メールマガジン労働情報 No.1815

■□――【メールマガジン労働情報/No.1815】

「貯蓄から投資」の好循環を/第1回資産所得倍増分科会 ほか

―2022年10月19日発行――――――――――――――□■

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  本号の主な内容
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【行政】「貯蓄から投資」の好循環を/第1回資産所得倍増分科会 ほか
【統計】8月の生産指数、前月比3.4%上昇/鉱工業指数
【動向】1ドル=143円、企業の半数以上が「マイナス」と回答/民間調査 ほか
【海外】食事宅配会社に社会保険料追徴命令―配達員と雇用契約の締結を命じる判決も/フランス ほか
【イベント】「ポジティブメンタルヘルスシンポジウム」/東京都 ほか

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【JILPTからのお知らせ】
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☆令和4年度(2022年度)労働関係図書優秀賞・論文優秀賞を発表!

 JILPTでは、労働に関する総合的な調査研究を奨励し、労働問題に関する知識と理解
を深めることを目的として、「労働関係図書優秀賞」の表彰事業を行っています。
今年度の受賞図書は、青木宏之氏『日本の経営・労働システム―鉄鋼業における
歴史的展開』(ナカニシヤ出版 2022年3月刊)、梅崎修氏『日本のキャリア形成と
労使関係―調査の労働経済学』(慶應義塾大学出版会 2021年12月刊)に決定しました。
 また、新進研究者の調査研究を奨励する「労働関係論文優秀賞」には、伊藤寛武氏
田端紳氏の『教員付加価値から見た教員の役割について―日本の小学生を例にして』
が選ばれました。
https://www.jil.go.jp/award/bn/2022/index.html

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【新型コロナウイルス関連情報】
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▽最近の更新情報(10月17日更新)

 国内統計:鉱工業指数
 https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/covid-19/c14.html

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【行政】
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●「貯蓄から投資」の好循環を/第1回資産所得倍増分科会

 政府は17日、新しい資本主義実現会議の下に設置した「資産所得倍増分科会」の
第1回会合を開催し、資産所得倍増について議論した。総理は、冒頭挨拶で
「新しい資本主義では、『貯蓄から投資』を進め、家計の保有する1,000兆円の
現預金を投資につなげることで、持続的な企業価値向上の恩恵が家計に及ぶ好循環を
作るため、本年末に総合的な資産所得倍増プランを策定する」としたうえで、
「『貯蓄から投資』が進むことで、家計の資産所得が拡大するとともに、スタートアップ
などの成長企業の成長を支えるリスクマネーが円滑に供給され、企業の成長と家計の
資産所得の拡大という成長と資産所得の好循環を実現する」と述べた。
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202210/17shisan.html
(配布資料)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/bunkakai/sisanshotoku_dai1/index.html

●5か年計画策定に向け支援策を検討/第1回スタートアップ育成分科会

 政府は14日、第1回「スタートアップ育成分科会」を開催した。総理は、冒頭挨拶で
「スタートアップの育成は、日本経済のダイナミズムと成長を促し、社会的課題を解決
する鍵」と述べたうえで、総合経済対策の重点事項において人材・ネットワークの構築、
資金供給の強化面、オープンイノベーションの推進の観点から、スタートアップの
起業加速のために実施すべき事項をまとめたことを踏まえ、「年末のスタートアップ
育成5か年計画の策定に向けて、スタートアップの創出と成長の加速に向けた支援策」
の検討を求めた。
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202210/14startup.html
(配布資料)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/bunkakai/suikusei_dai1/index.html

●自殺者、男性は12年連続の減少、女性は2年連続の増加/自殺対策白書

 厚生労働省は14日、「令和3年度 我が国における自殺の概況及び自殺対策の実施状況」
(令和4年版自殺対策白書)を公表した。令和3年の自殺者数は2万1,007人で、前年より
74人(約0.4%)減少した。男性は12年連続の減少、女性は2年連続の増加。第1章で
職業別に自殺の状況をみると「無職者」(1万1,639人)が最多、次いで「被雇用者・勤め人」
(6,692人)、「自営業・家族従業者」(1,298人)、「学生・生徒等」(1,031人)。
性別の構成比でみると、「自営業・家族従業者」と「被雇用者・勤め人」は男性がそれぞれ
87.4%、76.9%とその内訳のほとんどを占め、「無職者」と「学生・生徒等」は男女比が約6対4。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28595.html
(自殺対策白書)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/jisatsu/jisatsuhakusyo2022.html
(第1章:主要な自殺の状況)
https://www.mhlw.go.jp/content/1-1-03.pdf

