メールマガジン労働情報 No.2066

■□――【メールマガジン労働情報/No.2066】

「男女共同参画の視点から見た魅力ある地域づくり」を特集/男女共同参画白書 ほか

―2025年6月18日発行――――――――――――――□■

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  本号の主な内容
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【行政】「男女共同参画の視点から見た魅力ある地域づくり」を特集/男女共同参画白書 ほか
【統計】4月の生産指数、前月比1.1%低下/鉱工業指数確報
【労使】育児と就労の両立に向けて提言/経済同友会 ほか
【企業】「ハイブリッドワーク」など働き方刷新策を発表/カルビー
【海外】外国人労働者の正規雇用可否の指標となる「人手不足職種リスト」を更新/フランス
【イベント】「アサーティブ・コミュニケーション講座」を開催/神奈川県労働福祉協会 ほか

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【JILPTからのお知らせ】
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◇『労働関係法規集2025年版』好評発売中!
【B6判変型1,332頁 定価:1,980円(本体1,800円) 3月14日刊行】
https://www.jil.go.jp/publication/ippan/houkishu.html

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【行政】
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●「男女共同参画の視点から見た魅力ある地域づくり」を特集/男女共同参画白書

内閣府は13日、2025年版『男女共同参画白書』を公表した。特集「男女共同参画の視点から見た魅力ある地域づ
くり」では、若い世代が地域から転出後、都市に留まり戻らない傾向が強くなっていると指摘。地域を離れた理
由としては、男女ともに「希望する進学先が少なかった」「やりたい仕事や就職先が少なかった」などが挙がり、
男性に比べ女性は「地元から離れたかった」「親や周囲の人の干渉から逃れたかった」の割合が高かった。背景
にある固定的な性別役割分担意識や伝統的な価値観が地域での生きづらさにつながっていると分析している。
白書に多数引用されている「令和6年度 地域における女性活躍・男女共同参画に関する調査」には、JILPT高見
具広主任研究員が委員として参画、分析結果の総評、個票データ分析に基づくレポート「地方における固定的な
性別役割分担意識と人材還流の課題」において、大都市に若者が集まる構造を大きく変えることは難しいとしつ
つ、若者の地域定着・還流のためには、地域企業の魅力・認知度を高めていくことが重要と指摘している。
▽概要版
https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/index.html
▽全体版
https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/r07/zentai/pdfban.html
▽『令和6年度 地域における女性活躍・男女共同参画に関する調査報告書』
https://www.gender.go.jp/research/kenkyu/kenkou_r06.html
(分析結果の総評)
https://www.gender.go.jp/research/kenkyu/pdf/kenkou_r06/08.pdf
(「地方における固定的な性別役割分担意識と人材還流の課題」)
https://www.gender.go.jp/research/kenkyu/pdf/kenkou_r06/09.pdf

●「新しい資本主義のグランドデザイン」「骨太の方針」など決定/政府

政府は13日、第8回経済財政諮問会議・第36回新しい資本主義実現会議の合同会議を開催し、「新しい資本主義
のグランドデザイン及び実行計画2025年改訂版」「経済財政運営と改革の基本方針2025(骨太の方針)」を決定
した。「実行計画2025年改訂版」は、賃上げが成長戦略の要として2029年度までの5年間で実質賃金年1%の
上昇をノルム(社会通念)として定着させ、賃上げと投資がけん引する成長型経済」を実現するとし、「中小企
業・小規模事業者の賃金向上推進5か年計画」において、経営変革と賃上げ環境整備の政策を推進するとしてい
る。骨太の方針では、「今日より明日はよくなる」社会に向け、「賃金向上推進5か年計画」に加え、リスキリ
ング支援の強化やジョブ型人事の普及、女性活躍推進など、構造的な賃上げを見据えた三位一体の労働市場改革
等を提起した。
▽新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2025年改訂版
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/index.html#2025_head
▽骨太の方針2025
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/honebuto/2025/decision0613.html
▽骨太の方針2025(概要)
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/honebuto/2025/summary_ja.pdf
(首相官邸ウェブサイト)
https://www.kantei.go.jp/jp/103/actions/202506/13keizai_shihon.html

●基調判断「緩やかに回復」を維持/6月・月例経済報告

政府は11日、6月の「月例経済報告」を公表した。基調判断は「景気は、緩やかに回復しているが、米国の通商
政策等による不透明感がみられる。」との前月判断を維持。先行きについては、「雇用・所得環境の改善や各種
政策の効果が緩やかな回復を支えることが期待されるが、米国の通商政策の影響による景気の下振れリスクが
高まっている。」とし、加えて、物価上昇の継続による消費者マインドの下振れ等が景気を下押しリスクとした。
個別判断では、「企業収益」を「改善している」から「改善しているが、通商問題が及ぼす影響等に留意する必
要がある」に変更した。雇用情勢は、「改善の動きがみられる」で据え置き。
https://www5.cao.go.jp/keizai3/getsurei/2025/0611getsurei/main.pdf
▽首相官邸
https://www.kantei.go.jp/jp/103/actions/202506/11getsurei.html

