■□――【メールマガジン労働情報/No.2100】
高市新内閣が発足、「基本方針」を閣議決定、「総合経済対策」策定を表明/首相官邸 ほか
―2025年10月24日発行――――――――――――――□■
┏━━━━━━━━┓
本号の主な内容
┗━━━━━━━━┛
【行政】高市新内閣が発足、「基本方針」を閣議決定、「総合経済対策」策定を表明/首相官邸 ほか
【統計】8月の実質賃金、前年同月比1.7%減/毎勤統計確報 ほか
【労使】臨時国会開会、高市新政権発足を受け労使団体が談話 ほか
【動向】特集「高齢者就業の拡大とその帰結」/社人研『社会保障研究』
【企業】介護支援態勢を充実、社員に応援金20万円/東京海上日動火災保険 ほか
【イベント】シニア人材活用促進セミナー「波を掴んで前に進む!中小企業のシニア活用戦略」/千葉県ジョブサポートセンター ほか
━━━━━━━━━━━━━━
【JILPT研究成果情報】
━━━━━━━━━━━━━━
◇資料シリーズNo.294
『勤務間インターバル制度の実情
―厚生労働省「勤務間インターバル制度に関する実態調査」結果の分析―』
JILPTは、厚生労働省の要請を受け、同省が2024年に実施した「勤務間インターバル制度に関する実態調査」の
データを分析しました。勤務間インターバル制度が導入されている企業における制度の効果や課題、同制度が
適用されている労働者における効果・課題を明らかにし、今後の制度拡充や運用における留意点についての含
意を提示しています。
企業調査の分析からは、勤務間インターバル制度の運用にあたって、従業員本人やその上司への直接的な働き
かけが、従業員の健康やワーク・ライフ・バランスの確保に効果的であることが示唆されました。
また、労働者調査の分析からは、勤務間インターバルが睡眠時間の確保に効果的であり、労働者の健康や業務パ
フォーマンスの向上に寄与する可能性があることが明らかになりました。ただし、睡眠時間にはインターバルの
長さだけでなく、通勤・家事・育児・介護の時間や、勤務時間外の仕事の連絡・持ち帰り残業も影響を与えるた
め、休息時間の確保には個人差への配慮と、仕事からの心理的な切り離し(デタッチメント)の確保が重要であ
ることも示唆されています。
https://www.jil.go.jp/institute/siryo/2025/294.html
━━━━━━━━━━━━━━
【JILPTからのお知らせ】
━━━━━━━━━━━━━━
☆発表!2025年度 労働関係図書優秀賞(第48回)・労働関係論文優秀賞(第26回)
JILPTでは労働に関する総合的な調査研究を奨励し、労働問題に関する知識と理解を深めることを目的として、「労働関係
図書優秀賞」の表彰事業を行っています。
今年度の受賞図書は、下記作品に決定しました。
◇吉田航氏『新卒採用と不平等の社会学――組織の計量分析が映すそのメカニズム』
(ミネルヴァ書房 2025年3月刊)
新進研究者の調査研究を奨励する「労働関係論文優秀賞」には、下記作品が選ばれました。
◇中尾走氏・宮田弘一氏『内定獲得に対するインターンシップの効果検証――平均因果効果と効果修飾の両方に着目して』
https://www.jil.go.jp/award/bn/2025/index.html
━━━━━━━━━━━━━━
【行政】
━━━━━━━━━━━━━━
●高市新内閣が発足、「基本方針」を閣議決定、「総合経済対策」策定を表明/首相官邸
皇居での親任式と認証式が21日に行われ、高市新内閣が発足した。初閣議では、(1)強い経済の実現、
(2)地方を伸ばし、暮らしを守る、(3)外交力と防衛力の強化、を柱とする「基本方針」が決定された。
高市首相は、国民の暮らしを守る物価高対策を早急に講じるとともに、日本経済の強さを取り戻すために
(1)生活の安全保障・物価高への対応、(2)危機管理投資・成長投資による強い経済の実現、
(3)防衛力と外交力の強化――を柱とする「総合経済対策」を策定すると表明した。女性の首相就任は
初めて。
▽基本方針/閣議決定
https://www.kantei.go.jp/jp/kakugikettei/2025/_00047.html
▽総合経済対策の策定について(内閣総理大臣指示)
https://www.kantei.go.jp/jp/content/000183341.pdf
●社員の仕事と介護の両立支援に向けた企業向け支援ツールを公表/厚労省
2025年4月施行の改正育児・介護休業法では、相談窓口の設置等の雇用環境整備や家族介護に直面した労働者へ
の個別の制度周知・意向確認等が事業主の義務となったことから、厚生労働省は、これらの義務に対応する企業
を支援し介護離職を防止するため、「企業の役割」や「対応すべき事項」を明確化し、効果的に実施するための
ポイントや様式・資料集をまとめた「企業による社員の仕事と介護の両立支援に向けた実務的な支援ツール」を
公表している。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_61776.html
━━━━━━━━━━━━━━
【統計】
━━━━━━━━━━━━━━
●8月の実質賃金、前年同月比1.7%減/毎勤統計確報
厚生労働省は23日、8月の「毎月勤労統計調査」結果(確報・事業所規模5人以上)を公表した。現金給与総額
