メールマガジン労働情報 No.1780

■□――【メールマガジン労働情報/No.1780】

「骨太の方針2022」と「新しい資本主義の実行計画」を閣議決定/政府 ほか

―2022年6月8日発行――――――――――――――□■

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  本号の主な内容
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【行政】「骨太の方針2022」と「新しい資本主義の実行計画」を閣議決定/政府 ほか
【統計】4月の現金給与総額、前年同月比1.7%増/毎勤統計速報値 ほか
【労使】平均賃上げ、6,049円(2.09%)、昨年比816円(0.30ポイント)増/連合・第6回集計
【動向】大型連休の人出増加で個人消費関連が持ち直し/民間調査
【海外】ニューヨーク市、求人時の給与情報開示を義務化へ―賃金格差の是正めざす/アメリカ ほか
【イベント】復職・就労支援のための「リワーク」に関する説明会/東京都

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【新型コロナウイルス関連情報】
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☆緊急コラム

「コロナ禍の雇用維持政策を振り返る─諸外国の雇用維持スキームの対応」
                  研究所副所長 天瀬 光二(6月8日)

 謎の感染症の正体が新型コロナウイルスによるものだと判明し、各国が行動制限を
強めた2020年春、いったいどれほどの人が、この厄災がこれほど長引くと実感を持って
予想できていただろうか。もちろん専門家の間には感染は長期化するとの言説が
あったようにも思うが、ほとんどの人がこれほど長期化することを想像できなかった
のではなかろうか。少なくとも筆者にはできなかった。しかし、非日常は長期化し
日常となった。
https://www.jil.go.jp/tokusyu/covid-19/column/028.html

▽最近の更新情報(6月7日更新)

 国内統計:賃金
 https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/covid-19/c10.html

 国内統計:総実労働時間、所定内労働時間、所定外労働時間
 https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/covid-19/c11.html

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【行政】
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●「骨太の方針2022」と「新しい資本主義の実行計画」を閣議決定/政府

 政府は7日、「経済財政運営と改革の基本方針2022」(骨太の方針)、「新しい資本主義の
グランドデザイン及び実行計画」を閣議決定した。首相は、閣議決定に先立ち開催した
経済財政諮問会議、新しい資本主義実現会議の合同会議の議論を踏まえ、骨太方針については
「新しい資本主義の実現に向けた計画的で重点的な投資や規制・制度改革を行い、成長と分配
の好循環を実現する経済財政政策の全体像を示す」ものとし、「新しい資本主義の実行計画」
については、「スタートアップやグリーントランスフォーメーション、資産所得倍増について、
複数年度にわたる具体的なプランを本年中に策定する」などと述べた。
(骨太の方針2022 概要)
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2022/0607/shiryo_04-2.pdf
(骨太の方針2022)
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2022/0607/shiryo_04-1.pdf
(「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」)
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2022/0607/shiryo_01.pdf
(首相官邸)
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202206/07keizai.html

●「女性版骨太の方針2022」について議論/すべての女性が輝く社会づくり本部・男女共同参画推進本部合同会議

 政府は3日、第12回「すべての女性が輝く社会づくり本部」と第22回「男女共同参画推進本部」
の合同会議を開催し、「女性活躍・男女共同参画の重点方針2022(女性版骨太の方針2022)」
について議論した。総理は、議論を踏まえ「『女性の経済的自立』、『女性が尊厳と誇りを持って
生きられる社会の実現』、『男性の家庭・地域社会における活躍』、『女性の登用目標達成』の
4つの柱に基づき、具体策を取りまとめた」とし、『女性の経済的自立』の柱については、
「新しい資本主義の中核と位置付け、男女間賃金格差にかかる情報開示や看護・介護・保育などの
分野の現場で働く方々の収入の引上げ、女性デジタル人材育成プランの実行等、女性の所得向上に
つながる施策を強力に進める」と述べた。
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kagayakujosei/dai12/gijisidai.html
(女性版骨太の方針2022)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kagayakujosei/dai12/siryou2.pdf
(首相官邸)
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202206/03josei.html