●外国人留学生向け「ジェトロ オンライン合同企業説明会 2022秋」を開催/厚労省ほか

 厚生労働省は18日、日本貿易振興機構及び文部科学省と共催で、外国人留学生向け
「ジェトロ オンライン合同企業説明会 2022秋」を開催する。対象者は、全国の大学・
大学院に在籍する留学生(主な対象は2023年3月卒業予定の学生)、既卒者等。
配信期間は、ライブ配信は11月14日~11月18日、アーカイブ配信は11月21日~12月16日。
参加無料。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28593.html

●女性農業者や若者を対象としたビジネスコンテストを実施/農水省

 農林水産省は、女性農業者や若者を対象としたビジネスコンテスト
「農業女子アワード2022」の募集を行っている。同アワードは、今後の食・
農・くらしの活性化に向けた女性農業者及び若者のビジネスアイデアや、
年齢、性別などに関わらず個性を活かした農業経営を行っている家族・法人を
表彰するもの。募集期間は12月16日まで。表彰式は2023年2月14日。
https://www.maff.go.jp/j/press/keiei/kourei/221017.html

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【統計】
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●8月の生産指数、前月比3.4%上昇/鉱工業指数

 経済産業省は17日、8月の「鉱工業指数(生産・出荷・在庫、生産能力・稼働率)」
確報値を公表した。生産指数(季節調整済)は100.2で、前月比3.4%の上昇。
業種別にみると、化学工業(無機・有機化学工業を除く)、生産用機械工業、
食料品・たばこ工業等が上昇し、電子部品・デバイス工業、自動車工業、電気・
情報通信機械工業等が低下。出荷は同2.8%上昇、在庫は同0.7%上昇、在庫率は
同3.0%低下。速報と比べて、生産、出荷は上方修正、在庫、在庫率は下方修正。
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-1.html
(概要冊子)
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/press/b2015_202208kj.pdf

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【動向】
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●1ドル=143円、企業の半数以上が経営に「マイナス」と回答/民間調査

 東京商工リサーチは17日、「円安に関するアンケート」調査結果を発表した。
9月の1ドル=143円前後の円安局面で、経営に「マイナス」と回答した企業は
54.1%で、前回調査(8月、1ドル=137円前後)の48.7%から5.4ポイント悪化した。
業種別では、「飲食店」(85.1%)、「食料品製造業」(80.8%)、「飲食料品卸売業」
(70.6%)と、食品関連が多い。ウクライナ情勢に加え、加速する円安で食材の
輸入価格が上昇し、コストアップが一段と深刻化しているという。
https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20221017_01.html

●業歴100年超の老舗企業、初の4万社突破/民間調査

 帝国データバンクは12日、全国「老舗企業」分析調査結果を発表した。
8月時点で業歴100年を超える老舗企業は4万409社。毎年およそ1,000~
2,000社が業歴100周年を迎えるなか、初めて4万社を突破した。老舗出現率は
「京都府」(5.15%)が最多。業種別の老舗出現率は、「清酒製造」(78.3%)
が最多。新規参入が困難な「醸造」分野が上位となっている。
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p221003.html
(詳細)
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p221003.pdf

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【海外】
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●国別労働トピック/JILPT

<フランス>
▽食事宅配会社に社会保険料追徴命令―配達員と雇用契約の締結を命じる判決も

 パリ地方裁判所は2022年9月2日、フードデリバリーサービスのデリバルに対して、
社会保険料の納付漏れとして、追徴分を含む970万ユーロをUrssaf(社会保険料徴収機関)
に支払うよう命じた。同社は22年4月に、雇用契約を締結すべき配達人を独立自営業者の
身分で就労させた「偽装請負の容疑」で有罪判決を受け、経営者や管理職の者に対して
多額の賠償金の支払い命令が出されている。また同6月には労働裁判所から配達員と
雇用契約を締結すべきとする判決も出された。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2022/10/france_01.html

