メールマガジン労働情報 No.1957

■□――【メールマガジン労働情報/No.1957】

今後の労働基準関係法制、論点と議論の方向性を提示/労働基準関係法制研究会 ほか

―2024年4月24日発行――――――――――――――□■

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  本号の主な内容
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【行政】今後の労働基準関係法制、論点と議論の方向性を提示/労働基準関係法制研究会 ほか
【統計】94.4%が、1年前と比べ「物価上昇を実感」/日銀・生活意識アンケート調査 ほか
【労使】「最低賃金に関する要望」を提出/日商ほか
【動向】24年度の見通し、上向き傾向だが勢いはやや鈍化/民間調査 ほか
【企業】新たに4つの人事制度を導入/シナネンホールディングス ほか
【イベント】労働法講座「最新!労働法入門」/京都勤労者学園

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【JILPTからのお知らせ】
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☆2024年度労働関係図書優秀賞、公募受付中!

労働関係図書優秀賞は、労働問題に関する一般の関心を高めるとともに、労働に関する総合的な調査研究の
発展に資することを目的として、当機構が読売新聞社の後援のもと、実施しています。今年度の選考対象図書は
2023年4月から24年3月までに新たに刊行された、日本人の編著による労働に関する図書(雑誌、研究資料、
非売品を除く)です。選考への応募方法は、実施要綱をご覧ください。
https://www.jil.go.jp/award/index.html
▽労働関係図書優秀賞・実施要綱
https://www.jil.go.jp/award/koubo/index.html

★2025年度 職員(事務職員)募集について

労働政策研究・研修機構では、以下のとおり事務職員を募集します。
https://www.jil.go.jp/information/koubo/shokuin/2024/index.html

★2024年度「東京労働大学講座・総合講座」(5月開講、オンライン開催)まだ間に合います!

<人事管理・労働経済>部門 5月7日火曜~7月3日水曜(17講義日+試験)
<労働法> 部門      7月9日火曜~8月30日金曜(14講義日+試験)
https://www.jil.go.jp/kouza/sogo/index.html

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主要な労働関係法規を持ち運びに便利な分量・判型に収めたコンパクトサイズの法規集です。
【B6判変型1,191頁 定価:1,980円(本体1,800円) 3月15日刊行】
https://www.jil.go.jp/publication/ippan/houkishu.html

◇『データブック国際労働比較2024』を公開!

経済、労働、雇用状況、勤労生活等に関する各国の統計指標を、国際比較が可能な形に
編集・収録した年刊資料集です。
https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/databook/2024/index.html

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【行政】
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●今後の労働基準関係法制、論点と議論の方向性を提示/労働基準関係法制研究会

厚労省は23日、労働基準関係法制研究会を開催し、資料として「これまでの議論の整理」を提示した。
今後、より具体的に各論点を掘り下げていくためのもの。1「労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇」、
2「労働基準法の「事業」について」、3「労働基準法の「労働者」について」、 4「労使コミュニケーション
について」として、各論点の考え方と議論の方向性に関する意見を整理している。同研究会は、「新しい時代の
働き方に関する研究会」報告書(2023年10月20日)と働き方改革推進法の施行状況を踏まえた労働基準関係法制
の法的論点の整理等を目的として、本年1月から検討を重ねている。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_39877.html
▽「これまでの議論の整理」
https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/001248132.pdf
▽「新しい時代の働き方に関する研究会 報告書(概要)」(資料 4-5頁)
https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/001194506.pdf

●グローバルサウスとの関係強化/経済財政諮問会議

政府は19日、経済財政諮問会議を開催し、グローバル対応とエネルギー及び地域活力の創生について議論した。
首相は、「人口減少下においても持続的な経済成長を実現するためには、生産性の向上が不可欠。
そのためには、海外の活力を取り込んでいくこと、そして、エネルギー安全保障が確保され、脱炭素につながり、
国内で稼ぐ力を強くするエネルギー構造に転換していくことが欠かせない」とし、「グローバルサウスとの
関係強化を進めるとともに、サプライチェーン全体のデジタル化も視野に入れた貿易DX、海外の高度若手人材
の受入れ等の取組を強化していく」と述べ、「本年の骨太の方針では、少子高齢化・人口減少を克服し、国民が
豊かさと幸せを実感できる経済社会を構築するための方策を盛り込む」として関係閣僚に施策の具体化を指示
した。また、民間議員から「グローバル戦略」等について提言が出された(資料)。
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202404/19keizai.html
▽資料
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2024/0419/agenda.html

