メールマガジン労働情報 No.1779

■□――【メールマガジン労働情報/No.1779】

ものづくり企業における能力開発の現状やデジタル技術の活用状況などを紹介/ものづくり白書 ほか

―2022年6月3日発行――――――――――――――□■

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  本号の主な内容
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【行政】ものづくり企業における能力開発の現状やデジタル技術の活用状況などを紹介/ものづくり白書 ほか
【統計】労働災害の状況、度数率は上昇、強度率は横ばい/労働災害動向調査 ほか
【労使】「労組が社会を動かす牽引役を果たした」と評価する2022春季生活闘争中間まとめを確認/連合の中央委員会 ほか
【動向】テレワーク中心のチームではパフォーマンスが向上/民間調査 ほか
【イベント】「より深く学びたい方のための労働保険・社会保険の実務講座」/大阪労働協会 ほか

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【新型コロナウイルス関連情報】
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▽最近の更新情報(6月2日更新)

 国内統計:売上高、営業利益、経常利益、設備投資
 https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/covid-19/c16.html

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【行政】
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●ものづくり企業における能力開発の現状やデジタル技術の活用状況などを紹介/ものづくり白書

 政府は5月31日、令和3年度「ものづくり基盤技術の振興施策」(ものづくり白書)
を閣議決定した。製造業の就業者数は、約20年間で157万人減少し、全産業に占める
割合も、約20年間で3.4ポイント低下している。製造業における若年就業者数も、
約20年間で121万人減少した。人材育成の問題として、「指導する人材が不足している」
事業所が6割を超え、こうした中で、技能継承のため、「退職者の中から必要な者を
選抜して雇用延長、嘱託による再雇用を行い、指導者として活用している」割合が約6割
となっている。なお「第1部 第4章」では、JILPTの調査研究成果が活用されている。
(厚生労働省Webサイト)
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/newpage_00103.html
(経済産業省Webサイト)
https://www.meti.go.jp/press/2022/05/20220531002/20220531002.html
(ものづくり白書全体版)
https://www.meti.go.jp/report/whitepaper/mono/2022/pdf/all.pdf
▽白書に引用されたJILPTの調査研究成果
 記者発表「ものづくり産業のデジタル技術活用と人材確保・育成に関する調査」結果(5月26日)
https://www.jil.go.jp/press/documents/20220526.pdf

●基本方針(案)を取りまとめ/デジタル田園都市国家構想実現会議

 政府は1日、第8回「デジタル田園都市国家構想実現会議」を開催し、基本方針(案)
を取りまとめた。同基本方針(案)では、全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる社会」
を目指して、デジタルインフラを急速に整備し、官民双方で地方におけるデジタル
トランスフォーメーション(DX)を積極的に推進するとしている。具体的な取組方針として、
人口減少・少子高齢化などの解決すべき地方の社会課題に対して、中小・中堅企業DX等により
「地方に仕事をつくる」こと、「転職なき移住」の推進等により「人の流れをつくる」こと
などを推進し、これらを通じて2024年度末までにデジタルの実装に取り組む地方公共団体
1,000団体の達成を目指すとしている。
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digital_denen/dai8/gijisidai.html
(デジタル田園都市国家構想基本方針(案)の全体像)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digital_denen/dai8/shiryou1.pdf
(デジタル田園都市国家構想基本方針(案))
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digital_denen/dai8/shiryou3.pdf
(首相官邸)
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202206/01digitaldenen.html

●労働者協同組合法の施行に向けた指針、通達等を公表/厚労省

 厚生労働省は5月27日、労働者協同組合法(2022年10月1日施行)の施行令、
施行規則、指針の公布にあわせて、同法の趣旨や内容に関する通知
(雇均発0527第1号等)を公表した。労働者協同組合は、出資者である組合員が、
自ら事業に就労し、運営に関与することを基本原理とする組織。指針は「雇用労働」
とは異なる「協同労働」による組織のあり方などを明らかにしている。
厚労省では、今後、相談窓口やWEBサイトを開設し、制度の周知を図る予定。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_14982.html
(労働者協同組合法 概要)
https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/000704106.pdf
(指針)
https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/000943007.pdf
(労働者協同組合法の施行、雇均発0527第1号)
https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/000943009.pdf
(労働者協同組合法の施行に当たり留意すべき事項、基発0527第1号・職発0527第1号・雇均発0527第3号)
https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/000943010.pdf

●2021年の職場での熱中症による死傷者数、前年比41%減/厚労省

 厚生労働省は5月31日、2021年「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」
(確定値)を公表した。職場での熱中症による死傷者(死亡・休業4日以上)は
561人(前年比398人・41%減)、うち死亡者数は20人(同2人・10%減)。
過去3年の状況と比較すると、死傷者数、死亡者数ともいずれの年よりも下回った。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25950.html

