,335円(4.62%)、年間一時金5.26カ月に/JEC連合定期大会

 化学・エネルギー関連産業の組合でつくるJEC連合(酒向清会長、約11万6,000人)は
7月13,14の両日、北海道札幌市で定期大会を開き、すべての働く仲間の立場に立った
能動的な運動を展開していくことなどを柱とする向こう2年間の新運動方針を決めた。
大会では、「2023春季生活闘争まとめ」も確認した。23春闘の賃上げ回答結果(5月末段階)
をみると、回答額は定期昇給相当分を含めた加重平均で前年比7,357円増の1万5,335円
(4.62%)。年間一時金は、加重平均で174万3,710円(5.26カ月)だった。「まとめ」
は定昇込みの賃上げ率が 2022 年度の物価上昇分を上回ったことを評価する一方で、
賃上げ反映後の日本全体の実質賃金の動向を注視しつつ、次年度以降の取り組みに
つなげていく必要性を指摘している。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/kokunai/topics/mm/20230721d.html

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【動向】
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●宿泊業の6割で人手「戻らず」/民間調査

 帝国データバンクは14日、企業の「正社員・アルバイト」従業員数動向調査結果を
発表した。2022年度末とコロナ前の19年度末(各3月)の3年間で、正社員のほか
パート・アルバイトを含めた従業員数が比較可能な約7万2,000社を調査した結果、
3割超の約2万3,000社で、総従業員数(人手)がコロナ前に比べ「減少した(戻って
いない)」。業種別では、総従業員数が「減少(戻っていない)」した割合が最も多い
のはホテル・旅館などの「宿泊業」で、6割の企業で総従業員数が減少した。このうち、
雇用形態別では正社員が53.1%、非正社員で55.7%の企業が、それぞれコロナ前から
減少したままで、全業種のうち唯一、正社員・非正社員ともに「減少」が5割を超えた
業種となった。
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p230707.pdf

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【企業】
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●「週3日以上の出社」を原則化/パナソニック コネクト

 パナソニック コネクトは6月23日、7月1日よりパナソニックコネクトグループ
国内従業員1万3,400名を対象に、週3日以上の出社を原則化すると発表した。
働く「現場」のリアルなコミュニケーションにより、意思決定のスピードアップ、
イノベーション創出、顧客とのエンゲージメント強化、クリエイティブな発想促進
を図ることが目的で、従業員個々の事情がある場合、既存の勤務施策を適用し適切
な働き方を選択することは可能としている。
https://news.panasonic.com/uploads/tmg_block_page_image/file/17058/jn230623-3-1.pdf

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【海外】
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●国別労働トピック/JILPT

<フランス>
▽年金制度改革の成立と全国的な抗議行動(1)―1995年以降、最大最多のデモ活動

 年金支給開始年齢を引き上げる年金制度の改革法案が2023年1月初めに発表された
直後から、労働組合が主導する大規模な抗議行動が展開された。1月19日の全国的な
抗議行動やストライキを皮切りに6月6日までの間に14回の全国的な抗議行動がおこ
なわれた。とりわけ1月31日の2回目の抗議行動には127万人(内務省発表、労組発表
では280万人)が参加、3月7日の6回目には128万人(内務省発表)が参加し、1995年
以降に行われた年金制度改革反対運動のなかで最多最大人数の抗議行動になった。
(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2023/07/france_01.html

▽年金制度改革の成立と全国的な抗議行動(2)
 ―ITUCは労働者の権利が政府によって尊重されていないと指摘

 3月20日に国会で可決成立した年金制度改革に対するストライキは、主要業種
において従業員のスト参加率が5割に迫る勢いとなった。3月には数日間継続する
ストライキが製油所や廃棄物収集部門で行われ、国民生活に影響が出始めた。その
ため、政府はサービス再開のために従業員の徴用に着手した。国民生活に対する
影響は決して小さくなかったが、ストライキに対して国民の支持は一定数得られて
おり、労組は責任ある行動をとっていると評価する国民も少なくなかった。一連の
年金制度改革に対する労働者の抗議行動に対する政府の対応については、ITUC(国際
労働組合総連盟)が6月30日に公表したレポートにおいて、フランスを労働者の権利
が政府に尊重されていない国に挙げている。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2023/07/france_02.html

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【イベント】
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●セミナー「どうする現場の安全管理」/大原記念労働科学研究所

 大原記念労働科学研究所は8月28日(月)、オンラインセミナー「どうする現場の
安全管理」を開催する。現場の安全管理について、安全文化、基本確認行為、テクニ
カルスキル等について、危機管理専門家に聞く。参加無料、事前に同所のWEBサイト
より申し込む。
https://www.isl.or.jp/service/seminar/2023.php
(セミナーのご案内)
https://www.isl.or.jp/service/seminar/file/seminar202308.pdf