失業者5カ月連続で増加、4年で40%増
―雇用悪化とまらず

カテゴリー:雇用・失業問題

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  • 国別労働トピック:2012年4月

政府の発表によると、今年1月末時点の失業者数(カテゴリーAの求職者数)は、前月末比で0.5%増加し(前年同月比では6.2%の増加)、286万1700人に達した。これで、失業者数の増加は昨年5月以降5カ月連続となり、増加傾向に歯止めがかからない。2008年前半にはおよそ200万人であった失業者数はこの4年間で40%以上増加したことになる。

公共職業安定所(Pôle Emploi)にカテゴリーAの求職者として登録されている者(注1)は、2012年1月末時点で2 ,861,700人(フランス本土、以下同様)であった。これは、前月比で0.5%(13400人)、前年同月比で6.2%の増加であった。

また、カテゴリーB及びカテゴリーCの求職者(注2)数は、2012年1月末時点で1,396,500人であった。この数は、前月比では0.8%の減少であったが、前年同月比では3.9%の増加である。従って、積極的な求職活動を行なっている求職者数(カテゴリーA、B、Cの求職者数の合計)は、2012年1月末時点で4,258,200人となり、前月比で0.1%、前年同月比で5.5%の増加であった。

2012年1月末時点のカテゴリーAの求職者数を男女別で見ると、男性は1,474,700人、女性が1,387,000人。男性は前月比で1.0%の増加であったが、女性は、前月比で0.1%の減少となっている。ただ、前年同月比では、それぞれ、5.4%、7.0%増加した。同様に年齢階層別にみると、前年同月比で、50歳以上が15.2%増であり、25歳以上50歳未満の4.2%増、25歳未満の3.3%増と比べて大幅な増加となっている。さらに2012年1月末時点のカテゴリーA、B、Cの求職者数を失業期間別に見ると、前年同月比で、1年未満が4.7%増、1年以上が6.7%増と、長期失業者が増加していることがわかる。とりわけ、失業期間2年以上3年未満が7.0%増、3年以上22.7%増と、超長期失業者が大幅に増加している。

このように、失業者数は昨年5月以降増加しているが、今のところ改善の兆しが見られない。大統領選挙の第1回投票まで1カ月と迫る中、失業者数の増加は、サルコジ大統領にとって頭の痛い問題である。サルコジ政権初期の2008年前半には、およそ200万人であった失業者数(失業率も7%代前半であった)はこの4年間で、40%以上増加した。現職大統領が選挙戦で苦戦を強いられている一因となっている。

出所

  • 海外委託調査員

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