メールマガジン労働情報 No.1900

■□――【メールマガジン労働情報/No.1900】

 介護報酬改定に向け、介護人材の確保・生産性向上等について議論/厚労省ほか

―2023年9月15日発行――――――――――――――□■

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  本号の主な内容
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【行政】介護報酬改定に向け、介護人材の確保・生産性向上等について議論/厚労省 ほか
【統計】大企業の従業員判断指数、49期連続「不足気味」超/7~9月法人企業景気予測 ほか
【労使】23年度の規制改革要望、「人の活躍」など4本柱で66項目/経団連
【動向】給食事業者の3割が「赤字運営」、コスト上昇で厳しい採算状況/民間調査
【企業】1カ月以上の育休取得に「奨励金」、基本給の1割を支給/野村證券 ほか
【イベント】ウェビナー開催「ウィズ/ポストコロナの働き方とウェルビーイング:
    フィンランドと日本の比較を通じて考える」/慶大SFC研コンソーシアム等 ほか

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【JILPT研究成果情報】
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◇記者発表「企業の賃金決定に係る調査」(企業調査)結果

 JILPTは15日、「企業の賃金決定に係る調査」(企業調査)結果を記者発表しました。
現在の企業収益(3年前比)は、「減少」傾向が5割前後で、「増加」傾向は3割前後。
今後の収益見通しは、「増加」は6割で、「減少」は3割。過去1年間の価格転嫁の
状況は「全く価格転嫁出来ていない」が3割でした。
 賃上げ(定期昇給・ベースアップ)実施企業は、2021年、22年とも9割以上を占め、
賃上げ実施の理由は、「社員のモチベーションの向上、待遇改善」が7割弱でトップ、
「最賃引上げへの対応」「社員の定着・人員不足の解消」が4割、などが分かりました。
https://www.jil.go.jp/press/documents/20230915.pdf

◇調査シリーズNo.230『家事使用人の実態把握のためのアンケート調査』

 家事使用人の労働条件等について実態を把握し、必要な取組について検討するため、
家政婦(夫)紹介所を通じ、家事使用人に対するアンケート調査を実施しました。
 家政婦(夫)は女性が98.8%を占め、平均年齢は68.9歳。家政婦(夫)業を選んだ理由は、
「年齢問わず働けるから」(51.9%)、「収入を得るため」(50.1%)が上位。個人家庭に
雇用される働き方については「満足」49.2%、「やや満足」36.2%、などとなりました。
https://www.jil.go.jp/institute/research/2023/230.html

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【JILPTからのお知らせ】
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★労働政策フォーラム「外国にルーツを持つ世帯の子育てと労働を考える」
 (Zoomウェビナー・オンライン開催)

 日 時:10月13日(金曜)~19日(木曜)
  <第1部>研究報告     10月13日~19日(オンデマンド配信)
  <第2部>事例紹介・パネル 10月19日 13時30分~16時(ライブ配信)

 日本に暮らす外国人は300万人を超え、日本に定住して子どもを産み育てる人々が
増えています。移住してきた外国籍の人々の非正規雇用の割合は高く、移住第一世代
が労働市場において直面する問題は依然として多くあります。
 本フォーラムでは、外国にルーツを持つ世帯が置かれた環境を概観し、支援現場の
報告を交えながら、課題や支援のあり方について様々な視点から議論します。
(参加無料・要予約)
 https://www.jil.go.jp/event/ro_forum/20231019/index.html

★労働政策フォーラム「企業で働く人の社会貢献活動と生涯キャリア」
 (Zoomウェビナー・オンライン開催)

 日 時:9月23日(土曜)~27日(水曜) ※ライブ配信は27日14時~

 本フォーラムでは、学識、企業、NPOの関係者を招き、実践の取組事例を交えな
がら、「人生100年時代」において豊かな生涯キャリアを築いていくための環境整備の
あり方や課題について議論します。
 https://www.jil.go.jp/event/ro_forum/20230927/index.html

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【行政】
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●介護報酬改定に向け、介護人材の確保・生産性向上等について議論/厚労省

 厚生労働省は8日、社会保障審議会介護給付費分科会を開催し、2024年度の介護
報酬改定に向け、介護人材の確保と介護現場の生産性の向上等について議論した。
処遇改善関係の「加算」を取得した事業所では、介護職員の基本給が平均約1万円
増加しているが、依然として全産業平均と比べ低いこと、加算取得の事務作業が
煩雑なため取得しない事業所もあることなどが指摘された。(資料1・現状と課題)
 また、外国人介護人材の人員配置基準については、EPA介護福祉士候補者およ
び技能実習生について、サービスの質の確保等に十分に配慮した上で、就労開始直
後から人員配置基準に算入することなどが論点に挙がった。(資料4・現状と課題)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_35028.html
(資料1・介護人材の処遇改善等)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001144293.pdf
(資料4・外国人介護人材に係る人員配置基準上の取扱い)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001144296.pdf

