メールマガジン労働情報 No.1787

■□――【メールマガジン労働情報/No.1787】

約4分の1が「70歳までの就業確保措置実施済み」/厚労省集計 ほか

―2022年7月1日発行――――――――――――――□■

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  本号の主な内容
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【行政】約4分の1が「70歳までの就業確保措置実施済み」/厚労省集計 ほか
【統計】介護サービス受給者、約452万人/介護給付費等実態統計(3月) ほか
【労使】5月の業況DI、コスト増が重荷となりほぼ横ばい/日商
【動向】3割弱が「アルムナイ採用」を導入/民間調査 ほか
【イベント】第19回「私の提言」を募集/教育文化協会

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【JILPTからのお知らせ】
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☆JILPTリサーチアイ 第73回
 「透明かつ予見可能な労働条件指令」とドイツ労働法─EU指令の国内法化をめぐる一断面
 労働法・労使関係部門 主任研究員 山本 陽大(6月29日)

 近時、いわゆる「シフト制労働」が、労働政策の分野においてもにわかに注目を集めている。
シフト制労働とは、労働日や労働時間が、労働契約の締結時点においては確定的に定められておらず、
使用者のその都度の労働需要に応じて(例えば、1ヶ月や1週間ごとに作成される勤務シフト上で
「シフトを入れる」ことによって)初めて確定する労働形態を指す。このようなシフト制労働が
抱える問題性は、とりわけコロナ禍においては、店舗の休業や時短営業を理由に労働者が
「シフトを入れられない」という事態が、雇用調整助成金などの支給要件としての「休業」に
当たるかという形で顕在化したが、コロナ禍以前から既に、シフトの削減の適法性をめぐって
法的紛争がいくつか生起していた。
https://www.jil.go.jp/researcheye/bn/073_220629.html

◇『日本労働研究雑誌』2022年7月号を刊行しました!
 特集「日本的雇用慣行の中の外国人労働者─エビデンスに基づいた議論」
https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2022/07/index.html

◇『ビジネス・レーバー・トレンド』2022年7月号を公開しました!
 「ハラスメントのない職場をつくる」
https://www.jil.go.jp/kokunai/blt/backnumber/2022/07/index.html

◇英文ジャーナル『Japan Labor Issues』(電子版)2022年7月号を公開しました!
https://www.jil.go.jp/english/jli/index.html

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【新型コロナウイルス関連情報】
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▽最近の更新情報(6月30日更新)

 国内統計:鉱工業指数
 https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/covid-19/c14.html

 国内統計:機械受注額、新設住宅着工戸数
 https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/covid-19/c17.html

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【行政】
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●約4分の1が「70歳までの就業確保措置実施済み」/厚労省集計

 厚生労働省は6月24日、2021年「高年齢者雇用状況等報告」の集計結果を公表した。
従業員21人以上の約23万2,000社からの報告に基づき、高年齢者の雇用等に関する
措置について昨年6月1日時点での実施状況をまとめたもの。2021年4月に
努力義務化された70歳までの就業確保措置の実施済み企業は25.6%(中小企業26.2%、
大企業17.8%)。措置の内訳は、「継続雇用制度の導入」(19.7%)が最多、
「定年制の廃止」(4.0%)、「定年の引上げ」(1.9%)、「創業支援等措置の導入」
(0.1%)など。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26246.html
(報道発表資料)
https://www.mhlw.go.jp/content/11703000/000955633.pdf
(資料別添)
https://www.mhlw.go.jp/content/11703000/000955629.pdf

●「職場における学び・学び直し促進ガイドライン」を公表/厚労省

 厚生労働省は6月29日、「職場における学び・学び直し促進ガイドライン」
を公表した。企業・労働者を取り巻く環境が変化する時代では、労働者の
「自律的・主体的・継続的な学び・学び直し」が重要であり、「労使の協働」
が必要となることから、ガイドラインを策定したもの。職場における人材開発
(「人への投資」)の抜本的な強化を図るため、基本的な考え方や、労使が
取り組むべき事項、公的な支援策等を体系的に示している。
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/newpage_26443.html
(ガイドライン)
https://www.mhlw.go.jp/content/11801000/000957888.pdf
(ガイドライン概要)
https://www.mhlw.go.jp/content/11801000/000957891.pdf

