メールマガジン労働情報 No.1820

■□――【メールマガジン労働情報/No.1820】

マクロ経済運営等について議論/経済財政諮問会議 ほか

―2022年11月9日発行――――――――――――――□■

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  本号の主な内容
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【行政】マクロ経済運営等について議論/経済財政諮問会議 ほか
【統計】現金給与総額、前年同月比2.1%増、実質賃金は1.3%減/毎勤統計調査9月速報値 ほか
【労使】2023年賃上げは物価と賃金の好循環の実現を/経団連 ほか
【動向】国内景気は3か月連続で改善/民間調査 ほか
【企業】初任給14%引上げ等、新たな人事給与制度を来春導入/NTTグループ
【海外】22年上半期の協約賃金―物価高騰で実質マイナスに/ドイツ ほか
【イベント】特定課題講座「いま求められる労働組合の役割~新型コロナ禍における労働問題を考える~」/神奈川県かながわ労働センター川崎支所 ほか

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【JILPTからのお知らせ】
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☆OECD―JILPT共催 ハイレベル・ラウンドテーブル(オンライン開催)お申込み受付中!

テーマ:不平等は問題か?:人々は日本における経済格差と社会移動をどう捉えているか
日 時:2022年12月8日(木曜)16:00~18:00
開催方式:オンライン開催(Zoomウェビナー)
参加費:無料(要予約)
定員:1,000名
https://www.oecd.org/tokyo/newsroom/does-inequality-matter-high-level-roundtable-japan.htm
(ウェビナー登録)
https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_itAoYlX2QjCN6uq2R1NbOQ

◇令和4年度 日本労働法学会奨励賞受賞!
 研究双書『解雇の金銭解決制度に関する研究─その基礎と構造をめぐる日・独比較法的考察』

 我が国における解雇の金銭解決制度の立法化をめぐる議論を
ドイツ法との比較で考察した学術的体系書です(山本 陽大 著)。
【A5判397頁、定価:3,850円(本体3,500円)2021年12月24日刊行】
https://www.jil.go.jp/publication/sosho/dismissal/index.html

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【新型コロナウイルス関連情報】
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▽最近の更新情報(11月8日更新)

 国内統計:賃金
 https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/covid-19/c10.html

 国内統計:家計所得、家計消費支出
 https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/covid-19/c19.html

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【行政】
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●マクロ経済運営等について議論/経済財政諮問会議

 政府は2日、「第13回経済財政諮問会議」を開催し、マクロ経済運営
(金融政策、物価等に関する集中審議)等について議論した。総理は議論を踏まえ、
「世界的な物価高騰と景気減速懸念に直面する中で、物価高・円安への対応、
構造的な賃上げ、成長のための投資と改革を重点分野とする今回の総合経済対策を
できるだけ早く実行に移すことにより、足下の難局を乗り越え、日本経済を
持続可能で一段高い成長経路に乗せていく」などと述べた。
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202211/02keizai.html
(会議資料)
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2022/1102/agenda.html

●11月は「人材開発促進月間」、人材開発をアピールする催しを各地で開催/厚労省

 厚生労働省は、職業能力の開発・向上の促進と技能の振興を目指し、11月を
「人材開発促進月間」、11月10日を「技能の日」としている。この期間中、国や
都道府県などでは、「卓越した技能者(現代の名工)」の表彰など、日本経済を
支えてきた技術力をアピールする催しを各地で行うとしている。スキルアップを
目指す労働者や、人材開発を進める事業主に対する支援策をまとめたリーフレットも
公表している。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28803.html
(リーフレット「あなたのスキルアップやキャリア形成を支援します!」)
https://www.mhlw.go.jp/content/11801000/001006845.pdf
(リーフレット「『人材開発支援策』のご案内」)
https://www.mhlw.go.jp/content/11801000/001006846.pdf

●「第60回技能五輪全国大会」の入賞者を公表/厚労省

 厚生労働省と中央職業能力開発協会は、7日に閉幕した「第60回技能五輪全国大会」
の種目ごとの入賞者を公表した。最優秀技能選手団として愛知県選手団に厚生労働
大臣賞が、優秀技能選手団として茨城県、東京都、大阪府の各選手団に厚生労働省
人材開発統括官賞が、同賞に次ぐ成績を収めた各選手団には、中央職業能力開発協会
会長賞、全国技能士会連合会会長賞がそれぞれ贈られた。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28405.html