●65歳以上の就業動向など分析、25年版「高齢社会白書」/内閣府

内閣府は10日、2025年版「高齢社会白書」を公表した。2024年10月1日現在の65歳以上人口が占める割合(高齢
化率)は29.3%に増加。65歳以上人口と15~64歳人口の比率を見ると、1950年には65歳以上1人に対して現役世
代(15~64歳)12.1人がいたのに対し、2024年には現役世代2.0人、2070年には現役世代1.3人になると見込まれ
る(p.5)。65歳以上の就業者数は21年連続で上昇し、就業率も「65~69歳」53.6%、「70~74歳」35.1%と10
年前と比べて13.5ポイント、11.1ポイント上昇した(p.19)。収入のある仕事をしている60歳以上の者の約3割

が「働けるうちはいつまでも」働きたいとしており、70歳くらいまで又はそれ以上との回答と合計すれば、約8
割が高齢期にも高い就業意欲を持っている(p.21)。
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/index-w.html
▽全体版
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2025/zenbun/07pdf_index.html

●バス・タクシー運転者の日本語能力、要件緩和を提示/政府有識者会議

出入国在留管理庁の「特定技能制度及び育成就労制度の基本方針及び分野別運用方針に関する有識者会議」は11日、
バス・タクシー運転者に係る日本語能力要件等について議論した。自動車運送業分野では運転者不足によるバスの
減便・廃止やタクシー運転者の減少が加速しているとして、「日本語サポーター」の同乗義務を前提に、日本語
能力試験の合格基準を「N3」(日常生活である程度のコミュニケーション能力があるとされる)から「N4」に引き下
げる案を提示。このほかに、特定技能制度等に新たに追加する分野として「リネンサプライ」「物流倉庫」
「廃棄物処理業」を挙げ、各分野の人手不足の状況と追加の必要性を示している。
https://www.moj.go.jp/isa/03_00143.html

●24年度大学発ベンチャー実態等調査の結果を取りまとめ/経産省

経済産業省は6日、2024年度「大学発ベンチャー実態等調査」の結果を取りまとめた。24年10月時点の大学発
ベンチャー数は前年度の4,288社から786社増加の5,074社で、企業数、増加数ともに過去最高を更新した。
大学別では東京大学が最多だった。過去3年で新規増加した1,292件のうち約57%が東京都以外で創業されて
おり、地方の創業割合が高くなっている。
https://www.meti.go.jp/press/2025/06/20250606004/20250606004.html

●専門高校の魅力を発信、ホームページ「すごいぞ!専門高校」を開設/文部科学省

文部科学省は10日、小中学生やその保護者に向けて専門高校の魅力を発信するホームページ「すごいぞ!専門高校」
を開設した。中学生の進路指導での活用を想定し、「身近な職業マップ」では、興味のある職業をクリックすると
関連する専門高校の情報にアクセスできるほか、実習の様子や卒業生インタビューなどのショート動画など、楽し
く視覚的に触れることができる。
https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/mext_01531.html
▽専門高校とは?身近な職業マップ等
https://www.mext.go.jp/sugoizo_senmonkoukou/index.html#sec_01

●「次代を担う組織・人材のためのPPP/PFI研修」を開催/国交省

国土交通省は、公共施設等の建設、維持管理、運営等に民間の資金、経営及び技術的能力を活用する手法「PPP/PFI」
をテーマしたオンライン研修を実施する。ボトムアップで官民連携を実践した行政職員らによる連続講義のほか、
トップダウンで組織改革を実施した首長による講義、トークセッションなどを予定。主対象は全国の地方公共団体職員
で接続数の上限以内で民間事業者等も参加可能。
ボトムアップ編:7月7日(月)13:30~16:00
トップダウン編:7月29日(火)13:30~15:30
https://www.mlit.go.jp/report/press/sogo21_hh_000272.html

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【統計】
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●4月の生産指数、前月比1.1%低下/鉱工業指数確報

経済産業省は13日、4月の「鉱工業指数(生産・出荷・在庫、生産能力・稼働率)」確報値を公表した。生産指
数(季節調整済)は101.3(前月比1.1%低下)で3カ月ぶりの低下。業種別で低下したのは「生産用機械工業」
「食料品・たばこ工業」「化学工業(除く無機・有機化学工業)」等。上昇は「電子部品・デバイス工業」
「汎用・業務用機械工業」等。出荷は前月比0.1%の上昇。在庫は0.8%、在庫率は0.6%のいずれも低下。速報に
比べ、生産、出荷、在庫、在庫率のすべてで下方修正した。
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-1.html
▽概要
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/press/b2020_202504kj.pdf

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【労使】
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●育児と就労の両立に向けて提言/経済同友会