●大学教員・研究者の有期雇用、8割が無期転換契約へ/文科省調べ

 文部科学省は12日、「研究者・教員等の雇用状況に関する調査」(2023年度)結果を
発表した。大学等および研究開発法人の研究者・教員等のうち、無期転換申込権発生
までの期間(原則5年)を10年とする労働契約法の「特例対象者」の80.5%が無期
労働契約を締結(4.1%)、または締結する権利を得た(76.4%)こと、特例対象者
への周知は、全体では51%の機関が実施、国立大学等では9割以上が実施している
ことなどが分かった。
 改正労働契約法は2013年4月に施行され、2023年4月以降に「特例対象者」の本格
的な無期転換申込権の発生が見込まれたため、実態把握のため調査を実施。同省は、
結果を踏まえ、各機関に適切な対応を促す依頼文も発出した。
https://www.mext.go.jp/content/20230911-mxt_kiban03-000031781.pdf
(発出依頼文)
https://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/mext_00077.html

●「労使関係セミナー」基調講演の動画を中労委HPに掲載/中労委

 中央労働委員会は、判例や労働法制に関する情報を広く発信し、労使紛争の未然
防止と早期解決、労働委員会への理解促進を目的として「労使関係セミナー」を開催
している。
 現在、中労委HPでは同セミナーの基調講演の動画2本、(1)「ジョブ型雇用に関連
する法的な枠組み」(2023年度)、(2)「就労観の多様化時代の労働条件―人事法務に
必要な知識と裁判例」(2022年度)を公開している。
https://www.mhlw.go.jp/churoi/
(労使関係セミナー・2023年度)
https://www.mhlw.go.jp/churoi/roushi/index.html
(同セミナー・2022年度))
https://www.mhlw.go.jp/churoi/roushi/r04seminar.html

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【統計】
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●大企業の従業員判断指数、49期連続「不足気味」超/7~9月法人企業景気予測

 内閣府と財務省は13日、「法人企業景気予測調査」(2023年7~9月期調査)結果
を公表した。雇用に関する「従業員数判断」BSIは、大企業は24.0%ポイントで2011年
9月末以降49期連続の「不足気味」超。中堅企業、中小企業いずれも「不足気味」超。
「貴社の景況判断」BSIは、大企業は5.8%ポイントで、2023年4~6月期以降、2期
連続の「上昇」超。中堅企業は「上昇」超、中小企業は「下降」超となった。
https://www.mof.go.jp/pri/reference/bos/results/1c202302.pdf
(統計表等)
https://www.mof.go.jp/pri/reference/bos/results/data.htm

●7月の生産指数、前月比マイナス1.8%低下/鉱工業指数確報

 経済産業省は14日、7月の「鉱工業指数(生産・出荷・在庫、生産能力・稼働率)」
確報値を公表した。生産指数(季節調整済)は103.8、前月比マイナス1.8%の低下。
業種別では、低下したのは、生産用機械工業、電気・情報通信機械工業、電子部品・
デバイス工業等。上昇したのは、輸送機械工業(自動車工業を除く)、化学工業
(無機・有機化学工業を除く)、自動車工業等。出荷は同マイナス1.8%の低下、
在庫は同0.6%、在庫率は同1.0%のいずれも上昇。速報と比べ、生産、出荷は上方修正、
在庫、在庫率は下方修正。
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-1.html
(概要冊子)
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/press/b2020_202307kj.pdf

●民間需要の機械受注額、1.1%減/機械受注統計

 内閣府は14日、機械受注統計調査報告(2023年7月実績)を公表した。機械受注
総額は、前月比9.8%増の2兆9,014億円(季節調整値)。民間設備投資の先行指標
である「民需(船舶・電力を除く)」は、同1.1%減の8,449億円。うち船舶・電力
を除く製造業は同5.3%減・4,067億円で、非製造業は同1.3%増・4,376億円。
 基調判断は「足踏みがみられる」で据え置き。
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/juchu/2023/2307juchu.html
(概要)
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/juchu/2023/2307gaiyou.pdf

●8月の企業物価指数、前年比3.2%上昇/日銀

 日本銀行は13日、企業物価指数(2023年8月速報)を公表した。国内企業物価指数は
119.6で、前月比0.3%、前年比は3.2%の上昇。製品別にみると、前月比では「石油・
石炭製品」(5.2%)が大きく上昇。前年比では、窯業・土石製品(15.5%)、パルプ・
紙・同製品(14.2%)、金属製品(8.0%)など。輸入物価指数(ドルなどの契約通貨
ベース)は、前月比マイナス0.9%で11カ月連続の低下、前年比はマイナス15.9%。
円ベースでは前月比0.9%の上昇、前年比マイナス11.8%の低下。
https://www.boj.or.jp/statistics/pi/cgpi_release/cgpi2308.pdf

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【労使】
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●23年度の規制改革要望、「人の活躍」など4本柱で66項目/経団連