●デジタル原則に照らした規制の一括見直しプラン(案)等について議論/デジタル臨時行政調査会

 政府は3日、第4回「デジタル臨時行政調査会」を開催し、デジタル原則に照らした
規制の一括見直しプラン(案)等について議論した。総理は、議論を踏まえ「約1万の
法令を総点検し、本日、約4,000条項の見直し方針を確定」したとし、「残る法令の条項、
さらには3万の通知・通達等も含めて、工程表に沿って見直しを進め、社会のデジタル化を
阻むアナログ的規制を3年間で一掃し、新たな成長産業の創出、人手不足の解消、
生産性の向上や所得の増大等を実現する」などと述べた。
https://www.digital.go.jp/councils/cb5865d2-8031-4595-8930-8761fb6bbe10/
(デジタル原則に照らした規制の一括見直しプラン)
https://www.digital.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/cb5865d2-8031-4595-8930-8761fb6bbe10/e3650360/20220603_meeting_administrative_research_outline_07.pdf
(首相官邸)
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202206/03rinchou.html

●「人権教育・啓発白書」を国会に報告/法務省

 法務省は7日、「令和3年度人権教育及び人権啓発施策」(人権教育・啓発白書)
を国会に報告した。同書は、人権教育及び人権啓発に関する施策の状況、「女性」、「子ども」、
「障害のある人」、「部落差別(同和問題)」、「外国人」、「インターネットによる人権侵害」
等の人権課題の状況や、それらに対する取組、人権に関わりの深い職業に従事する者に対する
研修の実施状況などの施策を報告する内容となっている。「特集」として「『ビジネスと人権』
に関する我が国の取組」等を掲載している。
https://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken04_00246.html
(人権教育及び人権啓発施策の概要)
https://www.moj.go.jp/content/001374233.pdf

●6月は「外国人労働者問題啓発月間」/厚労省

 厚生労働省は毎年6月1日から30日までの1か月間を「外国人労働者問題
啓発月間」と定めている。今年の標語は「共生社会は魅力ある職場環境から
~外国人雇用はルールを守って適正に~」。外国人労働者の就労状況は、
雇用が不安定な場合や、労働・社会保険関係法令が遵守されていない事例などが
見られることや、新型コロナ感染症の水際対策の緩和により、外国人労働者が
一層増加することが見込まれことなどを踏まえ、啓発月間では、ルールに則った
外国人雇用や外国人労働者の雇用維持・再就職援助などについて、積極的な周知・
啓発活動を行うとしている。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25873.html

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【統計】
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●4月の現金給与総額、前年同月比1.7%増/毎勤統計速報値

 厚生労働省は7日、4月の「毎月勤労統計調査」結果(速報、事業所規模5人以上)
を公表した。現金給与総額は、就業形態計で前年同月比1.7%増の28万3,475円、
うち一般労働者が同1.9%増の36万5,411円、パートタイム労働者が同1.0%増の
10万852円。総実労働時間は同0.9%減の142.0時間。うち、所定内労働時間は
同1.5%減の131.3時間、所定外労働時間は同5.7%増の10.7時間。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r04/2204p/dl/pdf2204p.pdf
(統計表等)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r04/2204p/2204p.html

●出生率1.30に低下、出生数は過去最少/2021年人口動態統計

 厚生労働省は3日、2021年「人口動態統計月報年計(概数)」結果を公表した。
合計特殊出生率は1.30(対前年比0.03ポイント低下)、2016年以降低下が続いている。
出生数は81万1,604人(同2万9,231人減少)で過去最少。死亡数は143万9,809人
(同6万7,054人減少)で戦後最多。自然増減数(出生数と死亡数の差)は
マイナス62万8,205人で過去最大の減少。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai21/index.html
(報道発表資料)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai21/dl/gaikyouR3houdou.pdf
(概況)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai21/dl/gaikyouR3.pdf

●景気の基調判断、「改善を示している」で据え置き/4月景気動向指数

 内閣府は7日、2022年4月の「景気動向指数(速報)」を公表した。景気の現状を示す
「一致指数」は96.8で、前月と比較して横ばい。「投資財出荷指数(輸送機械を除く)」
「商業販売額(小売業)」「有効求人倍率(学卒を除く)」などがプラスに寄与、
「輸出数量指数」「鉱工業用生産財出荷指数」「生産指数(鉱工業)」などがマイナスに寄与。
一致指数の基調判断は、「改善を示している」で据え置き。
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/di.html
(概要)
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/202204psummary.pdf

