2024年の労働時間規制に伴うトラックドライバーの労働実態の変化の分析
要約
本研究では,2024年4月の労働時間規制の施行に伴い,トラックの運行時間がどのように変化したのかを実証的に検証した。従来の研究とは異なり,トラックの動態管理サービスに記録された詳細な運行データから,1日あたりの運行時間と,運行時間が規制水準の13時間以上になる割合の変化を計測し,それに基づいて分析を行った。推定結果から,以下の3つの知見が得られた。1つ目は,1月から3月の間に長時間運行を行っていた割合が高い事業所ほど,4月以降に運行時間,そして規制時間以上の運行の割合を減らしているという点である。労働時間規制における改善基準告示では,長時間運行を行う事業所ほど違反件数が多くなり,段階的に重い罰則が科される。事業所は,そうした規制に対応していると考えることができる。2つ目は,1つ目で説明した長時間運行の割合の減少は,規制が開始された2024年の4月の前後よりも,2023年の4月の前後のほうが大きいことである。さらに2023年1月から3月に長時間運行を行っていた事業所が,2024年4月以降も運行時間を減少させていることを確認した。これらの結果は,2023年の運行時間の減少が,規制に先立った対応であることを示唆している。3つ目は,1月から3月に長時間運行の割合が高いドライバーは,4月以降に長時間運行を減らしていることである。しかし,2022年から2024年まで一貫してこの傾向がみられるため,規制の影響かは定かではない。
2026年特別号(No.787) 自由論題セッション●第2分科会
2026年1月26日 掲載