<アメリカ>
▽コロナ禍における失業保険の特例措置と不適切な支払い

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経営環境の悪化により、米国の失業率は
記録的に上昇した。連邦政府は失業者の当面の生活を支援するため、失業保険の
対象拡大、給付期間の延長、一定額の加算などの特例措置を実施した。こうした
措置は2021年9月上旬までに終了したが、連邦労働省監察総監室はこのほど、
約456億ドルの失業給付の不適切な支払いを確認したと発表した。連邦政府は
各州に資金を提供し、不適切な支払いを防ぐための体制の強化やシステムの
整備を進めている。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2022/10/usa_01.html

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【イベント】
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●「ポジティブメンタルヘルスシンポジウム」/東京都

 東京都は11月17日~30日、「ポジティブメンタルヘルスシンポジウム」をオンライン
(オンデマンド配信)で開催する。基調講演「“ウェルビーイング経営”で社員の
モチベーションを高め、健康で活力ある職場づくりを」のほか、社員一人ひとりが
前向きに働くことのできる職場づくりについて、企業の“ポジティブメンタルヘルス”の
取組事例を紹介する。参加無料。11月28日、29日は職場のメンタルヘルス対策オンライン
相談会も実施予定。事前予約制、相談無料。
https://www.hataraku.metro.tokyo.lg.jp/kaizen/mental/suishin/r4/

●労働セミナー「働く女性のヘルスケア」/東京都労働相談情報センター

 東京都労働相談情報センターは11月2日・4日の2日間、セミナー「働く女性の
ヘルスケア」を中央区で開催する。テーマは「働く女性の健康課題」(2日)、
「働く女性のこころのセルフケア」(4日)。女性特有の健康課題と上手に
付き合いながら働く方法を産婦人科医師とカウンセラーが解説する。男性歓迎。
受講無料。定員50名。
https://www.hataraku.metro.tokyo.lg.jp/seminarform/index/detail?kanri_bango=seminar-zchuo-001272

●講演会「事業主に求められるハラスメント防止措置の実務対応」/神奈川県かながわ労働センター

 神奈川県かながわ労働センターは12月19日、職場のハラスメント対策講演会
「事業主に求められるハラスメント防止措置の実務対応」を横浜市で開催する。
事業主が講じなければならないハラスメント防止措置の各内容について、
実務対応におけるポイントなどを解説する。対象は、県内企業の経営者、
管理監督者、人事労務担当者等。参加無料。定員70名(事前申込・先着順)。
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/k5n/evt/e3756117.html

●「自宅・オンラインで働きたい女性のための『在宅ワークでかなえる!私らしいキャリア&ライフ』セミナー」/日本女性学習財団

 日本女性学習財団は10月29日、「自宅・オンラインで働きたい女性のための
『在宅ワークでかなえる!私らしいキャリア&ライフ』セミナー」をオンラインで
開催する。子育てや介護、障害、地理的条件等で通勤やフルタイム就労が難しい方でも
働きやすい「在宅ワーク」について、国内外の多様な実例や最新の動向を紹介する。
参加費1,000円。定員20名(先着順)。
https://jawe221029.peatix.com/

●セミナー「入門!中小企業と労働法~労働問題の解決のために~」/京都勤労者学園

 (公社)京都勤労者学園は、セミナー「入門!中小企業と労働法~労働問題の解決のために~」
を会場(京都市)及びオンラインで開催する。日程は11月1日~から3月7日までの全9回。
派遣社員や非正規労働者への対応、ハラスメントやテレワークなど、中小企業の視点から
見た労働問題の対処に必要な法律とその考え方について, 最近の法律の改正点も交えて
解説する。受講料9,800円(単発受講も可、1回2,600円)。
http://www.labor.or.jp/gakuen/archives/kyoto-school/2022autumnrodohou