●賃金引上げに関する支援情報を更新/厚労省

厚生労働省は、最低賃金の引上げにより影響を受ける中小企業に対する支援事業を実施しており、その内容
についてHPで紹介している。企業が最低賃金の引上げに向けて活用できる「賃金引上げに関する支援情報」を
2024年4月時点のものに更新した。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/shienjigyou/index.html
▽4月更新の資料
支援施策 https://www.mhlw.go.jp/content/001246868.pdf
マニュアル https://www.mhlw.go.jp/content/001247098.pdf
リーフレット https://www.mhlw.go.jp/content/001246873.pdf

●「労使関係セミナー」、ハラスメント問題の基調講演動画を公開中/中労委

中央労働委員会では、判例や労働法制に関する情報を広く発信し、労使紛争の未然防止と早期解決を図ると
ともに、紛争解決をサポートする労働委員会への理解促進のため「労使関係セミナー」を開催している
(受講無料)。現在、中労委HPでセミナーの動画「ハラスメントと時効の問題について」(2023年度)を
公開中。また、2024年度のセミナー開催予定は決定次第、中労委HPに掲載される。
▽セミナー動画「「ハラスメントと時効の問題について」
https://www.youtube.com/watch?v=vY_Rb0jl670
▽参考:労使関係セミナー・2023年度
https://www.mhlw.go.jp/churoi/roushi/r05seminar.html
▽中労委HP
https://www.mhlw.go.jp/churoi/

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【統計】
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●94.4%が、1年前と比べ「物価上昇を実感」/日銀・生活意識アンケート調査

日本銀行は12日、生活意識に関するアンケート調査(第97回・2024年3月)の結果を発表した。
物価に対する実感(1年前対比)は、「かなり上がった」が62.0%、「少し上がった」が32.4%で、94.4%が
物価上昇を実感している。現在の景況感DI(1年前対比で「良くなった」-「悪くなった」)はマイナス36.1で
前回調査(23年12月)より13.5ポイント改善。暮らし向きDI(「ゆとりが出てきた」-「なくなってきた」)は
マイナス44.2で前回調査より7.9ポイント改善。雇用環境DI(1年後をみた勤め先での雇用・処遇の不安を
「あまり感じない」-「かなり感じる」)はマイナス1.6で前回比3.1ポイント改善。雇用環境については、
「不安」を「かなり感じる」が減少した。
https://www.boj.or.jp/research/o_survey/ishiki2404.htm
▽全文
https://www.boj.or.jp/research/o_survey/data/ishiki2404.pdf

●2月の実質賃金、前年同月比1.8%減少/毎勤統計確報

厚生労働省は23日、2月の「毎月勤労統計調査」結果(確報・事業所規模5人以上)を公表した。
現金給与総額は、就業形態計で28万1,087円(前年同月比1.4%増)、うち一般労働者が35万9,777円(同1.8%増)、
パートタイム労働者が10万5,156円(同3.0%増)。実質賃金は同1.8%減(速報では1.3%減)で23カ月連続の減少。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r06/2402r/dl/pdf2402r.pdf
▽統計表等
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r06/2402r/2402r.html

●24年4月の総人口、前年同月比55万人減/総務省人口推計

総務省は22日、人口推計の2024年4月概算値及び11月の確定値を公表した。24年4月1日現在の総人口(概算値)
は1億2,400万人(前年同月比55万人・0.44%減)。11月1日現在の総人口(確定値)は1億2,434万2千人
(同57万1千人・0.46%減)。年齢階層別(確定値)では「15歳未満」2.30%減、「15~64歳」0.32%減、
「65歳以上」0.01%増。うち「75歳以上」人口は3.61%増加した(年齢階層別増減率は前年同月比)。
https://www.stat.go.jp/data/jinsui/pdf/202404.pdf
▽統計表等
https://www.stat.go.jp/data/jinsui/new.html

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【労使】
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●「最低賃金に関する要望」を提出/日商ほか

日商・東商、全国商工会連合会、全国中小企業団体中央会は連名で18日、「最低賃金に関する要望」を公表し、
厚労省に提出した。地方最低賃金審議における法定三要素(生計費、賃金、企業の支払い能力)のデータに
基づく審議決定、最賃引上げが中小企業・小規模事業者の経営や地域の雇用に与える影響の注視、価格転嫁の
推進等自発的・持続的に賃上げできる環境整備、人手不足につながる「年収の壁」問題の解消などの6項目を要望した。
https://www.jcci.or.jp/news/recommendations/index02/2024/0419135711.html
▽「最低賃金に関する要望」
https://www.jcci.or.jp/file/sangyo2/202404/R6_youbousyo_1.pdf