●「副業・兼業の促進に関するガイドラインの改定案」を提起/労政審分科会

 厚生労働省は6月27日、第182回「労働政策審議会職業安定分科会」で副業・兼業の
促進に関するガイドラインの改定案を提起した。「副業・兼業に関する情報の公表」
を追加し、副業・兼業を許容しているか、条件付許容の場合はその条件について
公表することが望ましいとしている。「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」
(6月7日閣議決定)が副業・兼業の拡大・促進に取り組むとしたことを踏まえたもの。
改訂ガイドラインの公表は7月上旬の予定。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_030127159_001_00029.html
(ガイドライン改定案の概要)
https://www.mhlw.go.jp/content/11601000/000956491.pdf

●技能実習法に基づく行政処分等を公表/厚労省

 厚生労働省は6月28日、事実とは異なる内容の監査報告書を提出するなどした
監理団体1団体に対し改善を命令したこと、計画に基づく賃金を支払っていない等
技能実習法の認定欠格事由に該当した16企業等について技能実習計画の認定取消の
行政処分を行ったことを公表した。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26378.html

●テレワーク実施層の割合が安定傾向に/国交省調査

 国土交通省は6月29日、「新型コロナ感染症の影響下における生活行動調査(第二弾)」
結果を公表した。週1日以上テレワークを実施する人は、最初の緊急事態宣言中(2020年4月)に
大きく割合が増加(58%)、緊急事態宣言解除後に減少したが、新型コロナ流行前(30%)と
比較して増加(43~45%)して定着した。自宅周辺での活動も定着傾向がみられ、都市に求める
取り組みとしては、「ゆとりある屋外空間の充実」や「自転車や徒歩で回遊できる空間の充実」
へのニーズが、前回調査(2020年8月)から引き続き高い割合となっている。
https://www.mlit.go.jp/report/press/toshi07_hh_000195.html
(詳細結果)
https://www.mlit.go.jp/toshi/tosiko/toshi_tosiko_tk_000056.html

●「船員労働の総合相談窓口」を開設/国交省

 国土交通省は1日より、船員、事業者などを対象にした「船員労働の総合相談窓口」
を開設した。相談窓口では、船員の労働条件(労働時間、休日、給料その他の報酬、
解雇、退職など)に関するものや、その他パワーハラスメント、セクシャルハラスメントなど、
船員労働に関する相談を受け付けている。
https://www.mlit.go.jp/report/press/kaiji04_hh_000236.html

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【統計】
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●介護サービス受給者、約452万人/介護給付費等実態統計(3月)

 厚生労働省は6月29日、「介護給付費等実態統計月報」(2022年3月審査分)を
公表した。受給者総数は、介護サービス452万7,500人、介護予防サービス83万6,200人、
受給者1人当たり費用額は、介護サービス18万2,500円、介護予防サービス2万6,500円。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/kyufu/2022/dl/202203_gaiyou.pdf
(統計表)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/kyufu/2022/03.html

●消費者マインドの基調判断、「下げ止まりの動きがみられる」で据え置き/6月消費動向調査

 内閣府は6月29日、2022年6月の「消費動向調査」結果を公表した。「消費者態度指数
(二人以上の世帯、季節調整値)」は、前月比2.0ポイント低下し32.1。指数を構成する
各指標では、「暮らし向き」が2.6ポイント低下し29.8、「耐久消費財の買い時判断」が
2.6ポイント低下し25.3、「雇用環境」が1.6ポイント低下し37.4、「収入の増え方」が
1.4ポイント低下し35.8、となった。消費者マインドの基調判断は、「下げ止まりの動きが
みられる」で据え置き。
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/shouhi/youten.pdf
(統計表等)
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/shouhi/shouhi.html

