メールマガジン労働情報 No.1974

■□――【メールマガジン労働情報/No.1974】

労使関係が「安定的」と認識している労働組合は9割超/厚労省調査 ほか

―2024年6月28日発行――――――――――――――□■

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  本号の主な内容
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【行政】景気判断「足踏みもみられるが、緩やかに回復」を維持/6月・月例経済報告 ほか
【統計】労使関係が「安定的」と認識している労働組合は9割超/厚労省調査 ほか
【動向】研究報告書「労働組合の「未来」を創る」全文公開/連合総研 ほか
【企業】「育児休業サポーター支援金」を導入/常石商事
【イベント】国連世界人口推計2024年版(World Population Prospects 2024)解説セミナー/社人研 ほか

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【行政】
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●景気判断「足踏みもみられるが、緩やかに回復」を維持/6月・月例経済報告

政府は27日、6月の「月例経済報告」を公表した。基調判断は、「景気は、このところ足踏みもみられるが、
緩やかに回復している」を維持。先行きについては、「緩やかな回復が続くことが期待される」としつつ、
海外景気の下振れリスク、物価上昇、中東情勢等について、十分注意する必要があるとの前月の判断を踏襲。
政策態度では、「経済財政運営と改革の基本方針2024」等に基づき物価上昇を上回る賃金上昇の実現等に
取り組むとともに、足元の物価動向に対して早急に着手可能で即効性のある対策を講じるなどにより、
成長型の新たな経済ステージへの移行を実現していく、とした。判断の内訳では、「公共投資」について
「堅調に推移」を「底堅く推移」と引き下げたほかは、個人消費「足踏みがみられる」、雇用情勢「改善の
動きがみられる」などの判断を維持した。
https://www5.cao.go.jp/keizai3/getsurei/2024/0627getsurei/main.pdf

●労務費の価格転嫁率は40%/中企庁調査

中小企業庁は21日、「価格交渉促進月間(2024年3月)フォローアップ調査」結果を公表した。
価格交渉が行われた割合は59.4%(前回23年9月調査58.5%)。価格転嫁率(コスト上昇分を価格転嫁できた
割合)は平均46.1%(同45.7%)で微増。コスト要素では、「原材料費」の転嫁率が47.4%、「エネルギー費」
が40.4%、「労務費」が40.0%。価格交渉を実施した企業のうち、「労務費についても交渉できた」は68.9%、
「労務費が上昇し、交渉を必要と考えたが出来なかった」は8.8%(調査結果p.12)。
また、「(一部でも)価格転嫁できた」は67.2%だが、「まったく価格転嫁できず」は19.8%、うち
「原価低減要請等により価格転嫁できず、代金減額」は1.2%(調査結果p.4、13)。
同庁は、価格交渉できる雰囲気は醸成されつつあるが、価格転嫁率のさらなる向上が必要、としている。
https://www.meti.go.jp/press/2024/06/20240621002/20240621002.html
▽調査結果
https://www.meti.go.jp/press/2024/06/20240621002/20240621002-ar.pdf

●化学物質管理強調月間のスローガン募集、化学物質関連労災の分析結果公表/厚労省

厚生労働省は、第1回「化学物質管理強調月間」のスローガンを募集している。締切は8月2日(金)。
「化学物質管理強調月間」は本年4月、化学物質規制が幅広い産業に適用されたこと等を機に、
環境省協力のもと、職場における危険・有害な化学物質管理の重要性に関する意識を高め、管理活動を
定着させることを目的に創設された。第1回の月間は、令和7年2月となる。
併せて、化学物質関連の労災(2019~21年の3年分)の分析結果を公表。食料品製造業、小売業・飲食店、
清掃業など今まで化学物質管理と関連が薄かった業種で多くの災害が発生しており、洗剤・洗浄剤、塗料、
接着剤を用いる作業などについて、労災防止マニュアル作成など、事業場の化学物質管理の促進に取り組むとしている。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40963.html
▽「化学物質の性状に関連の強い労働災害の分析結果」
https://www.mhlw.go.jp/content/11300000/001267397.pdf
▽環境省・報道発表資料
https://www.env.go.jp/press/press_03112.html

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【統計】
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●労使関係が「安定的」と認識している労働組合は9割超/厚労省調査

厚生労働省は26日、2023年「労働組合活動等に関する実態調査」結果を公表した。
労使関係が「安定的」と認識している労働組合は91.0%(2022年調査89.5%)。3年前と比べ組合員数が
「増加」は23%(21年調査31.4%)、「変わらない」22.3%(同 25.8%)、「減少」54.5%(同 42.7%)。
組織拡大を重点課題として取り組んでいるか尋ねたところ、「取り組んでいる」は28.4%(21年調査26.7%)、
「取り組んでいない」は71.3%(同73.3%)。取り組まない理由(複数回答)は、「ほぼ十分な組織化が
行われているため」が54.2%(同54.7%)、「組織が拡大する見込みが少ないため」が24.7%(同27.3%)。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/18-r05gaiyou07.pdf
▽集計表等
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/18-r05gaiyou.html

●5月の完全失業率2.6%、前月と同率/労働力調査

総務省は28日、2024年5月の「労働力調査(基本集計)」を公表した。完全失業率(季調値)は2.6%で、
前月と同率。完全失業者数は193万人(前年同月比5万人増)で、2カ月連続の増加。就業者数は6,766万人
(同21万人増)で22カ月連続の増加。雇用者数は6,096万人(同33万人増)で、27カ月連続の増加。
正規従業員数は3,675万人(同20万人増)で7カ月連続の増加。非正規従業員数は2,070万人(同4万人減)で
9カ月ぶりの減少。
▽5月結果
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/index.html
▽5月概要
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/pdf/gaiyou.pdf