●「テレワーク先駆者」等の対象者を公表/総務省

 総務省は1日、2022年度「テレワーク先駆者」及び「テレワーク先駆者百選」
等の対象者を公表した。テレワークの導入・活用を進めている企業・団体を
「テレワーク先駆者」とし、その中から十分な実績を持つ団体等を「テレワーク
先駆者百選」として公表している。今年度は、4団体を「テレワーク先駆者」、
37団体を「テレワーク先駆者百選」と決定した。表彰式は「『働く、を変える』
テレワークイベント」(11月30日開催予定)で、厚生労働大臣表彰「輝くテレワーク賞」
とあわせて実施する。
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu06_02000335.html

●「勤務間インターバル制度導入促進セミナー」を開催/厚労省

 厚生労働省は11月29日、「勤務間インターバル制度導入促進セミナー」を
オンラインで開催する。企業への導入が努力義務となっており、導入により
従業員の健康維持・向上につながる「勤務間インターバル制度」について、
制度の重要性や取組を進めるためのポイントを、先進事例とともに解説する。
参加無料。事前申込制。対象は事業主・人事労務担当者・社会保険労務士等。
https://work-holiday.mhlw.go.jp/seminar/#interval

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【統計】
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●現金給与総額、前年同月比2.1%増、実質賃金は1.3%減/毎勤統計調査9月速報値

 厚生労働省は8日、9月の「毎月勤労統計調査」結果(速報、事業所規模5人以上)
を公表した。現金給与総額は、就業形態計で前年同月比2.1%増の27万5,787円、
うち一般労働者が同2.4%増の35万7,039円、パートタイム労働者が同3.4%増の
9万9,939円。一方、現金給与総額指数を消費者物価指数で割った実質賃金では、
前年同月比1.3%減。実質賃金の減少は6か月連続となった。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r04/2209p/dl/pdf2209p.pdf
(統計表等)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r04/2209p/2209p.html

●正規職員・従業員、前年同期比21万人減、2期ぶりの減少/労働力調査・詳細集計7~9月期平均

 総務省は8日、「労働力調査(詳細集計)」結果を公表した。2022年7~9月期
平均の役員を除く雇用者は5,706万人。うち、正規の職員・従業員は、前年同期比
21万人減の3,586万人で2期ぶりの減少。非正規の職員・従業員は、同49万人増の
2,120万人で3期連続の増加。失業者は前年同期比12万人減の200万人、失業期間別に
みると、失業期間「3カ月未満」の者は77万人で5万人の増加、「1年以上」の者は
64万人で5万人の減少。失業者に追加就労希望就業者と潜在労働力人口をあわせた
「未活用労働指標」は5.9%で、前年同期比0.9ポイントの低下。
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/4hanki/dt/index.html
(結果の概要)
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/4hanki/dt/pdf/gaiyou.pdf

●二人以上世帯の消費支出、前年同月比実質2.3%増/9月家計調査報告

 総務省は8日、9月の「家計調査報告」を公表した。二人以上世帯の1世帯当たりの
消費支出は、実質で前年同月比2.3%増、前月比(季節調整値)1.8%増の28万999円。
支出項目別でのプラス寄与は、宿泊料、国内パック旅行費等の「教養娯楽サービス」
(1.20)が最高、次いで飲食代等の「外食」(0.95)。勤労者世帯の実収入
(二人以上の世帯)は、1世帯当たり実質で49万9,438円(前年同月比0.2%増)。
同日には、7~9月期平均の数値も公表された。
https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/index.html#tsuki
(報道発表資料)
https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/pdf/fies_mr.pdf
(7~9月期平均)
https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/index.html#shihanki

●景気の基調判断、「改善を示している」で据え置き/9月景気動向指数

 内閣府は8日、2022年9月の「景気動向指数(速報)」を公表した。景気の現状を示す
「一致指数」は101.1で、前月と比較して0.7ポイント下降し、4か月ぶりの下降。
「投資財出荷指数(輸送機械を除く」「生産指数(鉱工業)」などがマイナスに寄与、
「有効求人倍率(学卒を除く)」などがプラスに寄与。一致指数の基調判断は、
「改善を示している」で据え置き。
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/di.html
(概要)
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/202209psummary.pdf

