年金制度の赤字対策に企業へ増税を発表

カテゴリー:高齢者雇用

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  • 国別労働トピック:2004年9月

7月16日の閣僚会議は、年金生活者に未払いとなっている123億レアル(約41億ドル)(注1)の資金の財源を作る手段として、企業の賃金支払い額に社会保障分担金として徴収している20%を、10年間に渡って20.6%に引上げると発表した。労働者の負担割合は変更しない。政府は年金の支払いを実質的に減少させる手段を長年に渡って採用していた。これを不服とする年金生活者の一部が、行政訴訟を起こし、過去5年間の支給額に対して、遡って価値修正を行うよう判決が下された。このため、政府は支払いに充てる財源を探す必要があった。財源が逼迫している中、アミル・ランド社会保障相は、予想外の支出増加は国民が追加負担として支払うしかないと発表した。

この閣僚会議の決定は、大統領の署名を持って発効することになっていたが、国会で野党議員と、企業家団体がこの決定に批判を強化したため、大統領側は、この増税の実施を1年延期することに追い込まれた。1年間のうちに民間部門と財源について協議する。労働党議員の一部も、増税ではなく、政府支出の削減により財源を作るべきだと主張している。政府はこれに対して、支出削減はすでに限度に来ていると回答した。政府は財源を作るために、既に決定している生産投資の資本財に対する段階的減税措置の採用を、延期するような手段を検討し始めたが、企業は生産投資のコストを上昇させて、投資にブレーキをかけることになろうと警告している。

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