メールマガジン労働情報 No.1915

■□――【メールマガジン労働情報/No.1915】

「ビジネスケアラー」両立支援、企業のガイドライン策定に向け議論開始/経産省検討会 ほか

―2023年11月10日発行――――――――――――――□■

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  本号の主な内容
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【行政】「ビジネスケアラー」両立支援、企業のガイドライン策定に向け議論開始/経産省検討会 ほか
【統計】街角景況感、前月差0.4ポイント低下/10月景気ウォッチャー調査 ほか
【動向】22年度の名目労働生産性(時間当たり)5,110円、95年以降で最高/生産性本部 ほか
【企業】従業員の奨学金返還支援制度を導入、最大200万円支援/松屋フーズ ほか
【イベント】第31回日本産業ストレス学会
     「産業ストレスとキャリア、ライフの統合的視座~働き方のリデザインへ向けて~」 ほか

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【JILPTからのお知らせ】
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★「最近の統計調査結果から」(2023年10月)

官公庁から最近発表された労働統計等をご紹介しています。
https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/saikin/2023/202310.html
https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/saikin/2023/documents/202310.pdf

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【行政】
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●「ビジネスケアラー」両立支援、企業のガイドライン策定に向け議論開始/経産省検討会

経済産業省は6日、第1回「企業経営と介護両立支援に関する検討会」を開催した。仕事をしながら
家族の介護に従事する「ビジネスケアラー」発生に伴う諸課題への対応として、企業の両立支援の取組を促す
ガイドライン策定に向けた検討を行う。介護発生による企業経営上の影響、両立支援を講じるべき企業の特徴・
傾向分析、企業実態(規模・業種・地域性等)に応じた両立支援、政府の支援策のあり方などについて議論し、
来年3月までのガイドライン策定を目指す。
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/kaigo_ryoritsu.html

▽JILPT関連書籍
『介護離職の構造―育児・介護休業法と両立支援ニーズ』(※2023年度 労働関係図書優秀賞受賞)
 https://www.jil.go.jp/institute/project/series/2022/04/index.html

●11月は「人材開発促進月間」、人材開発をアピールする催しを各地で開催/厚労省

厚生労働省は、職業能力の開発・向上の促進と技能の振興を目指し、11月を「人材開発促進月間」、
11月10日を「技能の日」としている。期間中、「卓越した技能者(現代の名工)」表彰、「技能五輪全国大会」、
「全国障害者技能競技大会(アビリンピック)」などの催しを各地で行う。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_36139.html
▽求職者・労働者向け「あなたのスキルアップやキャリア形成を支援します!」
https://www.mhlw.go.jp/content/11801000/001163368.pdf
▽事業主向け「人材開発支援策のご案内」
https://www.mhlw.go.jp/content/11801000/001163370.pdf

●「トラックGメン」による荷主等への「集中監視月間」を開始/国交省

国土交通省では、「トラックGメン」創設(2023年7月)以降、トラック事業者への積極的な情報収集のほか、
貨物自動車運送事業法に基づく「働きかけ」などを全国で実施している。
9月~10月に実施した全トラック事業者への調査では、長時間の荷待ちや運賃・料金の不当な据置きなどを
強いる荷主等の情報が多数寄せられたことを踏まえ、11月と12月を「集中監視月間」と位置付け、
悪質な荷主等に対して、「要請」「勧告・公表」を実施し、監視を強化していく。
https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha04_hh_000286.html
▽報道資料
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001707131.pdf
▽調査概要
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001707132.pdf

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【統計】
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●街角景況感、前月差0.4ポイント低下/10月景気ウォッチャー調査

内閣府は9日、全国の商店主やタクシー運転手などに街角の景況感をたずねた2023年10月の「景気ウォッチャー調査」
結果を公表した。現状判断DI(季調値)は、前月差0.4ポイント低下の49.5。企業動向関連、雇用関連のDIが低下し、
家計動向関連のDIは変わらなかったことから、3カ月連続の低下となった。先行き判断DI(同)は、
前月差1.1ポイント低下の48.4。今回の結果について、「景気は緩やかな回復基調が続いているものの、
一服感がみられる。先行きについては、価格上昇の影響等を懸念しつつも、緩やかな回復が続くとみている」としている。
https://www5.cao.go.jp/keizai3/2023/1109watcher/menu.html

