JR東日本、JR東海でベア1,000円の回答/JR各社の賃上げ交渉

2017年3月24日 調査部

[労使]

JR各社では、JR東日本、東海、西日本の本州3社で3月15日にベースアップ回答が示された。17日には、JR九州でもベア回答が出ている。同日には、JR北海道、JR貨物でも回答が出たが、ベアゼロとなった。回答引き出しが遅れたJR四国でも、ベア回答は見送られた。

15日、JR東ではベースアップを「一律1,000円」とする回答が出された。主力組合のJR東労組が加盟するJR総連は、前年にベアが基本給平均で1,102円となり組合員間でベア額に差が出ていたことを踏まえ、「格差ベアを打ち破り55歳以上の組合員を含めて一律での賃上げを勝ち取った」としている。

同日、JR東海では前年同額の「ベア1,000円」回答が出された。一時金についても、夏季手当3.05カ月分(前年同月数)の回答。JR西日本でも回答があったが、ベア額は750円(前年1,000円)にとどまった。一時金(年間)は5.44カ月で、前年より0.04カ月少なかった。

17日には、JR九州でベア300円(前年より200円減)、夏季手当2.52カ月(前年より0.06カ月減)の回答があった。同日、JR北海道、JR貨物でも回答があったが、定期昇給は確保したものの、ベアはゼロとなった。なお、ベアゼロ回答に伴い、北海道では年度当初55歳の社員に2万5,000円(55歳以上59歳以下の社員は1万5,000円)の夏季手当への加算、貨物では2001年度以前の採用者に1号俸加算(55歳以降を除く、55歳以降の社員には賃金を1%増額)などの措置を講じる。

なお、JR四国では、他のJR各社より遅れて、23日に最終回答が示された。JR四国労組が目指してきたベア獲得はならなかったが、夏季手当で前年を0.02カ月上回る1.89カ月の回答を引き出し、決着した。