メールマガジン労働情報 No.1853

■□――【メールマガジン労働情報/No.1853】

「政労使の意見交換会」を開催/政府 ほか

―2023年3月17日発行――――――――――――――□■

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  本号の主な内容
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【行政】「政労使の意見交換会」を開催/政府 ほか
【統計】基調判断「足踏みがみられる」で据え置き/機械受注統計調査報告1月実績 ほか
【労使】「2023年春季労使交渉」についてコメント/経団連・同友会 ほか
【動向】アルバイト・パートの2月平均時給は1,177円、前月比・前年同月比ともに増加/民間調査 ほか
【海外】第1回「フランスの失業保険制度」―労使の社会保険と国の雇用政策及び社会的保護のはざまで/フランス ほか
【イベント】「社会保険入門講座」/神奈川県労働福祉協会

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【JILPT研究成果情報】
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◇第4期プロジェクト研究シリーズNo.4
 『介護離職の構造─育児・介護休業法と両立支援ニーズ』を刊行しました!

 育児・介護休業法(1995年制定)は、3か月(93日)の介護休業を企業に義務づけて
いますが、その取得者は少なく、政府は法改正を通じて多様な両立支援の整備を
進めています。本書は、現行法が想定する仕事と介護の生活時間配分の問題から
守備範囲を広げて、介護者の健康や人間関係の問題など、介護離職につながりうる
多様な問題にも着目し、対応可能な両立支援制度の考え方を示しています。
【A5判 308頁 定価:3,300円(本体3,000円)3月14日刊行】
https://www.jil.go.jp/institute/project/series/2022/04/index.html

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【JILPTからのお知らせ】
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☆「メールマガジン労働情報」は3月22日(水曜)の配信をお休みします。
 次回の配信は3月24日(金曜)です。

◇ブックレット『「非正規雇用」について考える』を刊行しました!

 「非正規雇用」について、その概念、生まれ育ってきた歴史と背景、問題点、
対策の経緯、現状などを概観しつつ、一からこの問題を考えます。本問題に関し、
エポックとなる重要文書などを巻末資料として収録しました。
【A4判 162頁 定価:1,430円(本体1,300円)3月14日刊行】
https://www.jil.go.jp/publication/ippan/booklet/05.html

☆『労働関係法規集2023年版』 現在予約受付中!
 3月28日(火曜)より順次発送予定です。

 主要な労働関係法規を持ち運びに便利な分量・判型に収めたコンパクトサイズの
法規集です。2023年版では、「公立の義務教育諸学校等の教育職員を正規の勤務時間を
超えて勤務させる場合等の基準を定める政令」「女性の職業生活における活躍の推進
に関する法律に基づく一般事業主行動計画等に関する省令」等を新たに収録するとともに、
「職業安定法」「職業能力開発促進法」「障害者の雇用の促進等に関する法律」
「雇用保険法」等の改正法令を収録しています。
【B6判変型1,188頁 定価:1,980円(本体1,800円) 3月27日刊行予定】
https://www.jil.go.jp/publication/ippan/houkishu.html

◇労働政策フォーラムの動画配信!
 第124回「日本の人事制度・賃金制度「改革」」(2023年2月6~9日開催)
https://www.jil.go.jp/event/ro_forum/20230209/video/index.html

◇『日本労働研究雑誌』2023年特別号を刊行しました!
 2022年労働政策研究会議報告
https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2023/special/index.html

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【行政】
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●「政労使の意見交換会」を開催/政府

 政府は15日、2023年春季労使交渉の集中回答日にあたり「政労使の意見交換会」
を開催した。総理は意見交換を踏まえ、「賃上げは新しい資本主義の最重要課題」
とし、「政策を総動員して環境整備に取り組む」と述べた。中小・小規模企業の
賃上げについては、「実現には労務費の適切な転嫁を通じた取引適正化が不可欠
である点について基本的に合意があった」とし、「労務費の転嫁の在り方について
指針をまとめる」などと述べた。最低賃金については、全国加重平均1,000円を
達成することについて、中央最低賃金審議会で議論するよう求めた。
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202303/15seiroushi.html
(政労使の意見交換)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/seiroushi/dai1/gijisidai.html

●雇用関係助成金の「生産性要件」の廃止を公表/厚労省

 厚生労働省は、雇用関係助成金の申請の際に設定してきた「生産性要件」を
2023年3月31日で廃止すると公表した。これまでは助成金を申請する場合、
直近の会計年度の「生産性」の伸びにより、助成額又は助成率が割増されていた。
生産性要件の廃止に伴い、一部の助成金では、賃金引上げを行った場合に助成額が
加算される賃金要件を新設する。生産性要件が廃止される助成金、賃金要件に
変わる助成金については、各助成金の支給要領での確認を求めている。
https://www.mhlw.go.jp/content/001068285.pdf