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【動向】
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●24年度の見通し、上向き傾向だが勢いはやや鈍化/民間調査

帝国データバンクは23日、「2024年度の業績見通しに関する企業の意識調査」結果を発表した。
24年度の業績見通し(売上高および経常利益)について尋ねたところ、「増収増益」と回答した企業は26.3%で、
2年ぶりの増となった前年(26.4%)とほぼ同水準。「減収減益」は21.0%、前年比0.7ポイント増で、増加は
4年ぶり。業績の上振れ材料(複数回答)は「個人消費の回復」(37.3%)が2年連続トップで、次いで
「所得の増加」(24.1%)。下振れ材料は「人手不足の深刻化」(39.4%)が5年ぶりのトップ。
「増益」企業割合は「減益」割合を3年ぶりに上回ったが、「増益」「減益」はいずれも3割台で拮抗しており、
利益面で二極化傾向がみられ、業績見通しは上向き傾向だが、その勢いは前年よりもやや鈍化、としている。
https://www.tdb-di.com/special-planning-survey/sp20240423.php
▽詳細
https://www.tdb-di.com/2024/04/sp20240423.pdf

●企業の約7割が正社員不足/民間調査

東京商工リサーチは17日、全国の企業対象の「人手不足」に関するアンケート調査結果を発表した。
企業全体では69.3%が「正社員不足」と回答し、大企業では77.6%に達した。産業別では建設業の84.4%が
最上位で、次いで運輸業の77.9%。業種別では「道路旅客運送業」が100%で最上位、次いで「宿泊業」の
92.8%。非正規社員については、企業全体では「不足」は38.7%で、6割近くが「充足」としている。業種別で
不足の割合が高いのは、「宿泊業」が100%で最上位、次いで「道路旅客運送業」90.0%、「飲食店」88.0%となっている。
https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1198512_1527.html

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【企業】
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●新たに4つの人事制度を導入/シナネンホールディングス

シナネンホールディングスは16日、4月から新たに、社内ベンチャー制度(審査会での承認を得て、最長3年間、
提案した新規事業を推進)、ベビーシッター割引券配布制度(小学校3年までの子を持つ従業員対象)、
ウェルネス休暇(従業員とその家族の健康のため、年間12日間の特別休暇)、短時間勤務制度の拡充(対象範囲を
拡充)の、4つの人事制度を導入したと発表した。同社は、働き方改革の施策として、2023年4月に副業制度、
70歳までの再雇用制度、育児休業中の学習支援、自己都合退職者再雇用制度(アルムナイ制度)、治療と仕事の
両立支援を導入している。
https://sinanengroup.co.jp/news/hd/240416773

●5月1日に全店一斉休業/サガミ

レストランチェーン事業のサガミ・ホールディングスは5日、従業員の働く環境改善に向けた取り組みの一環
として今年度5月1日、8月16日ほかをグループ全店(一部、商業施設内店舗を除く)で一斉休業すると発表
した。基本給の引上げや、4日間以上の連続休暇(リフレッシュ休暇)を年に3回取得可能とする制度の拡充
などの、従業員のモチベーション向上や労働環境改善の一環としている。
https://www.sagami-holdings.co.jp/20240501_kyugyo/
▽2024年度グループ全店一斉休業実施のお知らせ
https://www.sagami-holdings.co.jp/wp-content/uploads/2024/04/20240422_oshirase.pdf

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【イベント】
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●労働法講座「最新!労働法入門」/京都勤労者学園

(公社)京都勤労者学園は、5月から9月まで全8回(8月を除く、第1・3火曜)、「最新!労働法入門~
雇う・雇われる人の日常にかかわる大事なルールを知ろう!~」を京都市で開催する。単発受講、Zoomによる
聴講も可。重要判例も折り込みながら、昨今の労働基準法・労働契約法・労働安全衛生法・パートタイム労働法等の
改正点を確認するとともに、基本的枠組みとその考え方について解説する。受講料11,500円(テキストは、各自で用意する)。
https://www.labor.or.jp/gakuen/archives/kyoto-school/2024-1roudouhou