 日本経団連は12日、「日本経済にダイナミズムを取り戻す」と題した2023年度の
規制改革要望を発表した。「GX・サーキュラーエコノミー」「DX」「人の活躍」
「成長産業の振興(ヘルスケア・バイオ、モビリティ)」を柱に66項目の規制改革
要望を取りまとめ。「人の活躍」については、主体的なキャリア形成の促進や多様
な働き方の実現を図るため、「副業・兼業の推進に向けた割増賃金規制の見直し」
「介護の両立支援等に資する深夜労働の割増賃金規制の見直し」などを求めている。
https://www.keidanren.or.jp/policy/2023/061.html

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【動向】
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●給食事業者の3割が「赤字運営」、コスト上昇で厳しい採算状況/民間調査

 帝国データバンクは8日、「給食業界動向調査(2022年度)」結果を発表した。
国内で社員食堂や学生食堂の運営、給食サービスを提供する企業を調査した結果、
2022年度の利益動向が判明した374社のうち、34%(127社)が「赤字」運営だった
ことが分かった。コロナ禍以降、3年連続で赤字となった企業は1割を占め、
レポートでは「値上げ交渉が難航する事業者が多くみられ、厳しい採算状況を強い
られている」と指摘している。
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p230902.pdf

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【企業】
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●1カ月以上の育休取得に「奨励金」、基本給の1割を支給/野村證券

 野村證券は14日、全社員に対して、多様な人材が働くための環境整備の推進に
関する取組みを人事評価に組み込むと発表した。例えば、マネージャーに対しては、
多様性が受容される職場環境の整備、男性社員の育休取得の推奨や、女性活躍推進
に向けた女性社員の能力伸長に関する取組み等を、人事評価に組み込む。
 また、性別を問わず、1カ月以上の育児休業取得者に対して「育休取得奨励金」
として基本給(年額)の1割を支給。男性の育休取得を浸透させ、異なる立場や
考え方に対する社員の理解が進むことを期待したいとしている。
https://www.nomuraholdings.com/jp/news/nr/nsc/20230914/20230914_a.pdf

●早期退職特別支援プログラムを実施/参天製薬

 参天製薬は4日、早期退職特別支援プログラムの実施について発表した。対象者
は、50歳以上で勤続年数3年以上の社員・定年後再雇用社員で、募集人数は設定し
ていない。通常の退職金のほか退職特別加算金を支給。希望者には外部専門会社に
よる再就職支援サービスを提供する。退職日は23年12月31日。同社は7月に新たな
執行体制を発足。更なる成長に向け、各組織、機能で求められる職務、ケイパビリ
ティの再定義や人材の適材適所の配置見直しも進めているとしている。
https://www.santen.com/ja/news/2023/2023_1/20230904

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【イベント】
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●ウェビナー開催「ウィズ/ポストコロナの働き方とウェルビーイング:
 フィンランドと日本の比較を通じて考える」/慶大SFC研コンソーシアムなど

 慶應義塾大学SFC研究所・仕事とウェルビーイングコンソーシアムなどは9月
25日(月)、標題ウェビナーをオンラインで開催する。フィンランド労働衛生研究所
教授による講演のほか、労働経済学・公衆衛生学・心理学の研究者や実務家などを
交えたパネル討論を予定。コロナ禍によって変化した働き方がウェルビーイングに
どのような影響を及ぼしたのか、フィンランドと日本の比較を通じて考える。
参加無料。同時通訳付。
https://hp3.jp/230925s/

●<締切間近>「職場における学び・学び直し促進シンポジウム~
  変化する時代の学びと成長:職場の課題と政府の支援策」/厚労省委託事業

 厚生労働省は9月26日(火)、第1回「職場における学び・学び直し促進シンポジ
ウム~変化する時代の学びと成長:職場の課題と政府の支援策」をハイブリッド
(オンライン・東京千代田区)で開催する。
 政府のガイドライン、および、学び・学び直しの取組を促進するための公的支援策
を紹介し、有識者が現状・課題について講演。参加無料。申込期限:9月19日(火)
https://manabi-naoshi.mhlw.go.jp/symposium/

●「2024年問題」を乗り越えるための働き方改革解説セミナー(前編)/東商

 東京商工会議所では講座「未対応企業必見!「2024年問題」を乗り越えるための
働き方改革解説セミナー(前編)」をオンライン配信で開催する。「働き方改革関連
法改正・2024年問題の内容」、「働き方改革の必要性」について解説する。配信期間は
10月2日(月)~10月31日(火)。参加無料。10月24日(火)までに、HPより申し込む。
https://myevent.tokyo-cci.or.jp/detail.php?event_kanri_id=202457

●「うつ病休職者の職場復帰支援を考えるフォーラム」/東京都

 東京都は10月25日(水)、「第16回うつ病休職者の職場復帰支援を考えるフォーラム
:職場のメンタルヘルス再考―働き方改革の導入、ポストコロナに向けてどう変わって
ゆくのか―」を会場(杉並区)とオンラインで開催する。定員は会場180名、オンライン200名。
参加無料。要事前登録、締切は10月17日(火)。
https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/chusou/kouenkaiboshu/16ustu.html