●「働き方・休み方改革取組事例集」を公表/厚労省

 厚生労働省は10日、「働き方・休み方改革取組事例集」を公表した。同事例集は、
働き方・休み方改革を推進することを目的として、それぞれの目的に応じた取組を
企業事例を通じて紹介している。テレワークの拡充や選択的週休3日制などを推進
している企業事例も掲載している。また、企業が自社の社員の働き方・休み方の
見直しや改善に役立つ情報を掲載した「働き方・休み方改善ポータルサイト」も
公表している。
https://work-holiday.mhlw.go.jp/material/pdf/category1/0101012.pdf
(働き方・休み方改善ポータルサイト)
https://work-holiday.mhlw.go.jp/

●「同一労働同一賃金の取組強化期間」に賃金引上げに取り組む中小企業等を支援/厚労省

 厚生労働省は、3月15日から5月31日までを「非正規雇用労働者の賃金引上げ
に向けた同一労働同一賃金の取組強化期間」としている。期間中は、春闘の賃金
引上げの流れを中小企業・小規模事業者の労働者及び非正規雇用労働者に波及
させるための企業への協力依頼、同一労働同一賃金の遵守の徹底に向けた
各種取組の強化などの取組を行い、賃金引上げに取り組む中小企業等を支援する。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_31941.html
(同一労働同一賃金の取組強化期間)
https://www.mhlw.go.jp/content/11909500/001072637.pdf

●職場での男女の地位、64%が「男性の方が優遇」/内閣府世論調査

 内閣府は14日、「男女共同参画社会に関する世論調査」結果を発表した。
職場における男女の地位について、「男性の方が優遇」(64.1%)、「平等」
(26.4%)、「女性の方が優遇」(7.7%)。女性が職業を持つことに対しては、
「子どもができてもずっと職業を続ける方がよい」(59.5%)、「子どもができたら
職業をやめ、大きくなったら再び職業を持つ方がよい」(27.1%)など。家庭生活
に関しては、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方に対して
「反対」(64.3%)、「賛成」(33.5%)。
https://survey.gov-online.go.jp/r04/r04-danjo/index.html#T2
(報告書概略版)
https://survey.gov-online.go.jp/r04/r04-danjo/gairyaku.pdf

●第57回「グッドカンパニー大賞」候補企業の推薦受付を開始/中小企業庁

 中小企業庁は4月1日より、第57回「グッドカンパニー大賞」の候補企業の
推薦受付を開始する。同大賞は、経営の刷新、技術開発、市場開拓等の分野で
優れた成果をあげている中小企業を顕彰するもの。募集期間は6月16日まで。
https://www.chusho.meti.go.jp/soudan/2023/230310goodcompany.html
(詳細、中小企業研究センター)
https://www.chukiken.or.jp/

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【統計】
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●基調判断「足踏みがみられる」で据え置き/機械受注統計調査報告1月実績

 内閣府は16日、機械受注統計調査報告(2023年1月実績)を公表した。
機械受注総額は、前月比10.2%減の2兆5,274億円(季節調整値)。
民間設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需」は、同9.5%増の
9,296億円。このうち、製造業は同2.6%減、非製造業(船舶・電力を除く)
は同19.5%増。基調判断は「足踏みがみられる」で据え置き。
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/juchu/2023/2301juchu.html
(概要)
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/juchu/2023/2301gaiyou.pdf

●1月の生産指数、前月比5.3%低下/鉱工業指数

 経済産業省は16日、1月の「鉱工業指数(生産・出荷・在庫、生産能力・稼働率)」
確報値を公表した。生産指数(季節調整済)は90.7で、前月比5.3%の低下。業種別に
みると、自動車工業、生産用機械工業、化学工業(無機・有機化学工業を除く)等が低下し、
汎用・業務用機械工業、石油・石炭製品工業が上昇した。出荷は同3.7%低下、在庫は
同1.0%低下、在庫率は同2.8%上昇。速報と比べて、生産、出荷、在庫は下方修正、
在庫率は上方修正。
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-1.html
(概要冊子)
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/press/b2015_202301kj.pdf

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【労使】
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●「2023年春季労使交渉」についてコメント/経団連・同友会

 経団連と経済同友会は、2023年春季労使交渉・集中回答日の15日、会長名及び
代表幹事名でそれぞれコメントを発表した。経団連は、今年は大幅な賃金引上げの
宣言など、近年と異なる動きがみられ、自動車や電機等の大手企業が大幅な
ベースアップや、満額回答を含む高い水準の賞与・一時金など、物価上昇を十分に
考慮した積極的な対応を表明されたことは、賃金引上げのモメンタムにこれまで以上の
力強さを与えるものであり、率直に歓迎したいとし、経済同友会は、各企業の努力
によって積極的な賃上げ回答や総合的な処遇改善に至り、この機運の高まりが
中小企業や地方へと波及していくことを期待したい、などとしている。
▽経団連/会長コメント
https://www.keidanren.or.jp/speech/comment/2023/0315.html
▽同友会/代表幹事コメント
https://www.doyukai.or.jp/chairmansmsg/comment/2022/230315c.html