は、就業形態計で29万9,955円(前年同月比1.3%増)、うち一般労働者が38万5,548円(同1.8%増)、パートタ
イム労働者が11万1,332円(同1.4%増)。一方、現金給与総額指数を消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総
合)で割った実質賃金は、前年同月比1.7%減(速報段階では1.4%減)で、8カ月連続のマイナスとなった。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r07/2508r/dl/pdf2508r.pdf
▽統計表等
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r07/2508r/2508r.html
●9月の消費者物価指数、前年比2.9%上昇/総務省
総務省は24日、2025年9月の全国消費者物価指数を公表した。生鮮食品を除く総合指数は111.4で前年同月比は
2.9%の上昇、上昇幅は8月の2.7%から0.2ポイント拡大した。前月比(季調値)は0.1%の下落だった。
前年同月比で上昇が大きかったものは、「穀類」18.0%、「菓子類」12.2%など。下落が大きかったものは、
「授業料等」マイナス9.6%。
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/index-z.html
▽報道資料
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf
━━━━━━━━━━━━━━
【労使】
━━━━━━━━━━━━━━
●臨時国会開会、高市新政権発足を受け労使団体が談話
21日に第219臨時国会が開会し、高市新政権が発足したことを受けて、労使団体は以下の談話を発表した。
連合は事務局長談話で、与野党各党に対して、恒久的かつ実効性ある物価高対策を早急にとりまとめ、実行に移す
こと、将来世代に対する責任を果たすため、社会のグランドデザインを明示し、わが国が抱える構造的課題の解決に
真摯に取り組むことを求めるとした。
経団連は筒井会長コメントにおいて、「科学技術立国」の実現、税・財政・社会保障の一体改革の推進、労働改革、
自由で開かれた国際経済秩序の維持・強化、安価で安定的なクリーンエネルギー供給の確保、持続的な成長に向け
たコーポレートガバナンス改革などの諸課題の解決に向けた取り組みを求めるなどとしている。
経済同友会は岩井代表幹事代行による政策提言として、財源と効果を踏まえた物価高への対応、経済のダイナミズ
ムをつくる成長戦略の実行、外国人材との共生社会構築、日米関税合意の着実な履行と経済安全保障の強化を提起
した。
▽第219臨時国会開会にあたっての談話/連合
https://www.jtuc-rengo.or.jp/news/article_detail.php?id=1377
▽高市早苗氏の首相選出に関する筒井会長コメント/経団連
https://www.keidanren.or.jp/speech/comment/2025/1021.html
▽政策提言新政権に望む-新たな経済社会への転換にむけた合意形成-/経済同友会
https://www.doyukai.or.jp/policyproposals/2025/251021.html
●中小企業庁幹部との意見交換会/東京商工会議所
東京商工会議所は14日、中小企業庁幹部との意見交換会を開催し、成長に向けた支援、人手不足や価格転嫁への
対応などについて意見交換した。中小企業庁長官からは、「人手不足、物価高騰がある中で、デフレマインドは
未だ残っている。特に商習慣については、昔の慣習から今の在り方に変えることが必要であり、様々な課題に対
して柔軟に動いていきたい」との発言があった。
https://www.tokyo-cci.or.jp/page.jsp?id=1207511
━━━━━━━━━━━━━━
【動向】
━━━━━━━━━━━━━━
●特集「高齢者就業の拡大とその帰結」/社人研『社会保障研究』
国立社会保障・人口問題研究所は6日、『社会保障研究』第10巻第2号をホームページに掲載した。
特集「高齢者就業の拡大とその帰結」では、「高齢者就業は一般均衡的に、また外部性まで考慮する必要がある」
との視点が示された巻頭言に続き、5本の論文を収録、高齢者就業に関する諸課題を社会保障政策の観点も踏ま
えて横断的に論じている。
https://www.ipss.go.jp/syoushika/bunken/sakuin/kikanshi/1002.htm
━━━━━━━━━━━━━━
【企業】
━━━━━━━━━━━━━━
●介護支援態勢を充実、社員に応援金20万円/東京海上日動火災保険
東京海上日動火災保険は、社員が持てる力を最大限に発揮できる職場環境の整備を目的として、2025年10月より
新たに「介護態勢構築応援金」および「ライフサポート休暇」を導入すると発表した。
要介護1以上の認定を受けた親族を介護する社員に対し、対象親族1人につき1回限りで応援金20万円を支給す
る。用途は、福祉用具購入費や住宅改修費のほか、デイサービス費用や施設入居費用を想定している。
また、従来の介護休暇制度に加え、新たに介護・育児・疾病を対象とした年間5日を上限とする「時間単位で取
