ディスカッションペーパー 21-03
職業調査において対象職業の就業者ではない回答者の混入を統計学的に検出する手法の検討
―疑似混入シミュレーションによる3手法18条件の比較―

2021年3月12日

概要

研究の目的

職業調査における対象職業の非就業者の混入を統計学的に検出する手法について妥当性を評価することを目的とした。

研究の方法

コンピュータ・シミュレーション

主な事実発見

無気力ランダム回答については一部例外を除き高い判定精度が達成され、各手法の適用の有効性が示された。異職業の就業者については再現性は維持できるが無気力ランダム回答と比べ特異度は劣っていた。検証した18条件の中ではA3条件(手法Aの片側1%水準、非ロバスト条件)が最も再現性を高く保持するが、特異度も考慮するとC3条件(手法Cの片側1%水準、非ロバスト条件)も望ましい精度を持つことが示唆された。

図表1 無気力ランダム回答混入時の各条件の再現性と特異度

図表1画像画像クリックで拡大表示

図表2 異職業の就業者混入時の各条件の再現性と特異度

図表2画像画像クリックで拡大表示

政策的インプリケーション

今後の職業調査における方法論の精緻化に本稿の知見の活用が期待される。

政策への貢献

次年度以降の職業情報提供サイト(日本版O-NET)の研究開発において中長期的に知見の活用を予定している。

本文

研究の区分

プロジェクト研究「全員参加型の社会実現に向けたキャリア形成支援に関する研究」
サブテーマ「職業情報、就職支援ツール等の整備・活用に関する研究」

研究期間

令和2年4月~令和3年3月

研究担当者

鎌倉 哲史
労働政策研究・研修機構 研究員

関連の研究成果

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内容について
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※本論文は、執筆者個人の責任で発表するものであり、労働政策研究・研修機構としての見解を示すものではありません。

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