●ヤマ場の回答引き出し状況に対するコメント/連合

 連合は16日、先行組合の回答引き出しのヤマ場とする14日から16日の回答状況を
踏まえ、芳野会長・中央闘争委員のコメントを発表した。多くの組合が2014年以降
最高となる賃上げを獲得したことについて、物価高による家計への影響はもちろんのこと、
賃金水準の停滞が企業経営や産業の存続、日本の経済成長に及ぼす影響について、
労使が中長期的視点を持って粘り強くかつ真摯に交渉した結果とし、先行組合が
引き出した回答を中小組合、組合のない職場へと波及させる賃上げの流れの拡大が
責務だとしている。
https://www.jtuc-rengo.or.jp/activity/roudou/shuntou/2023/houshin/data/tosokakunin_appeal.pdf?8017
(回答速報、3月16日)
https://www.jtuc-rengo.or.jp/activity/roudou/shuntou/2023/yokyu_kaito/sokuho/kaito_no03.pdf?5854

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【動向】
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●アルバイト・パートの2月平均時給は1,177円、前月比・前年同月比ともに増加/民間調査

 マイナビは13日、「2023年2月度アルバイト・パート平均時給レポート」を
発表した。2月の全国平均時給は1,177円(前月比2円増、前年同月比49円増)で、
22年12月の過去最高額と並んだ。職種(大分類)別では、「医療・介護・保育」が
1,422円(前月比、前年同月比ともに43円増)で、2020年1月の調査開始以降の
過去最高額。求人件数は、前年同月比1.4倍に増加し、企業の採用意欲の高さが
うかがえるとしている。
https://www.mynavi.jp/news/2023/03/post_38119.html

●首都圏企業の転出超過、過去20年で最多/民間調査

 帝国データバンクは15日、「首都圏・本社移転動向調査(2022年)」結果を
発表した。2022年(1~12月間)における首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)
から地方へ本社または本社機能を移転した企業は335社判明し、コロナ禍直前の
19年からは1.4倍に増加、過去2番目の多さとなった。この結果、首都圏の
本社移転動向は、転出が転入を77社上回る「転出超過」となり、転出超過の
規模は過去20年で最大。首都圏からの移転先は、「茨城県」(34社)が最多、
次いで「大阪府」(30社)、「愛知県」(24社)など。企業属性別では、
ソフトウェア開発が過去最多となるなど、比較的移転の容易な業種で多く
みられたとしている。
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p230303.html
(詳細)
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p230303.pdf

●小中学生の将来就きたい職業、男子は「サッカー選手」、女子は「パティシエ」が1位/民間調査

 アデコは15日、全国の小中学生を対象とした「将来就きたい職業」に関する
調査結果を発表した。将来就きたい職業は、男子が「サッカー選手」(6.2%)、
女子が「パティシエ(お菓子職人)」(10.7%)が最多。中学生に限った場合、
男子が「会社員(サラリーマン・OL)」(9.3%)、女子が「先生(大学・高校・
中学校・小学校・幼稚園など)」(8.7%)が最多。
https://www.adeccogroup.jp/pressroom/2023/0315

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【海外】
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●フォーカス/JILPT

<フランス>
▽第1回「フランスの失業保険制度」―労使の社会保険と国の雇用政策及び社会的保護のはざまで

 フランスの現行の失業保険制度は、高度成長が軌道に乗りはじめた1958年に、
経済構造の変化に伴い衰退産業で失職する労働者の所得補償を行い、円滑な
再就職を支援するビスマルク型の労使の社会保険として出発する。ただし、
広域の労働者の強制保険とする必要もあり、枠組みは労働法で規定され、
その運用を民間のUnedic(全国商工業雇用連合)という労使代表が集まる
団体に委託する形をとった。財源は労使の共同拠出で、失業給付の支払いには
Assedic(商工業雇用協会)という地域別の労働金庫(民間の団体)が設立された。
(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/labor_system/2023/03/france.html

●国別労働トピック/JILPT

<中国>
▽「上海市就業促進条例」施行―「フレキシブル就業者」への支援を強化

 長年にわたり議論されてきた「上海市就業促進条例」が3月1日に施行された。
「条例」は、労働者の採用支援と起業家支援の強化、公正な雇用環境の構築、
職業紹介など雇用サービスの充実、職業教育訓練の強化などを打ち出している。
併せてプラットフォームビジネスやシェアリングエコノミーでデリバリーなどに
従事する「フレキシブル就業者」らへの支援策も強める。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2023/03/china_02.html

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【イベント】
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●「社会保険入門講座」/神奈川県労働福祉協会

 公益財団法人神奈川県労働福祉協会は4月20日、「社会保険入門講座」を
横浜市及びオンラインで開催する。新任担当者、社会保険の全体像と
基礎的知識の再確認をしたい方を対象とした入門講座で、社会保険担当者が
備えておくべき社会保険実務の基本的な知識について、特に重要な部分を
解説する。受講料12,000円。
https://www.zai-roudoufukushi-kanagawa.or.jp/hoken-beginner.html