全信労連が連合脱退へ/雇用問題の薄らぎと財政状況の苦しさから

2018年7月25日 調査部

[労使]

連合(神津里季生会長)は7月20日の中央執行委員会で、構成組織の全国信用金庫信用組合労働組合連絡会議(全信労連、河合悟司議長、約4,800人)が7月31日をもって脱退することを確認した。

全信労連は、信用金庫や信用組合の労働者で組織する産業別労組。連合には、情報収集や雇用問題への対応等の必要性から2001年に加盟している。

連合によると、同労連はその後、①ここ数年のなかで破綻した金融機関はなく、連合加盟の最大の目的であった「雇用確保への対応」の意義は薄れている②連合会費が全信労連の会費収入に対し、大変重い負担となっている――などとして、昨年12月の段階で連合脱退を組織決定。今年6月に連合に脱退を届け出ていたという。

脱退申請を受けて連合は、再考を強く要請するとともに、連合運動に参加する意義を伝えつつ、全信労連の組織強化に対する支援策を示すなどして翻意に努めたが結論は変わらず、全信労連から7月6日に改めて脱退の意思が示された。

中央執行委員会後の記者会見で神津会長は、「再考すべきではないかと大分、話し合ってきたが、かなり前から組織内で(脱退の)必要性について確認してきた経緯があり、受理せざるを得ないとの判断に至った」と説明。「財政・運用実態が以前から非常に苦しい状況にあったことは推測される。もう少し前からしっかりと向き合うことができなかったか、大いなる反省材料としなければならない」との認識を示した。その一方で、金融業界の雇用問題については、「第4次産業革命の足元で、金融の世界の業態や雇用が大きく変化していくことは必至。今回のことをきっかけに、目の前にある近未来の危機をどう乗り越えていくかの政策的な取り組みを強化していかねばならない」などと述べた。