●公益事業に関する争議行為予告を公表/厚労省

 厚生労働省は5月30日、「公益事業に関する争議行為の予告」についての
情報を更新した。新たな予告は4件(業種は貨物1件、航空2件、医療1件)で
要求事項は、夏季一時金等3件、賃金引上げ等1件。労働関係調整法は、
運輸事業、郵便・電気通信事業、水道、電気、ガス事業、医療・公衆衛生事業
については、都道府県にまたがる争議行為を行う場合、中央労働委員会と
厚生労働大臣への通知を義務付けている。
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudouseisaku/sougikoui/index.html

●「未来人材ビジョン」を公表/経産省

 経済産業省は5月31日、未来を支える人材を育成・確保するための大きな方向性と、
今後取り組むべき具体策を示した「未来人材ビジョン」を公表した。同ビジョンでは、
将来の労働需要の変化を推計した上で、社会システム全体を見直す大きな方向性として、
「旧来の日本型雇用システムからの転換」と「好きなことに夢中になれる教育への転換」
の2つに整理し、今後取り組むべき具体策を示している。
https://www.meti.go.jp/press/2022/05/20220531001/20220531001.html
(未来人材ビジョン)
https://www.meti.go.jp/press/2022/05/20220531001/20220531001-1.pdf

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【統計】
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●労働災害の状況、度数率は上昇、強度率は横ばい/労働災害動向調査

 厚生労働省は5月31日、「労働災害動向調査」結果を公表した。2021年の
労働災害の状況(事業所規模100人以上)を調査産業計でみると、度数率
(災害発生の頻度)は2.09(前年1.95)、強度率(災害の重さの程度)は0.09
(同0.09)、死傷者1人平均労働損失日数は41.0日(同44.5日)。
無災害事業所の割合は55.0%(同57.3%)。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/saigai/21/
(結果の概要)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/saigai/21/dl/2021kekka.pdf
(報道発表資料)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/saigai/21/dl/2021houdou.pdf

●生活保護の申請件数、前年同月比13.4%減/3月被保護者調査

 厚生労働省は1日、生活保護法に基づく「被保護者調査」(2022年3月分概数)
結果を公表した。保護の申請件数は1万9,793件で、前年同月比3,055件(13.4%)減。
保護開始世帯数は1万7,751世帯で、同2,585世帯(12.7%)減。被保護世帯は
164万2,821世帯で、同1,285世帯(0.1%)増。被保護実人員は203万6,045人で、
同1万7,226人(0.8%)減。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/hihogosya/m2022/03.html
(報道発表資料)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/hihogosya/m2022/dl/03-01.pdf

●民営事業所数は約508万事業所、従業者数は5,746万人/経済センサス活動調査

 経済産業省は5月31日、「2021年経済センサス活動調査」結果(速報)を公表した。
民営事業所数は507万9,000事業所、従業者数は5,745万8,000人。産業大分類別に
従業員数をみると、「卸売業・小売業」(全産業の20.0%)が最多、次いで「製造業」
(同15.4%)、「医療,福祉」(同14.2%)など。同調査は、国内全ての事業所・企業
を対象として、日本の全産業分野の売上(収入)金額や費用等の経理事項を取りまとめたもの。
https://www.meti.go.jp/press/2022/05/20220531005/20220531005.html
(結果の概要)
https://www.meti.go.jp/press/2022/05/20220531005/20220531005-1.pdf

●海外現地法人数、欧州で増加、北米とアジアで減少/経産省調査

 経済産業省は5月30日、第51回「海外事業活動基本調査」(2021年7月調査)
結果を公表した。2020年度末における海外現地法人数は2万5,703社、
地域別では、欧州で増加、北米とアジアで減少し、アジアではASEAN10の
割合が10年連続で拡大、中国の割合は縮小している。現地法人の従業者数は
563万人で、前年度比0.2%の減少。地域別では、欧州、アジアが増加、
北米が減少し、アジアでは中国、ASEAN10が減少、その他アジアが増加となった。
https://www.meti.go.jp/press/2022/05/20220530001/20220530001.html
(調査結果の概要)
https://www.meti.go.jp/press/2022/05/20220530001/20220530001-1.pdf

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【労使】
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●「労組が社会を動かす牽引役を果たした」と評価する2022春季生活闘争中間まとめを確認/連合の中央委員会

 連合(芳野友子会長、687万8,000人)は1日、千葉県・浦安でオンライン方式を併用して
中央委員会を開催し、2022春季生活闘争の中間まとめを確認した。平均賃金方式での
賃上げ率が2.10%と昨年同時期を0.29ポイント上回り、中小組合の賃金改善分などの
「賃上げ分」は額・率ともに、集計開始(2015闘争)以降で最高となっている。
中間まとめは、「労働組合が社会を動かしていく『けん引役』として一定の役割を
果たした」と評価した。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/kokunai/topics/mm/20220603.html

