■□――【メールマガジン労働情報/No.1846】
労働移動の円滑化にむけ、自己都合退職での失業給付見直しに言及/新しい資本主義実現会議 ほか
―2023年2月17日発行――――――――――――――□■
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本号の主な内容
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【行政】労働移動の円滑化にむけ、自己都合退職での失業給付見直しに言及/新しい資本主義実現会議 ほか
【統計】労災の死亡者数43%減、休業4日以上死傷者数12%増/厚労省 ほか
【労使】2%の月例賃金改善と生活防衛のための年間10万円を要求/NTT労組の春闘方針
【動向】5割強で賃金改善、主な改善理由は「労働力の定着」「従業員の生活支援」/民間調査 ほか
【企業】新卒初任給、組合員の基本給を引き上げ/昭和産業
【イベント】フォーラム「ジェンダーで読み解く男性の働き方・暮らし方」/日本女性学習財団 ほか
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【JILPTからのお知らせ】
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テーマ:労働と健康─職場環境の改善と労働者の健康確保を考える─
日 時:
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参加無料(要予約)/定員1,000名
申込期限:3月14日(火曜)15時まで
https://www.jil.go.jp/event/ro_forum/20230320/index.html
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日 時:2023年3月17日(金曜)14時30分~16時50分
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共催:慶應義塾大学経済学部附属経済研究所パネルデータ設計・解析センター
https://www.jil.go.jp/tokusyu/covid-19/event/sm230317/index.html
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【新型コロナウイルス関連情報】
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▽最近の更新情報(2月16日更新)
国内統計:機械受注額、新設住宅着工戸数
https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/covid-19/c17.html
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【行政】
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●労働移動の円滑化にむけ、自己都合退職での失業給付見直しに言及/新しい資本主義実現会議
政府は15日、第14回「新しい資本主義実現会議」を開催し、リ・スキリング・
労働移動・構造的な賃上げの方向性について議論を行った。総理は議論を踏まえ、
労働者が自分の意思でリスキリングを行い、職務を選択できる制度に移行して
いくことが重要」、「労働者が自らの選択によって労働移動できるようにして
いくことが、日本企業と日本経済の更なる成長のためにも急務」とし、「労働移動を
円滑化するため、自己都合で離職した場合の失業給付の在り方の見直しを行う」
と述べた。会議資料は、自己都合退職の場合、求職申込後2か月または3か月は
失業給付を受給できない現行制度について、労働者が希望に応じて労働移動する
システムに移行するうえで「慎重に検討すべき」としていた。賃上げについては、
「物価上昇を超える賃上げ」、日本企業と海外企業の間の「賃金格差の解消を目指す」
などと述べた。
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202302/15shihon.html
(会議資料)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/kaigi/dai14/gijisidai.html
(基礎資料)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/kaigi/dai14/shiryou1.pdf
●有期契約労働者の労働条件明示、専門型裁量労働制での労働者同意等を追加/労政審労働条件分科会
厚生労働省労働政策審議会労働条件分科会は14日、労働基準法施行規則を改正する
省令案要綱を審議し、妥当と答申した。有期労働契約については、契約締結時に
通算契約期間か更新回数の上限、就業場所と業務の変更の範囲を明示すること、
無期転換権が発生する際の契約では、転換後の労働条件を明示することを義務付けた。
契約締結後に通算契約期間や更新回数を変更する場合は、その理由を説明することを
有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準で義務づける。裁量労働制では、
専門型にも労働者同意と同意撤回手続き等を義務づけ、企画型では労使委員会の実効性
向上を図るなどとした。改正告示で専門型の対象業務に銀行・証券会社の合併・買収等
業務を追加する。いずれも施行日は2024年4月1日の予定。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_31101.html
(労基法施行規則等の改正省令案要綱)
https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/001057846.pdf
(概要)
https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/001057847.pdf
(有期労働契約の更新等の基準改正案要綱)
https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/001057848.pdf
(改正告示案要綱)
https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/001057850.pdf
(概要)
https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/001057851.pdf
●金属アーク溶接作業限定の技能講習を新設/労政審安全衛生分科会
厚生労働省労働政策審議会安全衛生分科会は13日、労働安全衛生規則等の一部を
改正する省令案要綱を審議し、妥当と答申した。同改正案は、金属アーク溶接等
作業を行う場合は、従来の特定化学物質作業主任者に加えて、同溶接作業に限定
した技能講習を新設し、新設の金属アーク溶接等作業に限定した技能講習修了者
から作業主任者を選任することが可能とするもの。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_31023.html
(省令案等の概要)
https://www.mhlw.go.jp/content/11305000/001057767.pdf
●「病気休暇制度」に関するサイトを公表/厚労省
厚生労働省は、労働者・事業主などを対象として「病気休暇制度」への理解を
深めるために、「働き方・休み方改善ポータルサイト」を開設し、「リーフレット」を
作成している。同制度は、長期治療が必要な疾病等、治療を受けながら働く労働者を
サポートするため、時間単位や半日単位で取得できる休暇制度や、療養中・療養後の
負担を軽減する短時間勤務制度等も考えられるとし、制度を導入している企業の事例も
検索できるようにしている。
(働き方・休み方改善ポータルサイト)
https://work-holiday.mhlw.go.jp/kyuukaseido/recuperation.html
(リーフレット)
https://work-holiday.mhlw.go.jp/material/pdf/category4/20221128_1.pdf