●二人以上世帯の消費支出、前年同月比実質1.7%減/4月家計調査報告

 総務省は7日、4月の「家計調査報告」を公表した。二人以上世帯の1世帯当たりの
消費支出は、実質で前年同月比1.7%減、前月比(季節調整値)1.0%増の30万4,510円。
支出項目別での実質増減へのマイナス寄与は、交通・通信(マイナス1.24%)、住居
(マイナス0.69%)、食料(マイナス0.53%)など5費目、プラス寄与は、教養娯楽(0.48%)、
教育(0.47%)など5費目。勤労者世帯の実収入(二人以上の世帯)は、1世帯当たり
実質で前年同月比3.5%減の53万9,738円。
https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/index.html
(報道発表資料)
https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/pdf/fies_mr.pdf

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【労使】
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●平均賃上げ、6,049円(2.09%)、昨年比816円(0.30ポイント)増/連合・第6回集計

 連合は3日、「2022春季生活闘争・第6回回答集計結果」(5月31日午前10時時点)を
発表した。月例賃金の賃上げは、定昇込み6,049円・2.09%(4,331組合、加重平均)で、
昨年同時期比816円・0.30ポイント増、300人未満の中小組合(3,078組合)は、4,857円・
1.97%で、同526円・0.23ポイント増。賃上げ分が明確に分かる2,073組合の「賃上げ分」は
1,862円・0.63%、うち中小組合1,259組合は1,771円・0.72%で、前回集計の水準を上回ると
ともに、すべての規模区分で昨年同時期比プラスになっている。中小組合は額・率とも
第6回回答集計時点では、賃上げ分の集計を開始した2015年闘争以降で最高。
https://www.jtuc-rengo.or.jp/activity/roudou/shuntou/2022/yokyu_kaito/kaito/press_no6.pdf

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【動向】
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●大型連休の人出増加で個人消費関連が持ち直し/民間調査

 帝国データバンクは3日、TDB景気動向調査(2022年5月調査)結果を発表した。
景気DIは前月比0.4ポイント増の41.2で、3か月連続の改善。大型連休もあり「小売」
「サービス」など9業界が改善した一方、中国ロックダウンの影響で自動車工場の減産、
稼働停止が響いた「製造」は悪化した。国内景気については、「海外情勢の影響を受けた
工場の稼働停止などもみられたが、個人消費関連の持ち直しが続き、3か月連続で
上向いた」とし、「今後は、下振れリスクを多く抱えながらも、緩やかな上向き傾向で
推移すると見込まれる」としている。
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/k220601.html
(詳細)
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/202206_jp.pdf

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【海外】
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●国別労働トピック/JILPT

<アメリカ>
▽ニューヨーク市、求人時の給与情報開示を義務化へ―賃金格差の是正めざす

 ニューヨーク市議会は2021年12月、企業に求人時の給与情報の開示を義務づける
法律を可決した。性別や人種間などに存在する賃金水準の格差是正につなげるのがねらい。
2022年5月15日に施行する予定だったが、準備期間を設ける必要性などから約半年後の
11月1日に延期している。コロラド州など他の地方でもこうした「給与の透明化」
に関する法制化を進めている。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2022/06/usa_01.html

▽米サッカー代表チームの報酬を「男女同一」に

 米国サッカー連盟は5月18日、代表チームで活動する選手の報酬を男女同一にする内容の
新たな労働協約(CBA)の締結に、男女それぞれの選手会と合意した。報酬の格差をめぐっては、
女子代表選手らが2019年3月、同一賃金法および公民権法第7編への違反を主張し、
連邦裁判所に提訴。2022年2月に和解金の支払いと新たなCBAの締結で大筋合意していた。
(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2022/06/usa_02.html

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【イベント】
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●復職・就労支援のための「リワーク」に関する説明会/東京都

 東京都は6月29日、「リワーク」に関する説明会をオンラインで開催する。
「リワーク」とは、心の健康問題により休業した労働者が、職場に復帰する際に
行う準備のこと。第1部の「復職コース」では、紹介動画の視聴、リワークの
特徴を説明し、第2部の「就労/復学・進学コース」では、紹介動画の視聴、
高次脳機能障害者向けプログラムを紹介し、復職・就労のための支援を行う。
対象は、都内企業及び関係機関のメンタルヘルス部門担当者等。職場での
精神保健福祉に関する問題に対して助言・相談も行う。参加無料。
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/chusou/oshirase/deikeasetsumeikai.html