経済同友会は10日、政策提言「社会全体で育み、活力ある未来を共創する~多様な働き方を支える「真の共働き・
共育て社会」の確立へ~」を発表した。育児と就労の両立に向けた制度は整備されつつあるものの、「学童保育
の預かり時間制約(いわゆる「小1の壁」)」「企業ごとの育児支援制度の格差」などの「制度があっても使え
ない」社会構造が少子化の進行に拍車をかけていると指摘。政府と企業が一体となり、保育人材の確保と外国人
保育士の受け入れ等の「規制改革」、学童保育における「小1の壁」対策等の「制度改革」、第3号被保険者制
度の廃止を含めた「年収の壁」の見直し等の「税制改革」の3側面から改革の具体策を提言した。
https://www.doyukai.or.jp/policyproposals/2025/2506010.html

●「骨太の方針」「新しい資本主義のグランドデザイン」についてコメント/東京商工会議所

東京商工会議所は13日、「骨太の方針2025」「新しい資本主義のグランドデザイン 及び実行計画2025年改訂版」
の閣議決定について、会頭コメントを公表した。「中小企業」と「地域」に重点を置き、具体的な対策が示され
たことを高く評価するとしたうえで、多くの中小企業は収益確保に苦しんでおり、原資となる付加価値確保に向
け、価格転嫁が適切に行える商習慣の定着を図ることを求めた。また、「中小企業・小規模事業者の賃金向上推
進5か年計画」について、省力化投資促進プランは生産性向上に有効とし、商工会議所の経営支援体制強化につ
いて国と地方の協力の下に予算の充実を求めるなどとした。
https://www.tokyo-cci.or.jp/page.jsp?id=1206230

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【企業】
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●「ハイブリッドワーク」など働き方刷新策を発表/カルビー

カルビーは9日、利用日数・場所の制限がない「モバイルワーク」から、出社とモバイルワークを柔軟に組み合
わせた新たな働き方「ハイブリッドワーク」への移行を発表した。社員は業務の性質や生みだされる成果か
ら逆算して働き方を選択できるほか、上司が必要と判断した際は出社を促すことで、対話重視のリアルコミュニ
ケーションも図る。あわせて、本社オフィス増床や申請型の遠隔勤務制度(通称:スマートワーク)などの働き
方刷新策も実施、多様性を尊重した全員の活躍を推進する。
https://www.calbee.co.jp/newsrelease/250609a.php

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【海外】
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●国別労働トピック/JILPT
<フランス>外国人労働者の正規雇用可否の指標となる「人手不足職種リスト」を更新

外国人労働者の雇用・採用の可否の基準となる人手不足職種リストが4年ぶりに全面的に更新された。このリスト
は地域圏別に作成されており、農業、飲食業、宿泊業など、人材が不足している81の職種(職業名)をリスト
アップ。多くの地域圏が農業関連などの職種を新たに追加している。雇用主の人手不足解消への期待が高い一方で、
実務の現場では人手不足であるにもかかわらず、リストから漏れた業種・職種があるため、その業界の雇用主から
は不満の声があがっている。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2025/06/france_01.html

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【イベント】
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●「アサーティブ・コミュニケーション講座」を開催/神奈川県労働福祉協会

神奈川県労働福祉協会は7月24日(木)に「アサーティブ・コミュニケーション講座」をライブ配信で開催する。
日常業務で活用できる、アサーティブ・コミュニケーションの根底にあるマインドと実践的なコツを紹介。講義
翌々日から、オンデマンド配信もあり(2カ月間視聴可)。受講料8,250円。要事前申込。
https://www.zai-roudoufukushi-kanagawa.or.jp/assertive_communication.html

●講演会「持続可能な社会の実現に向けて―大阪・関西万博を通じた『ビジネスと人権の取り組み』―」/ジェトロ・アジア経済研究所、ジェトロ大阪本部

ジェトロ・アジア経済研究所、ジェトロ大阪本部は6月26日(木)、講演会「持続可能な社会の実現に向けて―
大阪・関西万博を通じた『ビジネスと人権の取り組み』―」を大阪市・中央区で開催する。万博における持続可
能性に配慮した調達コードに基づく取組みの紹介や、中小企業が実効性のある人権デューディリジェンスを実施
するための、実践例の紹介、「持続可能なサプライチェーンと人権尊重」をテーマにしたパネルディスカッション
を予定している。
https://www.osaka.cci.or.jp/event/seminar/202505/D11250528022.html

●セミナー「外交官×弁護士―外務省で働く弁護士の横顔―」/日本弁護士連合会

日本弁護士連合会は6月26日(木)、国際公務分野でのキャリアに関心のある人を対象にセミナー「外交官×弁
護士―外務省で働く弁護士の横顔―」をオンラン開催する。外務省で活躍している弁護士が日々の業務ややりが
いを紹介するほか、パネルディスカッションも予定。
https://www.nichibenren.or.jp/event/year/2025/250626.html