メールマガジン労働情報 No.2086

■□――【メールマガジン労働情報/No.2086】

外国人労働者、雇用理由は「労働力不足の解消・緩和」が最多/厚労省 ほか

―2025年9月3日発行――――――――――――――□■

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  本号の主な内容
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【行政】外国人労働者、雇用理由は「労働力不足の解消・緩和」が最多/厚労省 ほか
【統計】7月の完全失業率2.3%、前月比0.2ポイント低下/労働力調査 ほか
【労使】すべての仲間の結集と単組活動の活性化を目指す向こう2年間の運動方針を提示/自治労の定期大会 ほか
【動向】生成AIの業務利用5割超、注意すべきポイントはガイドラインの策定状況/民間調査
【海外】民間企業の求人未充足数の減少傾向が鈍化/フランス
【イベント】創立40周年記念シンポ「労働の未来図―新時代の労働法・労働政策の課題と展望―」/労働問題リサーチセンター ほか

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【JILPTからのお知らせ】
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☆任期付研究員(テニュアトラック)の募集について(2026年度採用)

労働政策研究・研修機構では、労使関係・人事労務管理分野で任期付研究員(テニュアトラック)を募集します。
応募書類提出期限:2025年9月30日(火)必着。
【募集要項】
https://www.jil.go.jp/information/koubo/kenkyuin/2025/05.html

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【行政】
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●外国人労働者、雇用理由は「労働力不足の解消・緩和」が最多/厚労省

厚生労働省は8月29日、2024年「外国人雇用実態調査」の結果を公表した。雇用保険被保険者数5人以上かつ外
国人労働者を1人以上雇用する事業所のうち有効回答を得た3,623事業所、1万1,568人について集計している。
外国人労働者数は約182万人、在留資格別にみると「専門的・技術的分野」38.9%、「身分に基づくもの」27.6
%、「技能実習」20.2%となっている。外国人労働者の雇用理由(複数回答)は、「労働力不足の解消・緩和」
が最多の69.0%、次いで「日本人と同等・それ以上の活躍を期待」が54.7%。雇用上の課題(複数回答)は
「日本語力等のためコミュニケーションが取りにくい」が最多の43.9%。次いで「在留資格申請等の事務負担が
面倒・煩雑」が24.7%だった。(事業所調査)
国籍・地域別では、ベトナムが32.4%と最も多く、次いで中国(香港、マカオ含む)14.7%、フィリピン10.5%
となっている。前居住地が日本以外の場合、85.0%が「紹介会社・個人からの紹介等」で入職しており、入国ま
での費用総額は「20万円以上40万円未満」22.6%、「20万円未満」18.6%、「40万円以上60万円未満」14.5%。
「就労上のトラブル」は「なし」86.9%だが、「あり」の者のトラブルの内容は、「紹介会社(送出し機関含む)
の費用が高かった」18.6%、「どこに相談すればよいかわからなかった」14.9%、「事前の説明以上に高い日本
語能力を求められた」8.8%など。(労働者調査)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_61317.html

●2025年度「障害者雇用優良事業所等の厚生労働大臣表彰」受賞者を公表/厚労省

厚生労働省は8月29日、9月の「障害者雇用支援月間」にあわせて、2025年度「障害者雇用優良事業所等の厚生
労働大臣表彰」の受賞者を公表した。今年度は、障害者の雇用に積極的に取り組む7事業所、職業人として模範
的な業績をあげた障害者9名が表彰された。
また、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が主催する「障害者雇用支援月間における絵画・写真コン
テスト」に対する 厚生労働大臣賞の受賞者も併せて公表された。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_62174.html

●建設業の人材確保・育成に向けた2026年度概算要求/厚労省・国交省

厚生労働省は1日、建設業の人材確保・育成に多角的に取り組むための2026度予算概算要求の概要を公表した。
建設業の技能者では60歳以上が約4分の1を占める一方、29歳以下は全体の約12%という状況等を踏まえ、
「人材確保」のための建設事業主等に対する助成金による支援70億円、ハローワークにおける人材不足分野の
マッチング支援55億円、「人材育成」のための中小建設事業主等への支援4.9億円、「魅力ある職場づくり」の
ための働き方改革推進支援助成金による支援101億円などを計上。国土交通省と連携して関係施策を実施する
としている。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_62111.html