●5月の有効求人倍率1.24倍、前月比0.02ポイント低下/一般職業紹介状況

厚生労働省は28日、2024年5月分「一般職業紹介状況」を公表した。有効求人倍率(季調値)は1.24倍で、
前月と比べ0.02ポイント低下。新規求人倍率(同)は2.16倍で、前月比0.01ポイント低下。新規求人(原数値)
は、前年同月比で0.6%減。産業別では、減少したのは生活関連サービス業・娯楽業(10.6%減)、
製造業(7.4%減)、建設業(3.4%減)など、増加したのは情報通信業(5.7%増)、卸売業・小売業(4.6%増)、
医療・福祉(1.4%増)など。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40905.html
▽報道発表資料
https://www.mhlw.go.jp/content/11602000/001266520.pdf

●海外現地法人の売上高3.3%減、2期ぶりの減少/経産省調査

経済産業省は26日、2024年1~3月の「海外現地法人四半期調査」結果を公表した。売上高(全地域合計)は、
前年同期比3.3%減で2期ぶりの減少。主要4業種(電気機械、輸送機械、はん用等機械、化学)全て減少。
地域別では、アジアは、中国、ASEAN10で輸送機械などが減少し、同10.9%減で6期連続の減少。
北米は同3.1%増で7期連続の増加、欧州は同4.4%増で5期連続の増加。いずれも輸送機械などの増加による。
従業員数(全地域)は408.3万人で同2.2%の減少。中国の輸送機械や電気機械などの減少により、6期連続のマイナス。
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/genntihou/result-1.html
▽調査結果の概要(ダウンロードのページ)
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00550130&tstat=000001023610&cycle=2&tclass1=000001023611

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【動向】
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●研究報告書「労働組合の「未来」を創る」全文公開/連合総研

連合総研は19日、『労働組合の「未来」を創る―理解・共感・参加を広げる16のアプローチ―』を全文公開した。
働く人を取り巻く環境が変化する中、労働組合はどんな役割を果たしていくのか。「労働組合の未来」
について、単組の活動実態の調査や社会運動との接続、社会(未組織者)の理解・共感の獲得といった、
複合的な視点から調査研究を進めたもの。労働組合の未来に向けた5つの提言として、組合活動における
コミュニケーション(発信・伝達・共有)手段の刷新、地域(コミュニティ)に軸足を置いた組合活動の
さらなる前進、労働組合における人材・ニーズの多様性への積極的対応、等を挙げている。
https://www.rengo-soken.or.jp/info/union/
▽概要版
https://www.rengo-soken.or.jp/info/【概要版】労働組合の「未来」を創る.pdf
▽全体版
https://www.rengo-soken.or.jp/info/2024/06/190933.html

●「退職代行」業者を活用した退職、大企業の約2割が経験/民間調査

東京商工リサーチは19日、「人材確保・退職代行」に関する企業アンケート調査結果を発表した。
「退職代行」業者を使った従業員の退職があった企業は9.3%(大企業は18.4%、中小企業は8.3%)で、
退職代行の利用が広がっているとしている。
人材確保(新規採用・離職防止)の施策では「賃上げ」(73.5%)が突出して高く、次いで「休暇日数を
増やした」(24.4%)、「社内レクリエーション実施」(10.5%)など。「施策は取っていない」は6.0%。
調査は6月3~10日にインターネットにより実施、有効回答5,149社。
https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1198685_1527.html

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【企業】
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●「育児休業サポーター支援金」を導入/常石商事

石油製品等販売業の常石商事(本社・広島県)は10日、2024年6月1日より「育児休業サポーター支援金」
を導入した、と発表した。育児休業を取得する際に、取得者本人を除く職場(課・店舗)のメンバーに、
一時金として「育児休業サポーター支援金」を給付する。一時金は、育休取得期間に準じて、一人あたり
1万~5万円。本制度により、休業者の業務をサポートする同僚にも配慮することで、育児休業を取得
しやすい環境づくりを進める、としている。
https://tsuneishi-co.jp/company_profile/「育児休業サポーター支援金」を導入/

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【イベント】
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●国連世界人口推計2024年版(World Population Prospects 2024)解説セミナー/社人研

国立社会保障・人口問題研究所は7月12日(金)、国連人口部と東京の国連広報センターとの連携のもとで、
標題セミナーをオンラインと会場(千代田区)で開催する。世界人口デー(7月11日)に米国ニューヨークの
国連本部にて公表予定の「国連世界人口推計2024年版」の概要、日本の将来推計人口との比較や、
国際人口移動推計等について、同研究所の所長ほか研究者が解説、質疑応答も予定。参加無料。
https://www.ipss.go.jp/international/j/collabo/240712WPP.html

●「ハラスメント防止コンサルタント養成講座」/21世紀職業財団

(公財)21世紀職業財団は、「ハラスメント防止コンサルタント養成講座」をオンライン(オンデマンド方式)
で開催する。受講期間は10月9日(水)~11月8日(金)。ハラスメント防止教育や事案解決を行うことのできる
人材を養成する。テーマは、「ハラスメントの基礎知識」、「カウンセリングとメンタルヘルス」、
「ハラスメントに関する労働法」、「裁判例解説とハラスメント事案解決法」。認定試験(厚生労働省後援)は
11月10日(日)実施。受講料77,000円、受験料11,000円。
https://www.jiwe.or.jp/harassment/consultant