メールマガジン労働情報 No.1805

■□――【メールマガジン労働情報/No.1805】

トラック運転者の労働時間等の改善基準を見直し/労政審作業部会 ほか

―2022年9月9日発行――――――――――――――□■

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  本号の主な内容
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【行政】トラック運転者の労働時間等の改善基準を見直し/労政審作業部会 ほか
【統計】2022年4~6月期のGDP実質成長率、年率3.5%増/2次速報値 ほか
【労使】2022年闘争の評価では「労使の社会的な役割を一定程度果たすことができた」と総括―金属労協の定期大会 ほか
【動向】新型コロナの感染症法上の分類、5割の企業が「5類」相当の運用を希望/民間調査 ほか
【イベント】職場の健康づくりを支援する「健康づくり推進スタッフ養成研修」/中央労働災害防止協会 ほか

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【新型コロナウイルス関連情報】
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☆JILPTリサーチアイ 第74回
 「職場における感染防止をめぐる法政策─ドイツにおけるコロナ労働保護規則の変遷を追う」
 労働法・労使関係部門 主任研究員 山本 陽大(9月7日)

 2020年初頭以降における新型コロナウイルス感染症の世界的流行を契機として、
ここ数年の間、各国の労働政策においてはコロナ危機への対応が中心となっている。
このような政策領域は非常に多岐にわたるが、おおまかにいえば、コロナ禍に起因する
事業縮小や休業時の雇用保障・所得保障(フリーランスに対するものを含む)に関する
ものと、テレワークの実施をはじめとする職場における感染の防止に関するものとに
区分することができよう。諸外国においては、上記のうち後者の政策領域についても
積極的に立法によって対応しようとする例がみられる。なかでも、ドイツにおいては、
2021年1月に「コロナ労働保護規則」が制定されており、それによって、職場での
感染防止のために使用者が講じるべき措置が、法的に規制されている。
https://www.jil.go.jp/researcheye/bn/074_220907.html

▽最近の更新情報(9月8日更新)

 国内統計:実質国内総生産
 https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/covid-19/c12.html

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【JILPTからのお知らせ】
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☆労働政策フォーラム「転職と中途採用について考える─キャリア採用の取組を中心に」の動画配信!

 7月に開催した労働政策フォーラム「転職と中途採用について考える─キャリア採用の取組を中心に」
の開催当日の動画をYouTubeでご視聴いただけます。
https://www.jil.go.jp/event/ro_forum/20220726/video/index.html
(当日の配布資料)
https://www.jil.go.jp/event/ro_forum/20220726/resume/index.html

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【行政】
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●トラック運転者の労働時間等の改善基準を見直し/労政審作業部会

 労働政策審議会の自動車運転者労働時間等専門委員会トラック作業部会は8日、
トラック運転者の労働時間等の改善基準の見直しに関する報告案をまとめた。
拘束時間(労働時間と休憩時間)は、1年3,300時間(現行3,516時間から216時間減)、
1か月原則284時間(同293時間から9時間減)、勤務間の休息時間(インターバル時間)は
継続11時間を基本として9時間以上(同8時間)等とする。見直しは、2024年4月から、
トラック運転者の時間外労働について、年960時間等の上限時間が適用されることに
対応するもの。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27781.html
(見直しのポイント)
https://www.mhlw.go.jp/content/11601000/000987085.pdf
(報告案)
https://www.mhlw.go.jp/content/11601000/000987086.pdf

●「全世代型社会保障の構築に向けた今後の進め方」について議論/全世代型社会保障構築本部

 政府は7日、第3回「全世代型社会保障構築本部」を開催し、全世代型社会保障
に関する中間整理等について議論した。総理は議論を踏まえ、「我が国の将来
を支える人材を育む未来への投資として、子育て・若者世代への支援を強化し、
少子化対策に大胆に取り組むことは成長と分配の好循環を実現するためにも重要」
とし、「子ども・子育て支援の充実、医療・介護制度の改革、働き方に中立的な
社会保障制度等の構築」の3テーマについて、年末までの報告の取りまとめを求めた。
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202209/07zensedai.html
(中間整理の概要)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/zensedai_shakaihosho_kochiku/dai3/sankou1.pdf

●使用者による障害者虐待の状況を公表/厚労省

 厚生労働省は7日、障害者を雇用する事業主や職場の上司などの「使用者」による
障害者への虐待の状況や、虐待を行った使用者に対して講じた措置などについて、
2021年度の状況を公表した。虐待が認められた事業所は392事業所で、前年度比2.2%減。
虐待が認められた障害者は502人で、同0.8%増。
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000172598_00007.html
(取りまとめ結果)
https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/000985124.pdf

