メールマガジン労働情報 No.1838

■□――【メールマガジン労働情報/No.1838】

障害者雇用率を2.7%まで段階的に引上げること等を諮問/厚労省 ほか

―2023年1月20日発行――――――――――――――□■

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  本号の主な内容
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【行政】障害者雇用率を2.7%まで段階的に引上げること等を諮問/厚労省 ほか
【統計】2022年度の消費者物価見通しを3.0%に引上げ/日銀「経済・物価情勢の展望」(23年1月) ほか
【労使】物価動向を重視した賃金引き上げと中長期的な「人への投資」の重視等を求める/経団連報告 ほか
【動向】個人情報漏えい・紛失事故は165件、2年連続最多を更新/民間調査 ほか
【企業】「ウェルカムバック採用」を開始、新卒初任給を8,000円引上げ/東日本旅客鉄道
【イベント】「ライフ・ワーク・バランスEXPO東京2023」/東京都

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【JILPTからのお知らせ】
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☆第124回労働政策フォーラム(労働関係図書優秀賞記念企画)

テーマ:日本の人事制度・賃金制度「改革」
日 時:2023年2月6日(月曜)~9日(木曜)
    第1部 記念講演・問題提起   2月6日~9日(オンデマンド配信)
    第2部 事例紹介・パネル討論  2月9日 13時~14時45分(ライブ配信)
開催方式:オンライン開催(Zoomウェビナー)
参加費:無料(要予約)
定 員:1,000名
申込期限:2月3日(金曜)15時まで
https://www.jil.go.jp/event/ro_forum/20230209/index.html

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【新型コロナウイルス関連情報】
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▽最近の更新情報(1月18日更新)

 国内統計:鉱工業指数
 https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/covid-19/c14.html

 国内統計:企業倒産状況
 https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/covid-19/c18.html

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【行政】
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●障害者雇用率を2.7%まで段階的に引上げること等を諮問/厚労省

 厚生労働省は18日、労政審障害者雇用分科会に障害者雇用率の引き上げ等に関する
障害者雇用促進法の改正政省令案を諮問した。民間企業の新たな雇用率は2.7%とし、
2023年度は現行の2.3%に据え置いた後、24年度から2.5%、26年度からは2.7%へと
段階的に引き上げる。国・地方公共団体は2026年度3%(教育委員会2.9%)へ、
民間と同じタイミングで引き上げる。雇用率達成企業に対する調整金は、23年4月から
超過1人当たり2万9,000円。雇用労働者数の算定の際に障害者の就業が困難な船舶等
23業種に適用している除外率は、25年度から引き下げる。除外率の見直しは2010年7月以来。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_30341.html
(2023年度からの障害者雇用率の設定等について)
https://www.mhlw.go.jp/content/11704000/001039344.pdf
(改正政令案等)
https://www.mhlw.go.jp/content/11704000/001039658.pdf

●トラック運転手の時間外規制など「物流の2024問題」への対応、政府の方向性示す/国交省など

 国土交通省・農林水産省・経済産業省の三省は17日、第5回「持続可能な物流の
実現に向けた検討会」を開催し、中間とりまとめ案を公表した。同検討会は、
物流の担い手不足の深刻化や、2024年度からトラックドライバーに適用される
時間外労働の上限規制等が及ぼす問題(物流の「2024問題」)等、諸課題の解決に
向けた取組・方策を検討するため2022年9月に設置されたもの。中間案では、
政府の方向性として「荷主企業や消費者の意識改革」「物流プロセスの課題
(非効率な商習慣・構造是正、取引の適正化、着荷主の協力の重要性)の解決」
などが示された。今年5~6月に最終とりまとめを行う予定。
(持続可能な物流の実現に向けた検討会/国交省)
https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/seisakutokatsu_freight_mn1_000023.html
(中間とりまとめ案)
https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/content/001582922.pdf

●「職場における化学物質規制の理解促進のための意見交換会」を開催/厚労省

 厚生労働省は、「職場における化学物質規制の理解促進のための意見交換会」
(リスクコミュニケーション)を開催する。日程は2月3日(大阪市)、2月16日
(千代田区)。労働安全衛生法に基づく化学物質管理規制について解説し、
規制対応上重要となるラベル・SDSによる情報伝達について意見交換を行う。
オンライン配信も行う。参加無料。定員100名(各会場)、300名(オンライン)。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_30189.html

●「めざせ!海技者セミナーin KOBE」を開催/国交省

 国土交通省は2月10日、「めざせ!海技者セミナー」を神戸市で開催する。
海運事業者による企業説明会、就職面接会及び神戸運輸監理部による
就職・資格相談を実施する。就職・資格相談コーナーでは、船員の仕事内容、
就職活動、海技資格に関する相談に応じる。参加企業54者。参加無料。
https://www.mlit.go.jp/report/press/kaiji09_hh_000149.html

