単純平均5,531円、1.94%/国民春闘共闘委員会が第2回賃上げ集計を公表

2018年3月28日 調査部

[労使]

全労連や純中立組合などでつくる2018国民春闘共闘委員会(代表幹事:小田川義和全労連議長)が26日に公表した2018春闘・第2回賃上げ集計によると、23日時点で回答を引き出したのは285組合(登録組合の34.8%)、回答額の単純平均は5,531円、率で1.94%となった。加重平均では6,084円、2.05%となり、ともに金額では前年同期を上回っている。

回答引き出し組合数は285組合、前年同期の270組合を超える

23日までに有額回答を引き出した15単産・285組合を対象とした第2回賃上げ集計によると、回答引き出し組合数は前年同期の270組合(32.8%)を超えた。

このうち、有額回答を引き出した285組合の単純平均(一組合あたりの平均)は5,531円(1.94%)で、前年同期を118円上回った(率は0.04ポイントのマイナス)。組合員一人あたりをみる加重平均では6,084円(2.05%)となり、前年同期を155円上回っている(率は0.01ポイントのマイナス)。これらの集計値では金額のみ・率のみの回答があるため金額と率は連動していない。国民春闘共闘によると、さらに、回答引き出し組合の10.9%にあたる31組合が2次回答以上の上積み回答を引き出しており、妥結組合数も41組合(14.4%に相当)と前年同期の33組合より多い。

なお、前年実績と金額が比較可能な199組合について比べると、単純平均額は5,624円で前年を14円下回っている。しかし前年実績以上の金額を獲得した組合数は115組合(57.8%)に達し、うち前年同額が32組合、前年超えが83組合にのぼっている。また、率が比較可能な138組合の賃上げ率は2.06%となっている(前年より0.02ポイントのマイナス)。

時給制労働者の引き上げ額は22.1円

パートやアルバイトなどの非正規雇用者の賃上げ状況について、4単産108組合から173件の成果報告があった。時給制労働者の時間額の引き上げ回答があった86件の単純平均額は22.1円となった。また、引き上げ率の出ている30件の単純平均は1.77%となっている。

企業内最低賃金については、5単産43組合から83件の報告があり、新協定額の報告があった58件の単純平均の時間額は930円だった。

国民春闘共闘は今春の賃上げ交渉で、統一要求として「月額2万円以上、時間額150円以上」の賃上げを掲げている。全労連は第2回集計に先立って22日に都内で開かれた全労連幹事会で、「初回集計での回答水準は生活改善に向けた切実な要求に対して十分な回答とはなっていない」としつつ、「春闘後段」では、「さらなる賃上げ回答の上積みにこだわり、団体交渉など粘りづよくたたかう」、「職場に時給1,000円未満の労働者をつくらないために賃金底上げを求める」などと呼びかけた。