児童保護法施行の遅れに不安感
タイ初の児童労働保護法施行が遅れていることに専門家が強い懸念を示している。この法律では、児童がすべての搾取形態(児童労働・児童売春・メディアにさらされることなど)から保護される権利を定めている。内容は大きく3つの原則に分けられる。1つは「子供中心の原則」で、この法律に関する指標や制度はすべての子供の利益のためにあるということ、2つ目は「犯罪に巻き込まれる危険性のある子供に焦点を当てること」である。この法律によって、子供が不必要に犯罪裁判に持ち込まれることなく、適切な対処を施されることが目標とされている。3つ目は「子供を保護する時に家族やコミュニティから引き離されることがないようにすること」である。
法案が国会に提出されたのは1999年5月で、2000年の2月には承認を受け、現在国民議会でさらなる検討がなされている。
児童保護法検討委員会の委員でもある、サンパシット児童権利保護センター長は、「法案は、今後児童の権利に詳しい専門家によってさらに検討が加えられる予定で、2000年12月の国会解散までに施行されるかどうかは不明である」と述べた。
施行までの時間が長引いている背景には、法律の内容をさらに検討するために時間がかかっているということだけではなく、実施のための予算が制約されているという経済的な事情もある。
2000年6月15日には、The National Youth Bureau主催の「子供の人権と児童労働に関するワークショップ」が開催され、児童保護法の重要性と実施に向けての準備が必要であることが強調された。
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