内閣改造により、アボット職場関係省長官は保健省長官に
―労使関係改革は行き詰まりか
ハワード首相は、閣僚の辞任やスキャンダルなどを受け2003年9月に内閣改造を行った。これによりアボット職場関係省長官は保健省長官に横滑りし、職場関係省長官にはケビン・アンドリュース氏が就任した。
今回の内閣改造の背景には、いわゆる第2次労使関係改革の大半が上院で頓挫する中で、実行力では定評があるアボット長官をいつまでも望みの薄い労使関係改革に従事させるのでなく、現時点で最大の懸案である医療制度改革に充てたいとの意図があったと思われる。そのため今回の改造人事が、労使関係改革の終了を意味すると捉える者もいる。
アンドリュース新長官はその横顔が十分に知られておらず、ただ非常に信心深く、保守的な法律家で、伝統的な家庭中心の価値観を支持しているといわれている。従って、労使関係改革についてさらなる強硬策がとられる可能性は低いと見られている。
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