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【統計】
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●2022年度の消費者物価見通しを3.0%に引上げ/日銀「経済・物価情勢の展望」(23年1月)

 日本銀行は18日、「経済・物価情勢の展望(2023年1月)」を発表した。
「政策委員の大勢見通し」では、2022年度の消費者物価指数を3.0%と、
前回10月の2.9%から引き上げた。先行きの展望としては、賃金上昇率も
高まっていくことなどによりプラス幅が緩やかに拡大するとしている。
実質GDPは1.9%(同2.0%)。雇用者所得については、「正規雇用の増加が
続くほか、対面型サービス部門の回復に伴って、非正規雇用の増加も明確化」
していくことや、「労働需給の引き締まりや物価上昇を反映して賃金上昇率も
高まる」ことなどから、「緩やかな増加を続ける」としている。
https://www.boj.or.jp/mopo/outlook/gor2301a.pdf

●12月の生鮮食品を除く総合指数、前年同月比4%上昇/全国消費者物価指数

 総務省は20日、2022年12月の全国消費者物価指数を公表した。生鮮食品を除く
総合指数は104.1で前年同月比4.0%の上昇、前月比(季節調整値)0.4%の上昇。
前年同月比での上昇に寄与したのは、ガス代23.3%(寄与度0.37)、電気代21.3%
(同0.78)、生鮮魚介16.2%(同0.20)など。同日には2022年平均の数値も公表され、
生鮮食品を除く総合指数は102.1で前年比2.3%の上昇。
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/index-z.html
(報道発表資料)
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf
(2022年平均)
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/nen/index-z.html
(2022年平均・報道発表資料)
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/nen/pdf/zen-n.pdf#page=4

●労災の死亡者数8%減、休業4日以上死傷者数75%増/厚労省

 厚生労働省は18日、2022年の労働災害発生状況(1月速報値)を公表した。
2022年における死亡災害は、死亡者数が718人で前年同期比7.8%減少。
業種別では建設業265人(同3.3%減)、第三次産業177人(同8.8%減)、
製造業135人(同6.3%増)など。事故の類型別では「墜落・転落」212人
(同3.9%増)が最多。一方、休業4日以上の死傷者数は23万6,664人で
前年同期比74.8%増加。業種別では、第三次産業の16万8,931人(同135.4%増)
が最多。事故の類型別では、「その他」(主に感染症による労働災害)
11万9,358人(同528.1%増)、「転倒」3万1,453人(同4.4%増)など。
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei11/rousai-hassei/dl/22-13.pdf
(統計表)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei11/rousai-hassei/index.html

●11月の生産指数、前月比0.2%上昇/鉱工業指数

 経済産業省は18日、11月の「鉱工業指数(生産・出荷・在庫、生産能力・稼働率)」
確報値を公表した。生産指数(季節調整済)は95.5で、前月比0.2%の上昇。業種別に
みると、化学工業(無機・有機化学工業を除く)、食料品・たばこ工業、プラスチック
製品工業等が上昇し、汎用・業務用機械工業、生産用機械工業、無機・有機化学工業等が
低下した。出荷は同0.1%低下、在庫は同0.3%上昇、在庫率は同3.3%上昇。速報と比べて、
生産、出荷は上昇修正、在庫、在庫率は変わらず。
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-1.html
(概要冊子)
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/press/b2015_202211kj.pdf

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【労使】
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●物価動向を重視した賃金引き上げと中長期的な「人への投資」の重視等を求める/経団連報告

 経団連は17日、春季労使交渉・協議における経営側の基本スタンスなどを示す
「2023年版経営労働政策特別委員会報告(経労委報告)」を発表した。春季労使
交渉について、「物価動向を特に重視しながら、賃金引き上げと総合的な処遇改善・
人材育成を積極的に呼びかけていく」との基本方針を表明した。同報告では、
経営側の基本スタンスとして、賃金と物価が適切に上昇する「賃金と物価の好循環」
を形成していく必要があるとするとともに、中期的な観点から、働き手との価値協創
による成長とその分配としての「人への投資」を重視した企業行動への転換等を
呼び掛けた。
https://www.keidanren.or.jp/policy/2023/002.html
▽報告概要
https://www.keidanren.or.jp/journal/times/2023/0119_01.html
▽連合「連合見解」
https://www.jtuc-rengo.or.jp/news/article_detail.php?id=1230

●賃金体系維持分を含め6%程度の引き上げを要求する闘争方針を決定/UAゼンセンの中央委員会

 化学・繊維などの製造業からスーパーマーケットなどの流通業、また、サービス業に
至るまで、幅広い業種をカバーするUAゼンセン(松浦昭彦会長、186万7,000人)は18日、
大阪市で中央委員会を開催し、2023労働条件闘争方針を決定した。物価上昇分を確保する
だけでなく、他産業との格差是正も意識し、賃金体系維持分を含めた引き上げ要求基準は
連合方針よりも1%高い6%程度と設定した。パートタイマーの組合員の時給引き上げ
については、5%以上の引き上げにさらに積極的に1%程度を上積み要求する内容とした。
(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/kokunai/topics/mm/20230120a.html