●9月の景気動向指数、2カ月連続の上昇、基調判断は「改善」据え置く/内閣府

内閣府は8日、2023年9月の「景気動向指数(速報)」を公表した。景気の現状を示す「一致指数」は114.7で、
前月と比較して0.1ポイント上昇し、2カ月連続の上昇。プラスに寄与したのは「輸出数量指数」
「有効求人倍率(学卒を除く)」「生産指数(鉱工業)」。マイナス寄与は「投資財出荷指数 (輸送機械を除く)」
「商業販売額(小売業)」「耐久消費財出荷指数」など。一致指数の基調判断は「改善を示している」で据え置き。
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/di.html
▽概要
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/202309psummary.pdf

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【動向】
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●22年度の名目労働生産性(時間当たり)5,110円、95年以降で最高/日本生産性本部

日本生産性本部は7日、「日本の労働生産性の動向2023」を発表した。2022年度の時間当たり名目労働生産性
(就業1時間当たり付加価値額)は5,110円で、1995年度以降で最高水準。物価上昇を織り込んだ実質ベースの
上昇率は前年度比+0.7%。経済正常化に伴う付加価値拡大が、生産性上昇の最も大きな要因になったと指摘。
一人当たり名目労働生産性(就業者一人当たり付加価値額)は836万円で2年連続の上昇。実質ベースの上昇率は
+1.0%で、2021年度から1.6%ポイント落ち込んだ。
就業者一人当たり(+1.0%)よりも就業1時間当たり(+0.7%)の方が上昇幅が小さくなっているのは、
正社員が多い一般労働者に加え、パートタイム労働者でも労働時間が増加していることが影響していると分析。
https://www.jpc-net.jp/research/detail/006645.html
▽サマリー
https://www.jpc-net.jp/research/assets/pdf/trend_summary_2023.pdf

●タクシー会社の14.5%、10年で従業員が「半減」/民間調査

帝国データバンクは2日、「特別企画:全国タクシー・ハイヤー業界動向調査」を発表した。
国内でタクシー・ハイヤー事業を展開する企業で、ドライバーを含めた従業員数の推移を調査した結果、
10年前(2013年)と比べ、対象2,428社のうち69.7%にあたる1,691社で減少。このうち減少率が「5割以上」の企業は
14.5%と、1割超で従業員数が10年前から半数以下に減少した。従業員数が「半減」となったタクシー会社の割合を
都道府県別にみると、茨城県(29.2%)、香川県(29.0%)、奈良県(25.0%)など、地方拠点の会社で目立つと指摘している。
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p231101.pdf

●職務給に関する企業ヒアリング調査結果を発表/民間調査

パーソル総合研究所は10月30日、「職務給に関するヒアリング調査」を発表した。職務給・役割給を導入している
大手企業7社(電機、化学、通信、小売流通、食品)を対象に、仕事基準の給与の考え方と運用実態、今後の課題等
について調査。職務給導入企業を「グローバル志向型(グローバル環境への適合を強く意識する企業)」
「組織長厚遇型(管理職層を主対象として職能資格的処遇観からの脱却を目指す企業)」「フレキシブル型
(役割等級やハイブリッド型を採用し、柔軟に職務給的要素を取り入れようとする企業)」の3タイプに分類、
各タイプが想定する「あるべき姿」は異なっており、併存・並列的であるとしている。
https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/data/job-based-pay.html

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【企業】
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●従業員の奨学金返還支援制度を導入、最大200万円支援/松屋フーズ

