資料シリーズNo.248
諸外国の労働時間法制とホワイトカラ―労働者への適用に関する調査―アメリカ、ドイツ、フランス、イギリス―

2022年3月18日

概要

研究の目的

本調査は、厚生労働省の要請に基づき、アメリカ、ドイツ、フランス、イギリスの4カ国を対象に、各国の労働時間法制について文献調査等により情報収集を行った。特に、ホワイトカラー労働者に係る労働時間法制の適用除外等に関する法制度の有無を含め、諸外国における現状をまとめた。

  • 労働時間に関する基本的な法制度
  • ホワイトカラー労働者に係る労働時間法制の適用

研究の方法

文献サーベイ

主な事実発見

  • アメリカでは、労働時間自体の規制よりも割増賃金の適用による労働時間の抑制が意識されているのに対して、欧州各国では安全衛生の観点から、労働時間(最長労働時間、休憩・休息、休暇等)を直接の対象とした規制が主眼となっている。
  • 適用除外とするホワイトカラー労働者の対象範囲については、経営に関する業務や専門性を要する業務に従事していること、という点では共通性も見られるものの、ホワイトカラー・エグゼンプションにおける適用除外の要件(具体的な職務や俸給水準)からは、アメリカの制度が欧州各国より広範な層を対象としていることがうかがえる。
  • なお、各国とも運用上、個別の労働者に関する適用除外の適否は、主に使用者の判断による(雇用契約、あるいは求人時に記載等)。アメリカでは、この判断を誤分類として時間外手当の支払いを求めて裁判で争うケースがみられるが、欧州各国では同種の裁判等はほとんど確認されない。

図表1 労働時間に関する法制度の概要

図表1画像

図表2 アメリカ:ホワイトカラー・エグゼンプションの適用対象者と必要とされる要件

図表2

政策的インプリケーション

アメリカと欧州各国では、労働時間規制自体の方向性が異なり、またホワイトカラー労働者の対象範囲に関する違いも小さくないことから、両者における適用除外は基本的に異なる性質のものと考えられる。

政策への貢献

政策策定に向けた検討に参考資料として活用されることを想定。

本文

研究の区分

情報収集

研究期間

令和2~3年度

執筆担当者

樋口 英夫
労働政策研究・研修機構 調査部 主任調査員補佐
石井 和広
労働政策研究・研修機構 調査部 主任調査員補佐
飯田 恵子
労働政策研究・研修機構 調査部 主任調査員
北澤 謙
労働政策研究・研修機構 調査部 主任調査員補佐

(2022年3月時点)

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