メールマガジン労働情報 No.1909

■□――【メールマガジン労働情報/No.1909】

23年版「過労死等防止対策白書」を公表/厚労省 ほか

―2023年10月18日発行――――――――――――――□■

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  本号の主な内容
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【行政】23年版「過労死等防止対策白書」を公表/厚労省 ほか
【統計】95%が1年前と比べ「物価上昇を実感」/日銀アンケート調査 ほか
【労使】全世代型社会保障の実現に向け提言/経団連
【動向】2024年問題の影響、6割の企業が「マイナス」と回答/民間調査 ほか
【企業】パートを含む全従業員の副業を解禁/佐賀共栄銀行
【イベント】シンポジウム「共に支え合う連帯社会の構築をめざして」/連合総研ほか

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【JILPTからのお知らせ】
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★任期付研究員の募集について(2024年度採用)

労働政策研究・研修機構では、任期付研究員を募集します。応募書類の提出期限は2023年11月10日(金曜)必着です。
https://www.jil.go.jp/information/koubo/kenkyuin/2023/07.html

★蔵書データベース一時停止のご案内

労働政策研究・研修機構蔵書データベースは、メンテナンスのため下記の時間、一時停止
いたします。ご了承ください。
2023年10月25日(水)10:00~13:00
▽https://www.jil.go.jp/db/index.htmlhttps://www.jil.go.jp/lib/index.html

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【行政】
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●23年版「過労死等防止対策白書」を公表/厚労省

厚生労働省は10月13日、「2023年版過労死等防止対策白書」を公表した。
同白書は、労災認定事案の分析、就業者へのアンケート調査結果、疫学研究等の分析結果から、
「睡眠の不足感が大きいと疲労の持ちこし頻度が高くなり、うつ傾向・不安を悪化させ、
主観的幸福感も低くなる傾向があること」を指摘。
芸術・芸能分野における働き方の実態や、メディア業界や教職員の労災事案の分析結果等についても報告している。
このほか、企業や自治体の働き方改革事例やメンタルヘルス対策、産業医の視点による過重労働防止の課題など、
過労死等防止対策のための取組事例のコラムを多数紹介している。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_35671.html

●労基法上の「労働者」概念、変化に応じたあり方検討も必要/厚労省研究会報告

厚生労働省は13日、新しい時代の働き方に関する研究会報告書をとりまとめた。
働き方や職業キャリアに関するニーズの多様化を踏まえ、時代に即した労働基準関係法制度の方向性を検討する視点として、
「働く人の健康確保」「働く人の選択・希望の反映が可能な制度」など7つを示し、「労働基準法制における過半数代表者や
労使委員会の実効性を点検した上で、多様・複線的な集団的な労使コミュニケーションの在り方について検討することが必要」、
「フリーランスやリモートワークの広がりなどを考慮し、『労働者』『事業』『事業場』等の労働基準法制における
基本的概念についても、経済社会の変化に応じてあり方を考えていくことが必要」などと指摘している。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_35725.html

●「人手不足解決・賃上げ・投資拡大」の実現に向け議論/規制改革推進会議

政府は16日、規制改革推進会議を開催し、同会議の進め方や重要課題について議論した。
首相は議論を踏まえ、「人手不足解決、賃上げ、投資の拡大を実現する規制・制度改革を進める」とした上で、
「まずは、物流や医療・介護分野の人手不足に対応し、ドローンの無人地帯における目視外飛行の事業化、
オンライン診療の拡大や在宅医療提供体制の充実、医療・介護従事者の常勤・専任規制の見直し等の課題について、
経済対策に向けて検討を加速していく」などと述べた。
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202310/16kiseikaikaku.html
▽配布資料
https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/committee/231016/agenda.html

●雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱を諮問/厚労省

厚生労働省は12日、労政審雇用環境・均等分科会を開催し、雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱を諮問した。
「年収の壁・支援強化パッケージ」の実施に向け、雇用保険法に基づくキャリアアップ助成金制度の見直しを行うもの。
「106万円の壁」への対応として、同助成金に「社会保険適用時処遇改善コース」を新設。
短時間労働者が被用者保険の適用となる際、労働者の収入を増加させる取組、または賃上げと労働時間の延長を
組み合わせる取組等を行った事業主に対し、労働者1人当たり最大50万円を助成。
申請上限人数を撤廃し、2026年3月末までの暫定措置とする。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_35742.html
▽概要
https://www.mhlw.go.jp/content/11901000/001155684.pdf
▽説明資料
https://www.mhlw.go.jp/content/11901000/001155685.pdf

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【統計】
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●95%が1年前と比べ「物価上昇を実感」/日銀・生活意識アンケート調査

日本銀行は13日、生活意識に関するアンケート調査(第95回・2023年9月)の結果を発表した。
現在の景況感DI(「良くなった」-「悪くなった」)はマイナス42.5で前回(6月)調査より6.6ポイント悪化。
暮らし向きDI(「ゆとりが出てきた」-「なくなってきた」)はマイナス54.3で8回連続で悪化。
雇用環境については、「1年後をみた勤め先での雇用・処遇の不安」を「あまり感じない」が減少し、「かなり感じる」が増加した。
雇用環境DI(「不安をあまり感じない」-「かなり感じる」)はマイナス8.7で前回比3.8ポイント悪化。
物価に対する実感(1年前対比)は、「かなり上がった」が68.4%、「少し上がった」が27.1%で、95.5%が物価上昇を実感している。
https://www.boj.or.jp/research/o_survey/data/ishiki2310.pdf