●ベアなどの要求基準を9,000円とする2023年春季生活闘争方針を決定/JAMの中央委員会

 機械・金属関連の中小労組を多く抱えるJAM(安河内賢弘会長、36万7,000人)は17日、
都内で中央委員会を開催し、2023年春生活闘争方針を決定した。物価上昇下での実質賃金の
確保を強く意識し、ベアや賃金改善分だけでみた賃上げ要求基準について、昨年から3,000円
上積みして9,000円に設定した。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/kokunai/topics/mm/20230120b.html

●12月の労働相談、前年同月比278件増の1,635件/連合「労働相談ダイヤル」

 連合は19日、「なんでも労働相談ダイヤル」2022年12月分集計結果を発表した。
受付件数は1,635件で、前年同月比278件増。相談の内容は、「パワハラ・嫌がらせ」
(14.8%)が最多、次いで「雇用契約・就業規則」(7.8%)、「解雇・退職強要・
契約打切」(7.6%)など。上位4位の順位は前年同期と同じ。業種別では
「医療・福祉」(22.3%)、「サービス業(他に分類されないもの)」(20.4%)、
「製造業」(13.0%)など。業種別上位5位の順位も前年同期と同様。
https://www.jtuc-rengo.or.jp/soudan/soudan_report/data/202212.pdf

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【動向】
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●個人情報漏えい・紛失事故は165件、2年連続最多を更新/民間調査

 東京商工リサーチは19日、「上場企業の個人情報漏えい・紛失事故」調査結果を
発表した。2022年に上場企業とその子会社で、個人情報の漏えい・紛失事故を
公表したのは150社(前年比25.0%増)、事故件数は165件(同20.4%増)、
2012年の調査開始以降、社数と事故件数は2年連続で最多を更新。漏えいした
個人情報は592万7,057人分(同3.0%増)で、2012年以降の累計は日本の人口に
匹敵する1億2,572万3,522人分。
https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20230119_01.html

●金利上昇、4割が「マイナス影響」/民間調査

 帝国データバンクは17日、「金利上昇による企業への影響アンケート」
結果を発表した。今後金利が上昇した場合の影響について、「マイナスの
影響の方が大きい」(40.0%)、「どちらとも言えない」(31.4%)、
「プラスの影響の方が大きい」(8.5%)。金利上昇による具体的な影響は、
「借入金の支払利息が増える〔マイナスの影響〕」(56.5%)が最多、
次いで「輸入価格の低下(物価高騰の抑制)〔プラスの影響〕」(38.3%)など。
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p230107.html
(詳細)
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p230107.pdf

●デジタル給与、約半数が「知らない」、「利用したい」は2割弱/民間調査

 エン・ジャパンは19日、「デジタル給与」実態調査結果を発表した。来年解禁予定の、
給与をデジタルマネーで受け取ることができる「デジタル給与」について尋ねたところ、
「よく知っている」(6%)「概要は知っている」(42%)、一方「知らない」は52%。
利用希望について、「とても利用したい・利用したい」(19%)、「あまり利用したくない・
利用したくない」(57%)など。利用したくない理由は、「現金のみでの決済の店が多い」、
「停電時に全く使えなくなるデジタルにこだわることに対して懸念がある」、「財産管理が
面倒になる」などの理由があるとしている。
https://corp.en-japan.com/newsrelease/2023/31857.html

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【企業】
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●「ウェルカムバック採用」を開始、新卒初任給を8,000円引上げ/東日本旅客鉄道

 東日本旅客鉄道株式会社は18日、これまでに同社の社員として働いた経験があり、
自己都合により退職した者を対象とした「ウェルカムバック採用」を開始すると
発表した。募集開始時期は1月19日、応募・選考・入社の時期は通年、再入社時の
待遇は退職時の待遇をベースに、職歴・スキルなどを踏まえて決定するとしている。
また、総合職・エリア職の新卒初任給を4月1日より8,000円引き上げ、既に入社
している新卒の総合職・エリア職は、4年目までの給与水準を2,000円~6,000円
引き上げる。
https://www.jreast.co.jp/press/2022/20230118_ho02.pdf

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【イベント】
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●「ライフ・ワーク・バランスEXPO東京2023」/東京都

 東京都は2月7日、「ライフ・ワーク・バランスEXPO東京2023」を会場
(千代田区)とオンラインで開催する。「働きやすさのその先へ~『生き方』と
『働き方』が調和する未来~」をテーマに、社員がいきいきと活躍できる、
理想のオフィスや作業環境を実現する方法に加え、育児や介護、病気治療と
仕事を両立するための支援策について、ハードとソフトの両面から事例を交えて
紹介する。参加無料。一部事前予約制。
https://lwb-expo-2023.metro.tokyo.lg.jp/