●基調判断「生産は弱含み」へ下方修正/5月鉱工業指数

 経済産業省は6月30日、2022年5月の鉱工業生産・出荷・在庫指数(速報)を
公表した。生産指数(季節調整値)は88.3で、前月比7.2%の低下。業種別では、
電子部品・デバイス工業、生産用機械工業、自動車工業等が低下し、電気・情報通信
機械工業、汎用・業務用機械工業、化学工業(無機・有機化学工業・医薬品を除く)
等が上昇した。出荷は同4.3%の低下、在庫は同0.1%の低下、在庫率は同4.7%の上昇。
基調判断は「生産は足踏みをしている」から「生産は弱含み」へ下方修正。
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-1.html
(概要)
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/press/b2015_202205sj.pdf

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【労使】
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●5月の業況DI、コスト増が重荷となりほぼ横ばい/日商

 日本商工会議所は6月30日、「商工会議所LOBO(早期景気観測)調査」結果を発表した。
6月の業況DI(全産業合計)はマイナス20.3で、前月比1.0ポイントの上昇。新型コロナ
ウイルスの沈静化と需要喚起策により飲食・宿泊関連のサービス業で業況が改善し、
住宅関連の民間工事が堅調に推移した建設業でも業況が改善したとする一方、資源・
資材価格の高騰継続や円安による輸入物価の上昇等によるコスト増に見合うだけの
価格転嫁は依然として行われていないなどとし、中小企業の景況感は、コスト増が
重荷となり、ほぼ横ばいとしている。
https://www.jcci.or.jp/news/2022/0630110247.html

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【動向】
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●3割弱が「アルムナイ採用」を導入/民間調査

 マンパワーグループは6月29日、「アルムナイ採用」の実態調査結果を発表した。
アルムナイ採用とは、企業を退職した元従業員(アルムナイ)を再び雇用する採用手法。
アルムナイ採用を導入している企業は28.0%、雇用形態は、「正社員」(77.7%)
が最多、次いで「有期雇用社員」(54.5%)など。採用の成果や効果については、
個々の社外での経験を活用できる点や即戦力人材という面だけでなく、定着性に
ついても効果を感じているケースが多いとしている。
https://www.manpowergroup.jp/client/jinji/surveydata/20220629.html

●ロシア事業見直しの動き、後退局面に/民間調査

 帝国データバンクは6月22日、日本企業の「ロシア進出」状況調査結果を発表した。
ロシア事業の停止・撤退は、3月時点で全体の22%だったが、4月時点で36%に急増。
しかし、その後5月時点で事業停止を表明した企業は11社、6月は3社とさらに減少し、
ロシア事業を見直す動きは後退局面入りがみられるとしている。
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p220608.html
(詳細)
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p220608.pdf

●アルバイトの給与、5割が直近半年間で「上げた」/民間調査

 マイナビは6月27日、「非正規雇用の給与・待遇に関する企業調査」結果を
発表した。直近半年間でアルバイトの給与を「上げた」企業の割合は50.8%で、
前年比10.8ポイントの増加。増加率が高い業種は、「ホテル・旅館」(64.0%、
同28.2ポイント増)、「飲食・フード」(58.8%、同17.6ポイント増)など。
給与を上げた理由は「人材確保が難しくなったため」(42.1%)が最多、次いで、
「社員のモチベーションアップのため」(36.5%)など。
https://www.mynavi.jp/news/2022/06/post_34389.html

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【イベント】
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●第19回「私の提言」を募集/教育文化協会

 教育文化協会では、連合と共催で、労働運動の前進に向けた提言を募集している。
今年は「『働くことを軸とする安心社会ーまもる・つなぐ・創り出すー』の実現に向けて
連合・労働組合が今取り組むべきこと」をテーマに募集。応募締切は7月25日必着。
発表は9月15日(予定)。
https://www.rengo-ilec.or.jp/event/ronbun/bosyu/