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【統計】
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●労災の死亡者数43%減、休業4日以上死傷者数12%増/厚労省
厚生労働省は16日、2023年の労働災害発生状況(2月速報値)を公表した。
2023年における死亡災害は、死亡者数が32人で前年同期比42.9%減少。
業種別では製造業10人(同44.4%減)、建設業8人(同55.6%減)など。
事故の型別では、「はさまれ・巻き込まれ」13人(同30.0%増)が最多。
一方、休業4日以上の死傷者数は5,968人で、前年同期比11.5%増加。
業種別では、第三次産業の3,739人(同40.7%増)が最多。事故の型別では、
「その他」(主に感染症による労働災害)2,116人(同301.5%増)、
「転倒」1,296人(同30.2%減)など。
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei11/rousai-hassei/dl/23-02.pdf
(統計表)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei11/rousai-hassei/index.html
●基調判断「足踏みがみられる」で据え置き/機械受注統計調査報告12月実績
内閣府は16日、機械受注統計調査報告(2022年12月実績)を公表した。
機械受注総額は、前月比6.5%増の2兆8,287億円(季節調整値)。
民間設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需」は、同1.6%増の
8,519億円。このうち、製造業は同2.1%増、非製造業(船舶・電力を除く)
は同2.5%減。基調判断は「足踏みがみられる」で据え置き。
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/juchu/2022/2212juchu.html
(概要)
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/juchu/2022/2212gaiyou.pdf
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【労使】
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●2%の月例賃金改善と生活防衛のための年間10万円を要求/NTT労組の春闘方針
NTT東西やドコモ、データなど、NTTグループ企業の労働組合で作るNTT労働組合
(鈴木克彦委員長、約14万4,000人)は2月14日にWEB方式を併用して都内で
中央委員会を開き、月例賃金で2%の引き上げと、生活防衛への措置として
年間10万円を要求する「2023春季生活闘争方針」を決めた。冒頭のあいさつで
鈴木委員長は生活防衛のための10万円について、「切実な要求として、会社側に
決断を求めていく」姿勢を強調した。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/kokunai/topics/mm/20230217.html
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【動向】
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●5割強で賃金改善、主な改善理由は「労働力の定着」「従業員の生活支援」/民間調査
帝国データバンクは15日、「2023年度の賃金動向に関する企業の意識調査」結果を
発表した。2023年度に賃金改善があると見込む企業は56.5%(前年比1.9ポイント増)、
18年度見込みと並び過去最高水準。賃金改善が「ない」は17.3%(同2.2ポイント減)。
賃金改善の理由は、「労働力の定着・確保」(71.9%)、「従業員の生活を支えるため」
(70.1%)、「物価動向」(57.5%)など。「物価動向」は前回より35.7ポイント
増加しており、過去最高水準となった。
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p230205.html
(詳細)
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p230205.pdf
●後継者不在による倒産、1月は過去最多の36件/民間調査
東京商工リサーチは15日、1月の「後継者難」倒産(負債1,000万円以上)は36件
(前年同月比12.5%増)だったと発表した。1月の件数は、調査を開始した2013年以降、
2020年に並び最多。産業別では、「サービス業他」12件(前年同月比140.0%増)、
製造業6件(同20.0%増)、小売業4件(同33.3%増)など。22年の経営者の
平均年齢は63.02歳(前年62.77歳)で、高齢化が続いているとしている。
https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20230215_02.html
●コロナ後の企業選び、3割強が「企業選びの軸が変わった」/民間調査
エン・ジャパンは14日、「新型コロナ後の企業選びの軸」調査結果を発表した。
コロナ禍を経験し、企業選びの軸が変わったと回答した人は33%。業種別では、
「コンサルティング・士業」(43%)、「IT・通信・インターネット」(40%)
で変わったと回答した人が多い。企業選びの軸が変わった人に、何を重視する
ようになったか尋ねたところ、「希望の働き方(テレワーク・副業など)ができるか」
(51%)、「希望の条件(勤務時間・休日休暇など)があるか」(32%)など。
https://corp.en-japan.com/newsrelease/2023/32030.html
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【企業】
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●新卒初任給、組合員の基本給を引き上げ/昭和産業
昭和産業株式会社は10日、新卒初任給と組合員基本給を引き上げるベースアップを
本年4月より実施すると発表した。新卒初任給を8,000円~9,000円引き上げ、
大卒(総合職)は21万8,000円(改訂額プラス9,000円)、高卒(地域限定職)は
17万8,000円(同プラス8,000円)となる。組合員は基本給を月額5,000~7,000円
引き上げ(定昇込みで3~4%アップ)、若手従業員への引き上げ幅を厚くする
としている。
https://www.showa-sangyo.co.jp/news/pdf/23-8.pdf
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【イベント】
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●フォーラム「ジェンダーで読み解く男性の働き方・暮らし方」/日本女性学習財団
日本女性学習財団は2月23日、フォーラム「ジェンダーで読み解く男性の働き方・
暮らし方―ワーク・ライフ・バランスと持続可能な社会の発展のために―」を
オンラインで開催する。「男性の働き方・暮らし方」をジェンダー視点で読み解いた
書籍をもとに、具体的な提案やヒントを伝える。参加費1,200円。定員50名(先着順)。
https://jawe230223.peatix.com/
●労働関連法セミナー「多様な働き方を選択できる環境の実現」/京都勤労者学園
京都勤労者学園は、3月に労働関連法セミナー「多様な働き方を選択できる
環境の実現~働き方のミスマッチを防ぐ~」を京都市及びオンラインで開催する。
テーマは、「フリーランスが安心して働ける環境整備」と今後の課題(3月8日)、
「労働条件の明示など労働契約関係の明確化」の意義(3月15日)、「選択的
週休3日制の導入促進」の問題とその対応(3月22日)。参加無料。定員は会場各25名、
オンライン各30名(先着順)。
http://www.labor.or.jp/gakuen/archives/9732#roudoukanrenhou