回答水準は追い風となる成果/連合(2018年3月16日 調査部)|労働政策研究・研修機構(JILPT)

回答水準は追い風となる成果/連合

2018年3月16日 調査部

[労使]

連合(神津里季生会長)は14日、金属大手を中心とする回答引き出しを受けて記者会見を開いた。集中回答日には、金属大手などが5年連続でベア・賃金改善などの賃上げ分を獲得したほか、UAゼンセン、情報労連、運輸労連、交通労連、航空連合、JEC連合、フード連合などの傘下の組合も回答を引き出した。なかには、非正規関連の回答が示された組合もある。連合は同日、「回答水準は昨年水準を上回る基調にあり、追い風となる成果だ」などとする春季生活闘争アピールを公表した。

通信大手や運輸・交通関係でも早期回答が

連合が14日17時30分時点でまとめた「回答速報」によると、金属大手やUAゼンセンの回答(詳細は別記事)など、同日を回答指定日とした産別の組合で回答が引き出された。

主な回答内容を見ると、情報労連ではNTTグループ8社の労組が平均方式で4,000円を要求したのに対し、1,800円(基準内および成果手当)の回答を引き出したほか、KDDI労組も平均6,700円の要求に対し、1,782円の回答を得た。KDDI労組は、約2,100人いる非正規組合員の賃金改善にも取り組み、こちらは平均1,300円の回答が示された。

一方、今春闘での賃上げ要求額を1万1,000円とした運輸労連は、ヤマト運輸労組が3,327円、名鉄運輸労組が2,404円、全新潟運輸労組が3,103円の回答。要求額を1万1,000円中心とした交通労連も、日本梱包運輸倉庫(8,000円の要求に対し2,378円の回答)や、飛騨運輸(1万1,000円の要求に対し2,068円)、西肥自動車(6,800円の要求に対し3,500円)などの労組が回答を引き出した。

交通・運輸関係では、航空連合のANA労組(1,500円)とBTC労組(1,700円)も賃上げ分を獲得。航空連合傘下では、非正規賃金の回答も目立ち、時給では、CTC、LTC、ANAASの3労組が契約社員に10円、WINGS労組も再雇用社員に15円の引上げを獲得。月給でも、ANA労組(雇用延長嘱託社員1,500円、継続雇用嘱託社員600円、部分就労社員1,500円)、WINGS労組(フル勤務嘱託社員2,000円、部分勤務嘱託社員1,600円)、ANAAS労組(嘱託社員1,500円)などの回答が示されている。

このほか、JEC連合では富士フィルム労組が8,300円(2.20%、賃上げ分1,500円)、フード連合のサッポロビール労組もベア2,000円を引き出した。

「交渉を継続している組合に向けて元気の出る内容」(神津会長)

こうした状況について神津会長は、「賃上げが昨年を上回る水準になっていることを率直に受けとめる。さらに交渉を継続している組合に向けて元気の出る内容だ」などと評価した。そのうえで、「これまでは第一のヤマ場で大手の様子を見て回答を引き出すことがどうしてもあったが、待つ必要はないという形で、水準が高いところも含め、かなり回答が出ていることが大きな特徴だ」と指摘。「今後、より広がりを持たせていくことが問われている」と述べ、賃金相場の底上げの波及に注力していく考えを強調した。

また、連合は同日、集中回答日の結果を受けて、「回答水準は、昨年水準を上回る基調にあり、交渉継続中の組合にエールを送り、また追い風となる成果」「すべての働く者の処遇の「底上げ・底支え」「格差是正」を実現するためには、本日までに示された回答内容を、続く中堅・中小組合はもとより、未組織を含めたすべての働く者の賃金引き上げに確実に波及させなければならない」などとする神津中央闘争委員長名の「2018春季生活闘争アピール」を公表した。