有識者からのご意見2
イノベーティブな組織づくりのインフラ情報として
河野 真理子 株式会社キャリアン代表取締役

※このページは、平成26年4月3日発行の「メールマガジン労働情報」1000号特別編集号を転載したものです。

はじめに

「メールマガジン労働情報」1000号の御発行、誠におめでとうございます。包括的で質の高い情報を、毎週2回の頻度で配信をし続けてくださるJILPTスタッフの皆様に、心から感謝申し上げます。1000回の記念号発行にあたりお声掛けをいただきましたことを光栄に思い、僭越ではありますが、雇用・労働の現場に近い立場から、一読者としてメールマガジン(以下メルマガ)の活用法などを述べさせて頂きます。

活用法:日頃どのように活用しているか?

私は企業を中心に組織の人事・人材育成に関するコンサルティングや、管理職・社員向けにマネジメントやキャリアに関する仕事をしています。よってこのメルマガは、業務上なくてはならない存在であり、雇用・労働分野の最新ニュースを早く正確に入手するための情報ソースになっています。この仕事は昭和からしていますが、“メルマガ発行前はどうやって情報をとっていたのだろう?”と不思議に思うほど、今ではメルマガによる情報取集は日常化しています。

講演や挨拶の機会をいただいたとき、また公的委員会などでの発言時には、裏付け情報として主に「行政」「統計」分野から引いてきた情報・数値を活用しています。配布資料や投影するパワーポイントには、必ずと言っていいほどJILPT関連のデータやリンク先の情報が含まれています。もちろん著作物にも活用しています。

メルマガには研究成果・行政情報だけでなく、民間の「イベント」も掲載されており、いま押させておくべき行事の一覧はなかなか有用です。テーマや登壇者から時代を読むことができ、参加できずとも後日資料を取り寄せるなどして活用しています。

クライアントの人事ご担当者には「これは必ず購読しておかないと」と、経営者の方には「産業界全体や同業他社の動向を雇用労働の切り口から見ておかれると必ず役立つことがありますから」と強くお勧めしています。実際、某企業で非正規社員の制度を充実させるに当たり、「上を説得するのにメルマガからの情報を使い企画資料を作成した」という嬉しいメールをいただいたこともあります。経営者・人事担当者の方にとって、「労使」「企業」分野は、イノベーティブな組織づくりに欠かせない重要な情報ソースです。

活用のポイント:着信後の使い方は?

日々相当数のメールが着信する昨今、メルマガは「ザックリ、サックリ、ジックリ」が私の使い方です。配信されたらまずその場で全体をザックリ一覧する。後回しにすると、結局見ることなく次号が届いてしまいます。次に興味をもった記事をサックリ引く。つまりリンク先に入り込み本文を眺めます。そして使おうと思った記事は、コピー&ペーストまたはプリントアウトして後でジックリ読んでいます。メルマガも便利ですが、『日本労働研究雑誌』『Business Labor Trend:ビジネス・レーバー・トレンド』の紙媒体で再度確認するのも理解が深まりお勧めです。

今後の要望:これからへの期待として

頻度と情報量&質からして他に類のないメルマガなので、強い要望はありませんが、敢えて申し上げるならば次の2点です。1点目は海外情報。昨今グローバルな組織が増えており、特にアジア圏の情報が望まれます。トピックの掲載させる国が限られてしまいがちですが、アジア諸国の研究機関などと連携してリンクをはるだけでも有用かと思います。2点目はJILPTらしさ。たとえば「コラム」など研究者の方々の御意見が伺えるところは、多少挑戦的なコメントも大歓迎です。様々な観点からの御意見に、読者の視点が広がることもあります。

おわりに

日本は組織のイノベーションが必要なときであると感じています。組織の現場で活躍する人、それを支援するコンサルタントなど、雇用・労働分野で仕事をする多くの人たちにとって、最も信頼できる、そして活用される、無くてはならないメルマガとして、これからも10000回を目指してご配信いただけますことを楽しみにしております。

平成26年4月3日掲載