CGT大会:チボー書記長を再選

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2003年6月

3月24日にモンペリエで始まった第47回労働層同盟(CGT)大会は、28日にベルナール・チボー書記長を再選して閉会した。CGTのリーダーであることを確認されたチボー書記長は、第46回大会で開始された重要な改革を継続することができる。

しかし、一方で多くの問題が答を見つけられないまま、先送りされたことも事実だ。指導部の改革路線には、批判、疑問、支持が錯綜している。過去3年の成果を問う活動報告書が獲得した賛成票は74.65%(反対は12.36%、棄権は12.99%)。前回(1999年)のストラスブール大会では91.04%(反対2.98%、棄権5.98%)の支持が表明されていただけに、改革・近代化路線への抵抗が根強いことを窺わせた。 また、従業員貯蓄組合間委員会への参加、欧州労連(ETUC)加盟の影響、退職年金に関する要求、民主労働同盟(CFDT)との統一の「恒久的」追求(修正後に削除された表現)を巡る議論は、CGTの新たなアイデンティティに疑いを抱かせた可能性もある。

しかし、チボー書記長は「自信」を示さなければならない。参加者全員に向けられたいくつかの言葉の中で、チボー書記長は、「大会で行われたあらゆる決定を実施に移す」指導部の意思について、活動家たちを安心させようと試みた。「民主主義は要求が多く、議論のプロセスはまだ進める必要がある」としながらも、チボー書記長は、「ごまかしのない対応のために、大会とその展開に関する分析」を文書で提出するように求めた。

しかし、予想を超えた出来事もあった。中でも執行委員選挙の結果には驚かないわけにいかない。チボー書記長は50人中31位でしか選出されなかったし、退職年金問題担当のジャン=クリストフ・ル・デュイグー氏は何と最下位に甘んじた。チボー書記長によると、「矢面に立たされているリーダーの宿命」だということだが、厳しい結果であることには間違いない。大会で激しいやり取りが展開されたことが窺われる。

労働組合の専門家であるモンペリエ在住のソフィー・ベルー氏によると、今回は「発言しない」大会だったという。「指導部は依然として、退職年金など、いくつかの問題の方向に関して曖昧な発言を繰り返した。そして、大会は本当の争点を隠した争い好きな対立の中で行き詰まった」。また、「発言の8割が公共部門の側からで、雇用調整計画の氾濫など、民間部門と関連する問題が十分に検討されなかった」との不満も聞かれた。

4月1日に新同盟事務局が招集され、今後3年間に向けて、最初の執行委員会を準備する。新指導部の予定では、退職年金改革、雇用調整計画問題、そしてメーデーの準備を担う作業組織になるはずだ。だが、新指導部はCGTのアイデンティティについても、下部組織を安心させる必要があるのかもしれない。

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