●生活保護の申請件数、前年同月比7.1%増/8月被保護者調査

 厚生労働省は2日、生活保護法に基づく「被保護者調査」(2022年8月分概数)
結果を公表した。保護の申請件数は2万562件で、前年同月比1,360件(7.1%)増。
保護開始世帯数は1万7,555世帯で、同1,416世帯(8.8%)増。被保護世帯は
164万4,112世帯で、同3,464世帯(0.2%)増。被保護実人員は202万5,096人で、
同1万2,704人(0.6%)減。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/hihogosya/m2022/08.html
(報道発表資料)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/hihogosya/m2022/dl/08-01.pdf

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【労使】
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●2023年賃上げは物価と賃金の好循環の実現を/経団連

 十倉経団連会長は7日の定例記者会見で、2023年春季労使交渉に臨む姿勢について、
「賃金引き上げのモメンタムを持続的なものとし、物価と賃金の好循環を実現したい」
とし、「ベアを中心に、手当、賞与・一時金などを含めて賃金引き上げを会員企業に
呼びかけるべく検討していく」と述べた。中小企業についても、「賃金引き上げの
モメンタムが広がっていくように、パートナーシップ構築宣言を通じた取引価格の
適正化などの取り組みを継続していく必要がある」とした。
https://www.keidanren.or.jp/speech/kaiken/2022/1107.html

●「雇用・労働政策に関する重点要望」を政府に提出/東商

 東京商工会議所は10月31日、「雇用・労働政策に関する重点要望」を政府に提出した。
同会議所の塚本特別顧問・労働委員長は、「人手不足の深刻化に加え、物価の高騰もあり、
企業への賃上げ圧力がかつてないほど高まっているが、中小企業は労働分配率が高く、
自発的な賃上げには生産性向上と取引価格適正化による原資の確保が不可欠」という
基本的な考え方を説明し、「中小企業の自発的な賃上げの推進」「魅力ある職場環境の整備」
「中小企業の採用活動支援」「円滑な労働移動、活力ある労働市場への政策シフト」という
4つのテーマに沿って、重点要望の趣旨を説明した。
https://www.tokyo-cci.or.jp/page.jsp?id=1032266

●年末一時金、2.39月/連合・第1回回答集計

 連合は7日、「2022春季生活闘争 年末一時金 第1回回答集計」(2日正午時点)
結果を発表した。年末一時金は、組合員一人あたり加重平均で2.39月(昨年同時期2.31月)、
72万6,893円(同67万4,221円)、いずれも昨年実績を上回った。同日発表された企業内
最低賃金協定(最終)は、闘争前に協約があり、基幹的労働者の定義を定めている場合では、
回答組合の単純平均で、月額16万6,004円/時間額1,029円、基幹的労働者の定義を定めて
いない場合は、月額16万6,515円/時間額976円となった。
https://www.jtuc-rengo.or.jp/activity/roudou/shuntou/2022/yokyu_kaito/kaito/nenmatsu/press_release_20221107.pdf

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【動向】
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●国内景気は3か月連続で改善/民間調査

 帝国データバンクは4日、TDB景気動向調査(2022年10月調査)結果を発表した。
景気DIは前月比0.7ポイント増の42.6、3か月連続の改善で、再び新型コロナウイルスの
感染拡大前の水準を上回った。10業界中「サービス」「運輸・倉庫」など8業界が改善。
全国旅行支援が開始され、観光関連が大きく回復した一方で、円安や原材料・燃料価格の
高騰により、仕入単価DIは21業種、販売単価DIは19業種で過去最高となった。今後は、
「サービス消費やDX 需要の拡大などが期待され、緩やかな改善傾向で推移すると
見込まれる」としている。
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/k221101.html
(詳細)
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/202211_jp.pdf

●早期・希望退職を募集した上場企業、半数以上が「黒字」/民間調査

 東京商工リサーチは1日、2022年1~9月の「上場企業「早期・希望退職」
実施状況」を発表した。早期・希望退職者を募集した企業は33社(募集人数5,000人)で、
コロナ禍の20年以降、1~9月累計では社数、募集人数ともに最少。33社の直近の
通期損益は、半数以上の18社(構成比54.5%)が黒字で、黒字企業の実施が赤字企業を
上回るのは19年以来3年ぶり。
https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20221101_02.html