●「派遣労働者の同一労働同一賃金オンラインセミナー(入門編)」/東京労働局

 東京労働局は9月22日、「派遣労働者の同一労働同一賃金オンラインセミナー
(入門編)」を開催する。主に派遣元事業所において、労働者派遣事業に初めて
従事する方を対象としており、労働者派遣法の法改正、派遣先均等方式・
労使協定方式の概要、労使協定に定めなくてはならない事項について解説する。
受講無料。
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/news_topics/jyukyuuchousei_040922.html

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【統計】
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●2022年4~6月期のGDP実質成長率、年率3.5%増/2次速報値

 内閣府は8日、2022年4~6月期の四半期別GDP(国内総生産)2次速報値
(季節調整済)を公表した。物価変動を除いた実質GDP成長率は前期比0.9%増、
年率換算で3.5%増。1次速報値(前期比0.5%増、年率換算2.2%増)から
上方修正。
https://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/sokuhou/gaiyou/pdf/main_1.pdf
(結果の概要等)
https://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/sokuhou/gaiyou/gaiyou_top.html

●景気の基調判断、「改善を示している」で据え置き/7月景気動向指数

 内閣府は7日、2022年7月の「景気動向指数(速報)」を公表した。景気の現状を示す
「一致指数」は100.6で、前月と比較して1.4ポイント上昇し、2か月連続の上昇。
「耐久消費財出荷指数」「投資財出荷指数」「有効求人倍率(除学卒)」などが
プラスに寄与、「商業販売額(卸売業)」がマイナスに寄与。一致指数の基調判断は、
「改善を示している」で据え置き。
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/di.html
(概要)
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/202207psummary.pdf

●生活保護の申請件数、前年同月比7.2%増/6月被保護者調査

 厚生労働省は7日、生活保護法に基づく「被保護者調査」(2022年6月分概数)
結果を公表した。保護の申請件数は2万881件で、前年同月比1,403件(7.2%)増。
保護開始世帯数は1万7,935世帯で、同923世帯(5.4%)増。被保護世帯は
164万1,044世帯で、同1,575世帯(0.1%)増。被保護実人員は202万3,381人で、
同1万5,657人(0.8%)減。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/hihogosya/m2022/06.html
(報道発表資料)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/hihogosya/m2022/dl/06-01.pdf

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【労使】
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●2022年闘争の評価では「労使の社会的な役割を一定程度果たすことができた」と総括―金属労協の定期大会

 自動車総連、電機連合、JAM、基幹労連、全電線の5産別でつくる金属労協
(JCM、議長:金子晃浩・自動車総連会長、201万8,000人)は6日、Web方式を
併用して定期大会を開催した。大会で確認した今春の賃上げ交渉結果を総括する
「2022年闘争評価と課題」では、賃上げ獲得額が2014年以降で最高となったこと
などから、「JC共闘の回答引き出しによって賃上げの機運を高め、経済再生と
持続的成長軌道の回復に向けて、労使の社会的な役割を一定程度果たすことができた」
などと総括した。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/kokunai/topics/mm/20220909a.html

●秋季・自治体確定闘争に向けた取り組みの柱と重点課題を提示/自治労定期大会

 地方自治体の職員などを主に組織する自治労(川本淳委員長、75万2,000人)は
8月30、31の両日、都内でオンラインと併用の定期大会を開催した。
当面の闘争方針では、自治体労働者の生活を守る賃金・労働条件の確保に向けて、
週休日の振り替えの運用の適正化や給与の引き上げ改定などの闘争の柱と、
労働時間の適正把握、会計年度任用職員の勤務条件改善などを盛り込んだ
重点課題を提示。組織拡大に向けた取り組みでは、新規採用者の組織化状況を
点検するなど未加入者対策の強化をはかるとしている。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/kokunai/topics/mm/20220909b.html

●景気判断指数はプラス10.9からプラス13.2へ上昇/経済同友会

 経済同友会は7日、経営トップ等を対象に実施した2022年9月の「景気定点観測
アンケート調査」結果を発表した。前回調査(6月)と比べて、「緩やかに後退している」
の割合が減少し、「緩やかに拡大している」の割合が微増となったことから、
同友会景気判断指数は10.9から13.2へ上昇した。雇用判断指数はマイナス36.0で、
8期連続の低下(人手不足感の拡大)。円安への対応策(複数回答)は、
「価格転嫁」(50.8%)、「為替リスクヘッジ」(27.7%)など。物価高(資源高)
への対応策(同)は、「価格転嫁」(61.3%)、「固定費削減」(34.8%)など。
https://www.doyukai.or.jp/policyproposals/uploads/docs/220907a.pdf

