特集趣旨

現在の労働問題を考える上で改めて読んでおきたい文献

「ジョブ型」「賃上げ」「リスキリング」など,日常生活のなかで労働関連の用語に出会う機会が増えているように思われる。初学者にとっては,現在問題とされていることの多くが新たに出てきた課題だと感じられるかもしれない。しかしながら,一見すると新しいと思われる考え方や議論でも,遡れば似たようなことが言及されている場合もある。そのため,過去どのような議論があり,何が明らかにされてきたのかを知り,歴史的な文脈で考える必要がある。加えて,自分の専門分野以外の議論をおさえることも重要である。そこで本号では,現在の労働問題として,①雇用制度改革,②賃金と所得,③技能形成,④男女の働き方,⑤企業経営と人事を取り上げ,これらのテーマを考える上で改めて読んでおきたいと思われる著作や論文を選び,その現代的な意義をご執筆いただいた。各論稿では,単なる文献紹介とは異なり,未来の労働研究者に向けて,労働問題を考える上での重要なメッセージが投じられている。ご執筆いただいた方々に心より感謝申し上げます。

(編集委員・西村純)

2023年4月号(No.753) 特集●現在の労働問題を考える上で改めて読んでおきたい文献

2023年3月27日 掲載