●ワゲン福祉会不当労働行為再審査事件で初審命令主文を修正/中労委

法人が、組合が提出した告発書に関する団交等において不誠実な対応をしたことや団交において組合の成立要件
に言及したこと、法人に在籍している組合員の人数を理由に団体交渉を打ち切ったことなどが不当労働行為であ
るとして救済申立てがあった事件の再審査事件において、中央労働委員会は8月4日、初審結審後において、法
人は告発書に関する調査について相応の説明を行っていることや団交において法人に在籍する組合員数を特に問
題としていないことから、これらについての団体交渉を命ずる必要性は存しないとしたうえで、組合が提出した
告発書に関する団体交渉等での不誠実対応など5項目が不当労働行為に当たるとして、初審命令主文を文書交付
のみに変更するとした。
https://www.mhlw.go.jp/churoi/futouroudou/dl/r070805-2.pdf

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【統計】
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●7月の完全失業率2.3%、前月比0.2ポイント低下/労働力調査

総務省は8月29日、2025年7月の「労働力調査(基本集計)」を公表した。完全失業率(季節調整値)は2.3%で、
前月比 0.2ポイント低下。完全失業者数は 169万人(前年同月比 19万人減)で、6カ月連続の減少となった。
就業者数は 6,850万人(同 55万人増)で、36カ月連続の増加。雇用者数は 6,197万人(同 84万人増)で、41カ月
連続の増加。うち、正規従業員数は 3,720万人(同 78万人増)で、21カ月連続の増加。非正規従業員数は 2,128
万人(同 14万人増)で、7カ月連続の増加。
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/index.html

●7月有効求人倍率1.22倍、前月と同水準/一般職業紹介状況

厚生労働省は8月29日、2025年7月分「一般職業紹介状況」を公表した。有効求人倍率(季調値)は1.22倍で、
前月と同水準。新規求人倍率(同)は2.17倍で、前月比0.01ポイント低下。新規求人(原数値)は、前年同月比
で1.2%減。産業別にみると、増加は教育,学習支援業(9.8%増)、情報通信業(2.7%増)、サービス業(他に
分類されないもの)(2.2%増)など。減少は宿泊業,飲食サービス業(9.7%減)、卸売業,小売業(4.7%減)、
生活関連サービス業・娯楽業(3.6%減)など。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_62187.html
▽報道発表資料
https://www.mhlw.go.jp/content/11602000/001545662.pdf

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【労使】
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●すべての仲間の結集と単組活動の活性化を目指す向こう2年間の運動方針を提示/自治労の定期大会

地方自治体の職員などを抱える自治労(石上千博委員長、70万6,000人)は8月25~27日まで、栃木県宇都宮市
で定期大会を開催した。向こう2年間の運動方針では、組織強化・拡大にむけて職場のすべての仲間の自治労結
集と単組活動の活性化を目指すことなどの重点課題を提示。当面の闘争方針では、秋季・自治体確定闘争の取り
組みとして、人事院勧告を踏まえた給与の引き上げや運用改善にむけた「1単組・1要求」などを掲げた。役員
改選ではこれまで1期(2年)、中央執行委員長を務めてきた石上氏(北海道本部)が再選された。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/kokunai/topics/mm/20250903.html

●中小企業の賃上げ率4.35%、平均1万1,999円/経団連調べ

経団連は8月28日、2025年春季労使交渉・中小企業業種別妥結結果(加重平均)の最終集計を発表した。従業員
数500人未満の中小企業を対象にした調査で、集計可能な企業の総平均賃上げ額は1万1,999円(4.35%)となり、
前年(2024年)の1万712円(4.01%)を額で1,287円、率で0.34ポイント上回った。業種別では、製造業:1万
2,718円(4.57%)、非製造業:1万1,006円(4.05%)。規模別では、100人未満:9,892円(3.78%)、100~
300人未満:1万1,313円(4.13%)、300~500人未満:1万3,065円(4.67%)。
https://www.keidanren.or.jp/policy/2025/053.pdf