●4月の業況DI、活動回復で個人消費が持ち直して改善/日商

 日本商工会議所は5月31日、「商工会議所LOBO(早期景気観測)調査」結果を発表した。
5月の業況DI(全産業合計)はマイナス20.4で、前月比5.3ポイントの上昇。外食・
宿泊関連のサービス業、百貨店・土産品販売等の小売業で業況が改善し、個人消費の
回復により、卸売業も業況が改善した。一方、資源・資材価格の高騰・供給不足の
長期化により、製造業は改善するもその動きは鈍く、建設業では業況悪化が継続した。
資源・資材価格の高騰スピードは速く、増加したコストに見合う価格転嫁は行えていない。
価格転嫁の遅れは引き続き企業の収益回復の足かせとなっているものの、活動回復による
個人消費の持ち直しに下支えされ、中小企業の景況感は改善の動きが見られたとしている。
https://www.jcci.or.jp/news/2022/0531110118.html

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【動向】
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●テレワーク中心のチームではパフォーマンスが向上/民間調査

 アデコグループジャパンは5月31日、「コロナ禍での部下のマネジメント
に関する調査」結果を発表した。テレワーク中心のチームの管理職について、
30.0%がコロナ禍で部下のパフォーマンスが「向上した」(5.4%)、または
「どちらかと言えば向上した」(24.6%)と回答。一方、出社中心のチームの
管理職は17.6%(「向上した」1.6%、「どちらかと言えば向上した」16.0%)で、
10ポイント以上の違いがあった。
https://www.adeccogroup.jp/pressroom/2022/0531_01

●ダイバーシティ採用を導入している企業は4割超/民間調査

 マンパワーグループは5月30日、企業の人事担当者を対象とした「ダイバーシティ採用」
の実態に関する調査結果を発表した。ダイバーシティ採用を導入している企業は42.5%、
積極的に採用している人材は、「女性または男性(社内構成比の少ない方の性別)」
(62.4%)が最多、次いで「障がい者」(49.4%)、「高度外国人材」(30.0%)、
「シニア」(27.1%)など。採用を推進する目的は、「優秀な人材を雇用するため」
(64.1%)が最多、次いで「働きやすい職場づくりのため」(52.9%)、「多様化する
市場に対応するため」(50.6%)など。
https://www.manpowergroup.jp/client/jinji/surveydata/20200530.html

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【イベント】
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●「より深く学びたい方のための労働保険・社会保険の実務講座」/大阪労働協会

 大阪労働協会は7月5、8日の2日間、「より深く学びたい方のための労働保険・
社会保険の実務講座」を大阪市で開催する。入門講座を受講済の方、または同等の
知識のある方等を対象に、「ダブルワークの保険手続き」、「外国人の保険手続き」、
「電子申請」などのテーマを中心に、その他の関連情報について、問題演習を交えながら、
より深く学び、実務に活かす。受講料8,000円(テキスト代込み)。定員100名。
https://l-osaka.or.jp/lonews/l-osaka_news/20220705kouza/

●「個別労働紛争解決研修」(基礎研修・応用研修)/全基連

 全国労働基準関係団体連合会(全基連)は、「個別労働紛争解決研修」を
オンラインまたは会場(東京・大阪)で開催する。紛争解決のための基本的能力を
身に付ける「基礎研修」と、複雑化・多様化する紛争に適切に対応するための
実践的な能力を身に付ける「応用研修」で構成。日程は6月~来年2月
(基礎研修13回、応用研修10回)。受講料は基礎研修27,500円、
応用研修20,350円(教材費込み)。
(基礎研修)
https://www.zenkiren.com/jutaku/tabid273.html
(応用研修)
https://www.zenkiren.com/jutaku/tabid287.html

●セミナー「テレワークのお悩み解決!テレワークでの人材育成と労務管理について」/東商

 東京商工会議所は、セミナー「テレワークのお悩み解決!テレワークでの人材育成と
労務管理について」をオンラインで開催する。配信期間は6月7日~7月29日。
すでにテレワークを実施している企業を対象に、テレワークにおける人材育成、
労務管理に関する課題や、それを解決するヒントを解説する。テレワークを実施
する際に活用できる補助金等の施策も紹介する。参加無料(非会員でも受講可)。
https://myevent.tokyo-cci.or.jp/detail.php?event_kanri_id=200285

●「調査研究に対する助成」の申請を受け付け/労働問題リサーチセンター

 公益財団法人労働問題リサーチセンターでは、2022年度「調査研究に対する助成」
の申請を受け付けている。労働問題に関する調査研究のうち、社会的に有意義で
発展性があると財団が認めるものに対して、個人研究、共同研究を問わず助成を行う。
申込締切は2022年6月20日(当日消印有効)。
https://www.lrc.gr.jp/subsidize