静かなメーデー、労働運動の落ち着きの兆しか

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2002年7月

2002年のメーデーは、2000・2001年に比べて平和なものであったと現地紙では伝えている。労使紛争件数も1999・2000年のピークを超えて、ひとまず落ち着きを取り戻しているというのが現状のようだ。

メーデーでの要求、5月1日の祝日化、最低賃金の引き上げなど

5月1日には、ジャカルタを中心に、各地で数千人規模でのメーデーが行われた。スラバヤで学生150人と警官との衝突が見られた以外は、平和で秩序の保たれた1日であったと現地紙では報じている。2001年のメーデーでは、暴力的なデモが多数見受けられたが、2002年では最近の労使紛争の鎮静化を反映しているようであった。

ジャカルタの場合、50の労組とNGO、約1万人の労働者達が市内を行進し、福利厚生の向上や、5月1日の祝日化、不当な解雇の防止、最低賃金の引き上げなどを要求した。

5月1日の祝日化は、ここ数年の労組の希望であり、かつては休日だったことからも、その復活が望まれている。

また、国営企業の民営化が進む中で、民営化の反対、国営企業株式を外資系企業への売却することに対する反対運動も見られた。

ヤコブ労相の、事前のスト自粛要請

ヤコブ労相はメーデーに先立ち、4月26日に全国の労組にストの自粛を要請した。現在、5月1日は祝日ではないため、デモやストを行うことは職場の生産性を低下させるため、いつもどおりの職務につくことを望むと発表した。

これは、いくつかの全国労組が、メーデーに際して大規模ストを行うと報じられたために発表された。

結果的に、ヤコブ労相の自粛要請が多少の効果を奏したと言えそうだ。

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