松屋フーズホールディングスは6日、従業員が学生時代に借り入れた奨学金の返還を支援する「奨学金返済支援制度」を導入し、
2024年1月より運用を開始すると発表した。同社グループ所属の正社員・無期雇用パート・アルバイトを対象者とし、
国内すべての奨学金(貸与型)を対象とする。一人当たりの返済支援総額は最大200万円(元利合計)、
最大5年間の返済全額を支援。今後、新卒採用や社内への周知を図り、優秀な人財確保や従業員定着率向上への
寄与も期待しているとしている。
https://www.matsuyafoods.co.jp/whatsnew/topics/54655.html

●「ジョブ型採用」を25年度新卒より開始、年収570万円と職種・勤務地を確約/GMO

GMOインターネットグループは2日、新たな採用制度「ジョブ型 No.1人財」を2025年度新卒採用から開始すると発表した。
同制度は、クリエイター、カスタマーサクセス、システムサポート、セールスサポート等の職種を対象に、
初年度年収570万円と入社時の職種・勤務地を確約するもの。同社は、高度な専門技術・知識・能力をもつ
STEAM人財を対象に「新卒年収710万円プログラム」を既に実施しているほか、各地域でNo.1給与を支給する
「地域 No.1採用」も実施している。
https://www.gmo.jp/pdf/news/gmo_news_8652.pdf

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【イベント】
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●第31回日本産業ストレス学会
「産業ストレスとキャリア、ライフの統合的視座~働き方のリデザインへ向けて~」

日本産業ストレス学会は12月8日(金)~9日(土)、第31回日本産業ストレス学会「産業ストレスとキャリア、
ライフの統合的視座~働き方のリデザインへ向けて~」を千代田区及びオンラインで開催する。
(オンラインは一部ライブ配信及びオンデマンド配信)
健康経営、メンタルヘルス、ダイバーシティ経営、労災認定、人事労務管理、キャリア支援など、
幅広いテーマを取り上げ、研究者、実務家等による各種講演・シンポジウム・ワークショップ等を予定。
参加費1万3,000円。早期登録(~11/19)は1万円。
https://procomu.jp/jajsr31/

●シンポジウム「グローバル化時代のビジネスと人権」/経営関連学会協議会

経営関連学会協議会は26日(日)、第19回公開シンポジウム「グローバル化時代のビジネスと人権
~日本企業の新たな課題」を会場(千代田区)とオンラインで開催する。国際社会では各国企業に
人権DD(人権デューデリジェンス:自社の企業活動が人権に抵触していないかのチェックと
その結果の発信)が求められている。日本企業が直面せざるを得ない「ビジネスと人権」について
講演とパネルディスカッションを行う。参加無料。20日(月)までに、要事前申込。
http://www.jfmra.org/

●講演会「職場のハラスメントの防止対策と事後対応」/神奈川県かながわ労働センター

神奈川県かながわ労働センターは12月1日(金)、職場のハラスメント対策講演会「職場のハラスメントの
防止対策と事後対応」を横浜市で開催する。職場で起こるハラスメントの基本的な知識、具体的な防止対策と
事後対応などについて、労働法の専門弁護士が、講義と事例を用いた解説をする。対象は、経営者、管理監督者、
人事労務担当者、関心のある方。参加無料。要事前申込。定員100名、先着順。
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/k5n/evt/e0992029.html

●創立50周年記念フォーラム「70歳就業時代!ミドル・シニア社員の成長と活性化のために」/JADA

中高年齢者雇用福祉協会(JADA)は11月29日(水)、創立50周年記念フォーラムをオンライン(Zoom)で開催する。
テーマは「70歳就業時代!ミドル・シニア社員の成長と活性化のために~組織と個人が取り組むべき課題」。
行政担当者と有識者による基調講演、および高齢者施策に意欲的に取り組んでいる企業3社の事例紹介とパネル討論を予定。
70歳就業時代を迎えて、50~60代のミドル・シニア社員をどのように活性化・戦力化するか、
社員の意識転換とキャリアビジョンの再構築をどのように支援するかなど、高齢者人事施策のあり方について議論する。
参加無料。定員150名(先着順)
http://www.jada-prep.jp/business/seminar_j/pdf/forum_jada50th.pdf