●女性活躍推進取組事例集「Wのキセキ~女性が輝く職場づくり~」を発行/日商・東商

 日本商工会議所・東京商工会議所は7日、女性活躍推進取組事例集「Wのキセキ
~女性が輝く職場づくり~」を発行した。同事例集は、女性活躍推進に積極的に
取り組んだ結果、新たな成長への原動力を得て、業績の向上につなげた中小企業
6社を取材し、各社の取組の「キセキ(軌跡)」をまとめたもの。また、シンポジウム
「成長戦略としての女性活躍推進~Wのキセキ~」を9月26日に千代田区および
オンラインで開催する。
https://www.jcci.or.jp/news/2022/0907110000.html
(事例集)
https://www.jcci.or.jp/sangyo2/20220907_Wnokiseki.pdf
(シンポジウム)
https://www.jcci.or.jp/news/jcci-news/2022/0808140000.html

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【動向】
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●新型コロナの感染症法上の分類、5割の企業が「5類」相当の運用を希望/民間調査

 帝国データバンクは7日、「新型コロナウイルス感染症の分類見直しに関する企業の
意識調査」結果を発表した。新型コロナの感染症法上の分類について、自社の企業活動を
行う上で望ましい位置づけについて尋ねたところ、季節性インフルエンザなどが該当し
入院の勧告・就業制限などがなくなる「5類相当への運用の見直しが望ましい」が51.1%。
一方で、結核やSARSなどが該当し入院の勧告、就業制限などの措置が行われる「2類相当の
運用のままが望ましい」は12.3%。分類見直しに判断がつかない企業は3割超としている。
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p220903.html
(詳細)
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p220903.pdf

●「会社の成長なくして賃上げは難しい」とする企業経営層は63%/民間調査

 パーソル総合研究所は5日、「賃金に関する調査」結果を発表した。企業の経営層
に対して賃上げに対する考えや状況を聞いたところ、63.0%が「会社の成長なくして
賃上げは難しい」と回答、「賃上げなくして会社の成長は難しい」(6.4%)を上回った。
一方、「賃金アップは投資だ」(38.1%)は「賃金アップはコスト増だ」(18.5%)
を上回り、「賃上げには会社の成長が前提だが、成長への投資として賃上げも必要」
と考える経営層の認識が読み取れるとしている。
https://rc.persol-group.co.jp/news/202209051000.html

●7割以上が改正「育児介護休業法」に対応済み・対応予定/民間調査

 マンパワーグループは5日、本年4月以降、段階的に施行されている
改正「育児・介護休業法」への対応の実態調査結果を発表した。法改正に対する
勤務先企業の対応状況について尋ねたところ、「すでに法定以上の充実を図っている」
(41.3%)、「今後法定以上の充実を図る予定」(33.3%)。法定以上の充実を
図っていると回答した人に法改正に伴う社内制度の充実によって、男性の制度利用者は
増えたか聞いたところ、「増えた」(63.0%)が、「変わらない」(33.3%)を
大きく上回った。
https://www.manpowergroup.jp/client/jinji/surveydata/20220905.html

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【イベント】
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●職場の健康づくりを支援する「健康づくり推進スタッフ養成研修」/中央労働災害防止協会

 中央労働災害防止協会は10月3~4日、「健康づくり推進スタッフ養成研修」を
港区で開催する。職場の健康づくりに携わる方が、集団教育プログラムの作成や
個人へのアプローチの方法について実習を通して学び、健康づくり計画の企画、
改善に役立てる。参加費47,300円。動画事前学習6.5時間。定員40名。
https://www.jisha.or.jp/seminar/health/h3270_staff_yousei.html

●「大阪労働大学講座(労働経済・社会保障分野)」/大阪労働協会

 大阪労働協会は、「大阪労働大学講座 労働経済・社会保障分野」を
大阪市で開催する。日程は9月26日~12月14日までの計12回。労働に関する
法律や経済、福祉等について基礎から専門分野まで体系的に学ぶ。
受講料22,000円。定員50名程度。
https://l-osaka.or.jp/lonews/wp-content/uploads/2022/08/2022roudaikeizaisyakai.pdf

●「事業者向け女性活躍推進講座」/港区立男女平等参画センター

 港区立男女平等参画センターは9月15日と29日、「事業者向け女性活躍推進講座」
をオンラインで開催する。テーマは、「女性の視点からリーダーシップを考える
~日本の女性管理職に関する研究から~」(9月15日)、「経営戦略としての
女性活躍推進~事例から組織を変える取組を考える」(9月29日)。女性の視点
からリーダーシップを学び、経営戦略としての女性活躍推進に必要な取組みや
申請手続き等を学ぶ。参加無料。定員30名(先着順)。
https://www.minatolibra.jp/calendar/?mc_id=553