メールマガジン労働情報 No.1883

■□――【メールマガジン労働情報/No.1883】

介護保険事業計画の基本方針案について議論/厚労省 ほか

―2023年7月12日発行――――――――――――――□■

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  本号の主な内容
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【行政】介護保険事業計画の基本方針案について議論/厚労省 ほか
【統計】6月の街角景況感、前月差1.4ポイント低下/景気ウォッチャー調査 ほか
【動向】22年度の正社員の中途採用実績、53%の企業が未充足/民間調査 ほか
【企業】人事制度を改定、高度人材の新区分、昇格年次要件を廃止/あいおいニッセイ ほか
【イベント】ESRI国際コンファレンス2023「人口変動と経済成長」/内閣府研究所 ほか

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【JILPTからのお知らせ】
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☆「最近の統計調査結果から」(2023年6月)

 官公庁から最近発表された労働統計等をご紹介しています。
https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/saikin/2023/202306.html
https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/saikin/2023/documents/202306.pdf

☆『労働関係法規集2023年版』 発売中!
https://www.jil.go.jp/publication/ippan/houkishu.html

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【行政】
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●介護保険事業計画の基本方針案について議論/厚労省

 厚生労働省は10日、社会保障審議会介護保険部会を開催し、第9期介護保険事業計画
(2024~26年度)の基本方針案について議論した。今回の見直しで、「介護に取り組む
家族等への支援の充実」に「ヤングケアラーも含めた家庭における介護の負担軽減の
ための取組を進めることが重要」と明記。介護人材の確保・介護現場の生産性向上の
推進には、「ハラスメント対策を含めた働きやすい職場づくり」「外国人介護人材定
着に向けた環境の整備」等が重要としている。なお、介護人材の職業紹介については、
紹介事業者に支払う高い手数料や早期離職等の問題が指摘されており、今後、悪質な
事業者の排除や有料職業紹介事業の更なる透明化等の対応が検討される予定。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_33988.html

●モデル就業規則の改訂版を公表/厚労省

 厚生労働省は、常時10人以上の従業員を使用する使用者に作成等を義務付け
ている就業規則について、「モデル就業規則」(2023年7月版)を公表した。
主な改訂事項は、退職金の支給(54条)で、「自己都合による退職者で、勤続
○○年未満の者には退職金を支給しない」の削除など。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/model/index.html

●国家公務員を対象とした2022年度「苦情相談の状況」/人事院

 人事院は6日、一般職の国家公務員を対象として、人事管理全般の苦情等の相談を
まとめた「2022年度における苦情相談の状況」を公表した。相談件数1,739件(前年
度比138件増)、相談事案数は1,294事案(同25事案増)でいずれも過去最多。相談
内容は、「パワーハラスメント・いじめ・嫌がらせ」(32.6%)、「勤務時間・休
暇・服務等関係」(21.9%)、「任用関係」(13.7%)など。
https://www.jinji.go.jp/kisya/2307/soudan01.html
(図表)
https://www.jinji.go.jp/kisya/2307/R4zuhyou.pdf

●各府省におけるハラスメント相談員に関する調査結果/人事院

 人事院は6日、ハラスメント相談員の体制整備に関するアンケート調査結果を
公表した(2022年12月~23年1月実施)。相談員になった経緯は「官職(ポスト)
で指定」が7割、在任期間は2年未満が6割。ほとんどの相談員が通常業務と兼務。
この1年に相談を受けた相談員は2割弱で、相談の7割がパワー・ハラスメントに関す
るもの、3割弱がセクシュアル・ハラスメントに関するもの。相談を受けた相談員の
うち、判断に悩むことがあるとした者は7割で、その際の相談先は「人事当局」や
「他の相談員」を挙げた者が多い。人事院は、調査結果を基に研修や相談員のサポー
ト体制整備等の施策の検討を進めるとしている。
https://www.jinji.go.jp/kisya/2307/soudaninR4gaiyou.html
(アンケート結果)
https://www.jinji.go.jp/kisya/2307/soudanin_besshi.pdf

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【統計】
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●6月の街角景況感、前月差1.4ポイント低下/景気ウォッチャー調査

 内閣府は10日、全国の商店主やタクシー運転手などに街角の景況感をたずねた
2023年6月の「景気ウォッチャー調査」の結果を公表した。現状判断DI(季節
調整済)は、前月差1.4ポイント低下の53.6となり、5カ月ぶりの低下。家計動向
関連、企業動向関連、雇用関連の全てのDIが低下。先行き判断DI(同)は、前月差
1.6ポイント低下の52.8。今回の結果について、「景気は、緩やかに回復している。
先行きについては、5類感染症への移行も終わり、改善テンポに一服感がみられる
ものの、緩やかな回復が続くとみている」としている。
https://www5.cao.go.jp/keizai3/2023/0710watcher/bassui.html
(調査結果全体版)
https://www5.cao.go.jp/keizai3/2023/0710watcher/watcher1.pdf
(統計表等)
https://www5.cao.go.jp/keizai3/2023/0710watcher/menu.html