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【企業】
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●初任給14%引上げ等、新たな人事給与制度を来春導入/NTTグループ

 NTTグループは8日、2023年4月より、専門性を軸とした新たな人事給与制度を
導入するとともに、採用給を従来から14%(大学卒の標準的ケースで25万円へ)
引き上げると発表した。社員一人ひとりが今まで以上に高い専門性とスキルを
獲得・発揮し、様々な分野で多様な人材が多様なキャリアを自律的に構築しながら、
高い付加価値を創出できる仕組みを整備することを狙いとしている。
(専門性を軸とした人事給与制度への見直し)
https://group.ntt/jp/newsrelease/2022/11/08/221108c.html
(新卒の採用給の引上げ)
https://group.ntt/jp/newsrelease/2022/11/08/221108b.html

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【海外】
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●国別労働トピック/JILPT

<ドイツ>
▽22年上半期の協約賃金―物価高騰で実質マイナスに

 ハンスベックラー財団経済社会研究所によると、2022年上半期(1月~6月)の
協約賃上げ率は、名目で平均2.9%だった。しかし、同時期の物価上昇率を考慮すると、
実質で3.6%減少した。分析担当者は、実質賃金の低下が続けば、民間需要を弱め、
ドイツ経済の発展に打撃を与える危険性があると警告する。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2022/11/germany_01.html

▽化学産業の賃金交渉、6.5%で決着―「協調行動」の復活

 化学産業使用者連盟と鉱業・化学・エネルギー労組は10月18日、新たな労働協約に
合意した。これにより、化学産業に従事する1,900社、58万人の労働者は、2023年から
2024年にかけて二段階で計6.5%の賃上げを獲得し、さらに計3,000ユーロの特別支払い
を得る。この合意の背景には、「協調行動」の復活と「高い賃上げを控える代わりに
3,000ユーロまでの特別支払いを非課税にする」という政府の提案がある。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2022/11/germany_02.html

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【イベント】
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●特定課題講座「いま求められる労働組合の役割~新型コロナ禍における労働問題を考える~」/神奈川県かながわ労働センター川崎支所

 神奈川県かながわ労働センター川崎支所は11月24日、特定課題講座「いま求められる
労働組合の役割~新型コロナ禍における労働問題を考える~」を川崎市で開催する。
新型コロナ禍での一方的なシフト調整による実質的な賃金カットやワンオペ、解雇・
雇止めなど、労働条件の不利益変更等に関してどのように対応すべきか。労働組合や
労働者の視点から実際に取り組む際のポイントや進め方を解説する。
受講無料。定員38名(申込先着順)。
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/jg5/cnt/f7615/#tokuteikadai

●「年金の基礎実務講座」/神奈川県労働福祉協会

 (公財)神奈川県労働福祉協会は12月6日、「1日で学ぶ!基本から最新情報まで!
年金の基礎実務講座」をオンラインで開催する。年金の基礎、昨今の年金法の改正等を
解説し、確定拠出年金(DC・iDeCo)についても触れつつ、DCやDBの改正にも触れる。
12月8日から2023年1月8日まではオンデマンド配信も行う。受講料15,000円。
https://www.zai-roudoufukushi-kanagawa.or.jp/nenkin.html

●「全国シンポジウム2022」/経営民主ネットワーク

  経営民主ネットワークは11月28日、「全国シンポジウム2022」(テーマ「新しい
資本主義を超えて」)を港区で開催する。基調講演「『例外状況』と資本の暴力性」
(水野和夫法政大学教授)のほか、報告「『新しい資本主義』と労働運動~2023春闘
に向けて」(安河内賢弘JAM会長)、「ピケティの『参加型社会主義』を問う」
(高木雄郷経営民主ネットワーク事務局長)を予定。
▽会場:連合東京・3階会議室(東京都港区芝浦3―2―22 田町交通ビル3F)
▽申込先:経営民主ネットワーク(リンク先なし)
 TEL&FAX:0475(88)3821
 E-mail:jwdnetwork[at]mbr.nifty.com  [at]を@ にご修正ください