●8月の生産指数、前月比0.7%低下/鉱工業指数確報

経済産業省は16日、8月の「鉱工業指数(生産・出荷・在庫、生産能力・稼働率)」確報値を公表した。
生産指数(季節調整済)は103.1で前月比0.7%の低下。出荷(同0.3%)、在庫(同1.3%)、在庫率(同1.0%)のいずれも低下した。
確報と速報を比べると、生産、出荷は下方修正、在庫、在庫率は上方修正。生産の下方修正は、医薬品、コーヒー飲料等による。
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-1.html
▽概要冊子
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/press/b2020_202308kj.pdf

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【労使】
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●全世代型社会保障の実現に向け提言/経団連

経団連は17日、「中長期視点での全世代型社会保障の議論を求める」と題する提言を発表した。
人口減少・高齢化が進む中でサービス提供そのものの確保等が懸念される医療・介護に焦点を当て、
目指すべき姿と改革の方向性を提示。年金については、「社会の担い手」を増やすために、被用者保険の適用拡大を推進し、
中長期的には第3号被保険者制度の見直しが必要だと指摘。
企業の果たすべき重要な役割に、積極的な国内設備投資・研究開発投資、「人への投資」促進、中小企業も含めた
構造的な賃金引上げへの取組などを挙げ、担い手の確保には、女性や高齢者が働き続けられるような環境整備が重要としている。
https://www.keidanren.or.jp/policy/2023/068.html

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【動向】
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●2024年問題の影響、6割の企業が「マイナス」と回答/民間調査

東京商工リサーチは16日、「2024年問題に関するアンケート」調査結果を発表した。
「2024年問題」が会社経営に及ぼす影響を尋ねたところ、「大いにマイナス」19.3%、「どちらかというとマイナス」42.5%で、
「マイナス」影響が6割以上になった。産業別での「マイナス」回答比率は、卸売業(73.0%)がトップ、
次いで、時間外労働の上限が規制される運輸業(72.7%)と建設業(69.3%)が続く。「マイナス」の影響としては、
建設業と運輸業では「稼働率低下による利益率の悪化」(57.5%)、「人件費の増加」(44.4%)など。

一方、「プラス」と回答した企業割合が最も高かったのは、運輸業(8.5%)。「悪い面ばかりが多く連想される「2024年問題」だが、
長時間労働が常態化したドライバーの労働環境の改善につながる。こうした側面から「プラス」と捉える企業も散見された」と指摘している。
https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1198074_1527.html

●企業に応募する際、"給与以外"で重視した項目は「勤務地」がトップ/民間調査

マンパワーグループは11日、社会人1~3年目の男女400名を対象に、「企業の新卒採用早期化の実態調査」を発表した。
企業に応募する際に"給与以外"で重視した点トップ3は、「勤務地」(52.0%)、「待遇・福利厚生」(50.0%)、
「会社の業種・業態」(48.5%)。一方、「働き方の柔軟性」(33.8%)は14の選択肢中の6番目、「残業が少ない」(24.5%)は9番目、
「キャリアパス」(11.3%)は11番目と、重視度は中位以下となった。
https://www.manpowergroup.jp/company/press/2023/20231011.html

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【企業】
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●パートを含む全従業員の副業を解禁/佐賀共栄銀行

佐賀共栄銀行は2日、パートタイマーを含む全従業員の副業を解禁した。原則、銀行業務の所定時間外とし、事前許可制とする。
対象となる副業は、正行員の場合、個人事業主として士業等の資格を活かした副業(講演、講師、企画・サポート等)、
趣味や特技を活かした副業(音楽活動、芸能活動、料理教室、雑貨制作販売、WEB開発等)を想定。
パートタイマーは、正行員のような個人事業主に限らず、他社との雇用契約も対象とする。
「副業によって行員の成長や様々な価値観をもたらすことで、銀行内で革新を起こすような人材の育成に繋げていきたい」としている。
▽同行ニュースリリース(当該記事は10月2日付参照)
https://www.kyogin.co.jp/news_release/

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【イベント】
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●シンポジウム「共に支え合う連帯社会の構築をめざして」/連合総研ほか

 連合総研は11月27日(月)に、シンポジウム「共に支え合う連帯社会の構築をめざして」をオンライン(Zoomウェビナー)で、
中央労福協・教育文化協会と共催にて開催する。労働組合、労福協、労働者自主福祉事業団体など、地域課題の解決に向けた
活動を支える組織の人材、財政基盤等に焦点をあて、連合総研の地方労福協等に関する調査をふまえ、
連帯社会を支える担い手をどのようにつくりだすかなどの課題について提起する。参加無料、要事前申込(定員になり次第締切)。
https://www.rengo-soken.or.jp/info/2023/10/101517.html

●「ストレスチェック結果からの職場環境改善セミナー」/中災防

中災防は12月5日(火)、「ストレスチェック結果からの職場環境改善セミナー」を東京都港区で開催する。
ストレスチェック制度実施のポイント、集団分析の有効な活用方法、職場環境改善計画の作成および評価、計画の見直し等を実践事例から学ぶ。
参加費24,200円、定員36名。
https://www.jisha.or.jp/seminar/health/h3680_mh_site.html