●景気判断、全ての地域で「持ち直し」「緩やかに回復」/日銀地域経済報告

 日本銀行は10日、7月の「地域経済報告―さくらレポート―」を公表した。
既往の資源高の影響などを受けつつも、すべての地域で「景気は持ち直し」
または「緩やかに回復している」と判断。前回(4月時点)と比べ、全9地
域中3地域(東海、中国、九州・沖縄)で総括判断を引き上げた。雇用・所得
情勢は、いずれも「改善している」「緩やかに改善している」と判断している。
https://www.boj.or.jp/research/brp/rer/rera230710.htm
(全文)
https://www.boj.or.jp/research/brp/rer/data/rer230710.pdf

●一致指数の基調判断は「改善を示している」で据え置き/5月景気動向指数

 内閣府は7日、2023年5月の「景気動向指数(速報)」を公表した。景気の現状を
示す「一致指数」は113.8で、前月と比較して0.4ポイント下降し、2カ月ぶりの下降。
「耐久消費財出荷指数」「商業販売額(卸売業)」「投資財出荷指数 (除輸送機械)」
などがプラスに寄与、「生産指数(鉱工業)」「輸出数量指数」「鉱工業用生産財出荷指数」
などがマイナスに寄与。一致指数の基調判断は「改善を示している」で据え置き。
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/di.html
(概要)
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/202305psummary.pdf

●6月の企業物価指数、前年比4.1%の上昇/日銀

 日本銀行は12日、企業物価指数(2023年6月速報)を公表した。国内企業物価指数は
119.0で、前月比マイナス0.2%、前年比は4.1%の上昇。製品別の前年比での上昇は、
パルプ・紙・同製品(15.7%)、窯業・土石製品(15.6%)、鉱産物(10.9%)など。
5月からの縮小幅では「電力・都市ガス・水道」が最大(マイナス5.0%)。輸入物価指
数(ドルなどの契約通貨ベース)は、前月比マイナス3.1%で9カ月連続の低下、前年比
はマイナス14.3%。円ベースでは前月比マイナス1.2%、前年比マイナス11.3%の低下。
https://www.boj.or.jp/statistics/pi/cgpi_release/cgpi2306.pdf

●民間需要の機械受注額、7.6%減/内閣府

 内閣府は12日、機械受注統計調査報告(2023年5月実績)を公表した。
機械受注総額は、前月比2.9%減の2兆6,391億円(季節調整値)。民間設備投資
の先行指標である「民需(船舶・電力を除く)」は、同7.6%減の8,315億円。
製造業の同3.2%増・4,230億円に対し、非製造業(船舶・電力を除く)は同19.4%
減・3,934億円。基調判断は「足踏みがみられる」で据え置き。
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/juchu/2023/2305juchu.html
(概要)
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/juchu/2023/2305gaiyou.pdf

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【動向】
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●22年度の正社員の中途採用実績、53%の企業が未充足/民間調査

 リクルートワークス研究所は5日、企業における正規社員の「中途採用実態調
査」結果を発表した。2022年度の1社あたりの中途採用人数は1.52人と、前年度
比15.3%増加。業種別では「卸売業」が48.2%と大きく増加の一方、「小売業」
「医療・福祉」ではそれぞれマイナス14.0%、マイナス8.1%と減少。
 2022年度下半期の中途採用で必要な人数を「確保できた」企業は45.8%、「確保
できなかった」は52.7%。「確保できた」-「確保できなかった」の中途採用確保
DIはマイナス6.9%ポイント。これは、比較可能な2013年度下半期以降、最も低い値。
https://www.works-i.com/research/works-report/item/230705_midcareer.pdf

●景気は5カ月ぶりに悪化、回復傾向に一服感/民間調査

 帝国データバンクは5日、TDB景気動向調査(2023年6月調査)結果を発表した。
景気DIは前月比0.4 ポイント減の45.0となり、5カ月ぶりに悪化。原材料価格や
エネルギー価格の高騰、食品などの値上げによる買い控えなどが悪材料となり、
10業界中7業界、51業種中34業種で悪化した。6月の国内景気については「長引
く人手不足やインフレ傾向などがマイナス要因となり、回復傾向が一時的にスト
ップした」としたが、今後は「ポストコロナへの対応を進めつつ、緩やかに回復
しながら推移していくとみられる」としている。
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/202307_jp.pdf

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【企業】
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●人事制度を改定、高度人材の新区分、昇格年次要件を廃止/あいおいニッセイ