得可能な有給休暇制度(ライフサポート休暇)」を導入することで、社員は介護を事由に年間最大10日間まで時
間単位での休暇取得が可能となる。社員の介護支援態勢の充実を図り、多様な社員がエンゲージメント高く働く
ことで、社員と会社双方の持続的成長をめざすとしている。
https://www.tokiomarine-nichido.co.jp/company/release/pdf/251020_01.pdf
●USJ、万博人材を募集/職安と閉幕後初
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)を運営するユー・エス・ジェイ(大阪市)は21日、大阪・関西万博
で働いていた人などに向けた採用説明会を大阪市内のハローワークで開催した。万博会期中の8月からの取り組
みで、閉幕後の開催は初めて。
説明会の第1部では、USJの人事担当者が約50人の求職者に雇用形態や業務内容を説明した。万博会場で来場客
の写真を撮影するボランティアに従事していた60代女性は「次は生活につながる形で、人と楽しく接する仕事を
したい」と話し、説明会後の面接予約に進んだ。
同社はハローワークと連携し、万博に携わった従業員を中心とした100人以上の採用を目指す。採用担当者は「U
SJには訪日客も多い。万博で世界中のゲストに接してきた経験を生かしてほしい」と期待を示した。次回の説明
会は11月に行う。
(時事通信 2025年10月21日)※リンク先なし
●北海道電、洋上風力の人材育成施設/27年稼働目指す
北海道電力は17日、洋上風力発電の保守や管理に関わる人材育成を行う訓練施設の整備について検討すると発表
した。2026年着工、27年の訓練開始を目指し、今年度内にも計画を取りまとめる。同社が洋上風力に特化した訓
練施設を整備するのは初めて。
訓練施設は、洋上風力の計画が進む北海道南西部に整備。高所作業や火災の予防などの訓練を行う陸上施設と、
海中転落した際の安全確保などを行う海上訓練施設を整備する方針で、陸上訓練施設は江差町、海上訓練施設は
函館市内での整備を想定する。
国は7月、北海道南西部の檜山沖と松前沖の2区域を洋上風力の「促進区域」に指定。北電は檜山沖への参入を
目指している。(時事通信 2025年10月17日)※リンク先なし
━━━━━━━━━━━━━━
【イベント】
━━━━━━━━━━━━━━
●シニア人材活用促進セミナー「波を掴んで前に進む!中小企業のシニア活用戦略」/千葉県ジョブサポートセンター
千葉県ジョブサポートセンターは11月10日(月)、「シニア人材活用促進セミナー」をオンライン開催する。
テーマは「波を掴んで前に進む!中小企業のシニア活用戦略」。心を掴む求人キーワード、面接のポイントや
シニア人材の経験を活かし活躍へ導くマネジメントのコツについて成功事例を基に専門家が解説する。
参加費無料。対象は県内企業の経営者及び人事労務担当者。定員は15名程度(事前予約制)。
https://www.chiba-job.com/event/6527
●地域シンポを香川県で開催/輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会
輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会(事務局:内閣府男女共同参画局)は11月18日(火)、香川県と共
催で地域シンポジウムを高松市でハイブリッド形式で開催する。
地域のジェンダーギャップ解消に向け、女性の雇用創出・リーダー育成等に取り組む企業による基調講演に続き、
パネルディスカッションを予定。
https://www.gender.go.jp/policy/sokushin/male_leaders/event/index_20251016.html
●「派遣先事業主・責任者研修会」をオンライン開催/東京労働局
東京労働局は11月17日(月)、「派遣先事業主・責任者研修会」をオンライン(Zoom)で開催する。
派遣労働者を受け入れている(または受入予定の)事業所の担当者向けの内容で、男女雇用機会均等法等の派遣
労働者への適用、派遣労働者と労働基準法等の適用、外国人在留支援センターの紹介など、労働者派遣に関わる
様々なルールを説明する。参加無料。要事前申込。
次回は2026年1月28日(水)に同形式で開催予定。
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/news_topics/jyukyuuchousei_20251117_hasaki_00001.html
●労働セミナー&相談会「知って備える」非正規雇用で安心して働くためのノウハウ/東京都労働相談情報センター大崎事務所
東京都労働相談情報センター大崎事務所は、11月18日(火)、19日(水)、労働セミナー「「知って備える」非
正規雇用で安心して働くためのノウハウ~「知らなかった」で済まさない、制度活用と事例に学ぶトラブル回避
術~」を品川区・大崎で開催する。セミナー終了後の相談会では、非正規雇用に関する疑問点等について、講師
や相談員が回答する。受講無料、要事前申込(先着順、定員60名)
https://www.hataraku.metro.tokyo.lg.jp/seminarform/index/detail?kanri_bango=seminar-osaki-000268