ACTU、職場の問題に関する全国調査結果を公表

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2003年4月

オーストラリア労働組合評議会(ACTU)は、2003年1月に8000人以上の労働者を対象とした「職場の問題に関する全国調査」結果を公表した。

調査は、労働者のおかれている現状と心情を把握し、職場において変化が生じているのかを確認し、それを長期的戦略に反映させる目的を持っている。

調査結果

調査は幅広い事項に関し行われたが、調査報告書ではおよそ9項目に分けて分析されている。具体的には、自分の仕事について、労働時間、仕事と家庭生活のバランス、休暇、雇用保障と関心事項、生活水準、職場の安全衛生、労使関係、職場代表といった項目に分けられている。

その主な内容は次の通りである。

  • 関心事項―回答者の関心が高かった事項としては、職場組織の変更・再編(6%)、経営幹部の報酬(4%)、仕事上のストレス
  • プレッシャー(68%)等が挙げられる。これ以外に、雇用保障や労働条件の維持なども高い割合を示していた。
  • 生活水準―回答者の69%が金銭に関わる問題を経験し、63%が物品・サービス税(GST)の導入以降暮らし向きが悪くなったと回答している。
  • 仕事と家庭生活の両立―55%は近年仕事が家庭生活に与える影響が増していると答え、そのうち5%は否定的な影響であるとしている。また82%がファミリーフレンドリーな立法政策を求めていた。
    育児を行っている回答者の29%が育児休業を取得したと回答し、そのうちの53%は、母親に関しては有給の出産休暇を付与されていないと答えた。また全回答者の66%が出産休暇の有給化を支持していた。
  • 労働時間―回答者の週平均労働時間は36時間であったが、32%は週40時間以上働いていた。また恒常的に残業を行っている者は54%に達し、残業手当が支払われていたのは29%に留まった。回答者の9%は週労働時間の上限規制を支持していた。
  • また8%の回答者が人員不足と仕事の負荷の高まりを訴えていた。
  • 労使関係―回答者の94%が労組に加入しており、割は労働条件向上に労組が役割を果たしていると回答した。使用者が全般的に信頼できるかとの質問に対し、半数が否定的な回答をしていた。 また8割の回答者が経営上の決定に関しより大きな発言権を求めていた。

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