カンタス航空の業務委託をめぐるスト、回避へ

カテゴリー:労使関係

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  • 国別労働トピック:2006年2月

ファイナンシャル・レビュー紙他地元各紙が伝えるところによると、保守・整備業務の海外業務委託をめぐり労使対立の起きていたカンタス航空のストライキは、とりあえず回避された模様だ。

保守・整備業務のオフショアリング計画

カンタス航空は国際競争力を維持するため、保守・整備業務(関連労働者6900人)の海外委託または整備担当者の賃金カットのいずれかを実行に移すとの意向を表明していた。経営側は、国際競争力を維持するには航空機のメンテナンスや修理を海外に外部委託するか、賃金カットしかないと主張していた。この業務委託案をめぐり、オーストラリア製造業労組(AMWU)及びオーストラリア労組(AWU)との第1回目(1月)の労働協約交渉において経営側は一部譲歩、連邦政府が3月以降に新しい航空政策を打ち出すまで運航機の保守・整備業務を海外に委託する計画は凍結すると発表した。

同社のグレッグ最高財務責任者(CFO)は計画延期の理由について、航空政策の変更がドル箱である豪米路線への他社参入問題に影響する可能性にも言及。「営業環境の変化が予想される前に内部体制を見直すのは賢明ではないとの判断に至った」と説明している。

ストライキ突入という最悪の事態はどうにか回避された模様だが、保守・整備業務の海外委託が決定した場合、AMWUとAWUはストも辞さないという態度を崩しておらず、次の労使交渉の行方が注目される。

参考

  • 1月23日付ファイナンシャル・レビュー、NNA

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