 あいおいニッセイ同和損保は6日、2023年10月より人事制度を改定すると発表
した。新人事制度では、転居可能な範囲に応じ「全域型」「広域型」「地域型」
としていた社員区分を「基幹社員」に統合し、社員本人が転居を伴う人事異動の
可否を毎年選択することが可能となる。また、専門領域で高度な専門性を発揮す
る社員区分として、データサイエンティスト、サイバーセキュリティ人財、アク
チュアリー、弁護士、公認会計士等の「専門社員」を新設。「専門社員」は「基幹
社員」とは異なる処遇とし、専門人財の安定的な確保を図る。非管理職層の資格
区分を大括り化するとともに、資格毎の昇格可能な年次要件を廃止し、早期昇格
を可能とした。20代社員も管理職への登用が可能となる(現行では30代後半)。
https://www.aioinissaydowa.co.jp/corporate/about/news/pdf/2023/news_2023070601180.pdf

●育休取得日数に応じた「育児休業復職支援金」を開始/イトーキ

 イトーキは4日、育児休業から復職した社員に対し、取得日数に応じて「育児
休業復職支援金」の支給を開始したと発表した。取得期間が「15日以上4週間
未満」が5万円、「4週間以上12週間未満」が10万円、「12週間以上」は15
万円。同社では、男性の育児休業取得率が2022年時点で45.7%と高くないため、
育児休業期間の減収する収入に対し、支援を行うとしている。
https://www.itoki.jp/press/2023/2307_ikuji.html

●総合職・客室乗務職のキャリア採用開始、カムバック採用も通年募集/全日空

 全日空は3日、グローバルスタッフ職(総合職)と客室乗務職のキャリア採用を実施
すると発表した。総合職の募集では、航空事業に加え、航空以外の事業や新規事業で
の活躍も期待される人材の採用を強化。客室乗務職のキャリア採用は4年ぶりに実施。
また、同社で働いたことがある人を対象とした「カムバック採用」を通年で実施する。
https://www.anahd.co.jp/group/pr/202307/20230703-2.html

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【イベント】
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●ESRI国際コンファレンス2023「人口変動と経済成長」/内閣府研究所

 内閣府経済社会総合研究所(ESRI)は8月3日(木)、「国際コンファレンス
2023―人口変動と経済成長」をハイブリッド(対面とオンライン)で開催する。
NBER(全米経済研究所)および外部有識者等の協力を得て、長期的な課題である
人口動態に焦点をあて、「人口変動と経済成長」をテーマに「少子化対策の効果」、
「少子化と女性の労働参加」、「高齢化と生産性」等について議論。
7月27日18時申込締切。
https://www.esri.cao.go.jp/jp/esri/workshop/r01_05fy/20230803main.html

●「高年齢労働者の転倒・腰痛予防から労務管理までを学ぶセミナー」/中災防

 中央労働災害防止協会は7月24日(月)、「高年齢労働者の転倒・腰痛予防から
労務管理までを学ぶセミナー」を東京都港区で開催する。元労働基準監督官による
「安全衛生面から見た高年齢労働者の人事・労務管理の進め方」の講義や、加齢に
伴う労働災害リスク、転倒セルフチェックの紹介、健康体力維持・向上するための
生活習慣などを学ぶ。参加費:一般24,200円、定員:48名。
https://www.jisha.or.jp/seminar/health/h3010_koureika.html

●2023年度第73期「神奈川県労働大学講座」/神奈川県労働福祉協会

 神奈川県労働福祉協会は、2023年度第73期「神奈川県労働大学講座」をZoomライブと、
オンデマンドで開催している。「労働法・人事労務管理・社会保障」の3分野を網羅し、
労働全般に関する専門的知識を体系的に学ぶ。日程は、7月6日(木)~11月14日(火)に
Zoomでライブ講義を行ない、収録講義をオンデマンド講座として順次配信。全30回、
受講料49,500円。科目ごとの受講も可。今期より字幕表示対応あり(詳細は事務局へ)。
https://www.zai-roudoufukushi-kanagawa.or.jp/roudai.html

●「オンライン人材確保セミナー」/千葉県ジョブサポートセンター

 千葉県ジョブサポートセンターは7月に、Zoomオンラインで「オンライン人材確保
セミナー」を次のとおり開催する。対象は千葉県内企業の経営者及び採用担当者。
参加費無料。定員は各回30名程度(申込フォームより、事前予約制)。

 ○シニア人材活用促進セミナー
  講演「人手不足の救世主 シニア活躍で元気な社会を!」と、助成金について。
  7月21日(金)14:00~15:40
  https://www.chiba-job.com/event/4067

 ○女性人材確保セミナー
  講演「本気の女性活用~採用・定着・活躍の本質を知り、やり方を変える~」。
  7月27日(木)14:00~15:30
  https://www.chiba-job.com/event/4068