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【動向】
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●生成AIの業務利用5割超、注意すべきポイントはガイドラインの策定状況/民間調査

日経BP総合研究所は8月28日、「5年後の未来に関する調査【生成AIビジネスの動き/街の変容】」を発表した。
業務で生成AIを「すでに利用している」と回答した企業が54.5%に達した一方、「生成AIを利用するにあたって
ガイドラインを策定しているか」は、「すでに策定」38.7%、「準備中」6.8%となっていることから、策定状況
が「注意すべきポイント」としている。また、生成AIを活用した新規ビジネスを「立ち上げ済み」とする企業は
7.7%で、「立ち上げを準備・検討中」は7.5%、「立ち上げる可能性がある」は21.1%だった。
https://www.nikkeibp.co.jp/atcl/newsrelease/corp/20250828/

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【海外】
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●国別労働トピック/JILPT

<フランス>
▽民間企業の求人未充足数の減少傾向が鈍化

2025年第2四半期、民間企業の求人数は即時必要な求人が増加する傾向にあり、業種別では建設業の求人難が
際立つ。最近の推移を振り返ると、2022年に始まった求人の減少傾向は一旦、落ち着く兆しを見せている。ただ、
このような求人の減少傾向の鈍化は2024年にも見られ、今後の動きは不透明なため注視していく必要がある。
(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2025/08/france_02.html

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【イベント】
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●創立40周年記念シンポ「労働の未来図―新時代の労働法・労働政策の課題と展望―」/労働問題リサーチセンター

公益財団法人労働問題リサーチセンターは10月29日(水)、創立40周年記念シンポジウム「労働の未来図―新時
代の労働法・労働政策の課題と展望―」を都内会場(千代田区)とオンラインで開催する。荒木尚志・東大名誉
教授による基調講演とシンポジウムを予定。シンポジウムのコーディネーターは山川隆一・明大教授、シンポジ
ストは水町勇一郎・早大教授、坂爪洋美・法政大教授、川口大司・東大教授、首藤若菜・立教大教授。参加無料。
定員は会場80名、オンライン300名。
https://www.rodorc.or.jp/symposium2025

●「派遣先事業主・責任者研修会」/東京労働局

東京労働局は9月16日(火)、「派遣先事業主・責任者研修会」をオンライン(Zoom)で開催する。
派遣労働者を受け入れている(または受入予定の)事業所の担当者向けの内容で、男女雇用機会均等法等の
派遣労働者への適用、派遣労働者と労働基準法等の適用、外国人在留支援センターの紹介など、労働者派遣に
関わる様々なルールを説明する。参加無料。要事前申込。次回は10月28日(火)に同形式で開催予定。
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/news_topics/jyukyuuchousei_20250916_hasaki_00001.html

●「中小企業診断士川柳」を募集/東京都中小企業診断士協会

東京都中小企業診断士協会は、11月4日の「中小企業診断士の日」にあわせて中小企業診断士川柳を募集する。
今回のお題 (テーマ)は「人材」。人材不足に悩まされている昨今の中小企業にとって、採用や育成、定着など極め
て重要な経営課題の一つであり、経営や支援に関わる人々の喜怒哀楽に、ユーモアや「穿ち」のスパイスを加え、
温かく応援する川柳を募集する。〆切は9月22日(月)、東京協会会員だけでなく、全国の中小企業診断士、一般の
方も応募可能。
https://t-smeca.net/news/202509_tokyo04/

●第86回勤労者専門セミナー/経営民主ネットワーク

経営民主ネットワークは9月18日(木)14時から、「第86回勤労者専門セミナー」を東京都港区の友愛会館で開催する。
講演は「フリーランスへの集団的自治の保障に向けて―EUの政策展開にみる教訓」をテーマに、中央大学法学部教
授・井川志郎氏。参加無料、要事前申込(リンク先なし)。
申込先:経営民主ネットワーク jwdnetwork[at]br.nifty.com  ※[at]を@にご修正ください