民進党とは「連携」はかる/連合が対応方針を確認

(2016年4月15日 調査・解析部)

[労使]

連合(神津里季生会長)は14日の中央執行委員会で、民進党への対応方針を確認した。民進党との関係について「働く者・生活者の立場に立った政策実現のため、『連携』をはかる」としたうえで、「存続政党である民主党がこれまでに掲げてきた理念や政策が引き継がれるかどうか個別に検証する」「具体的な『連携』のあり方については、別途民進党との調整を進める」などの対応を進め、その結果、連合の政治理念や政策を共有できる政党であると判断できる場合は、今夏の参議院選挙等に向けた政策協定を締結する考え。神津会長は記者会見で、「これから一つひとつ連携の関係を積み上げていきたい」と述べた。

連合は民主党の最大支持勢力で、2009年9月から2012年12月までの3年3カ月に及ぶ民主党を中心とする政権を支えるなど、民主党を支援してきた。政治方針の「連合が求める政治」では「与野党が互いに政策で切磋琢磨する政治体制の確立が重要であると考える。そのため、政権交代可能な二大政党的体制をめざす」として、二大政党的体制をめざす方向性を明記。そのうえで、昨年の定期大会で確認した「2016-2017年度運動方針」には、「多くの政策を共有する民主党との連携ならびに支援を強化し、政策実現をめざす」ことを掲げていた。

綱領の根幹部分は引き継がれているが、理解の浸透に一定の時間を要する

14日の中央執行委員会で確認した「『民進党』への対応について」は、3月27日に民主党と維新の党が合流して新党となった民進党の「綱領」に、「『生活者』『納税者』『消費者』『働く者』の立場に立つ」ことや、「一人一人がかけがえのない個人として尊重され、多様性を認めつつ互いに支え合い、すべての人に居場所と出番がある、強くてしなやかな共に生きる社会をつくる」といった「民主党の綱領の根幹部分は引き継がれている」ことを指摘。その一方で、「連合として、構成組織・地方連合会が一体となった認識を共有するためには、理解浸透に一定の時間を要することも事実」などとして、今後の対応について「民進党とは、その綱領を踏まえ、働く者・生活者の立場に立った政策実現のため、『連携』をはかることとする」とした。

理念や政策が共有できれば政策協定の締結も

そのうえで、① 社会保障・税一体改革をはじめ、存続政党である民主党がこれまで掲げてきた理念や政策が引き継がれるかどうか個別に検証するとともに、政策協議を通じ、意見反映をはかる ② 具体的な「連携」のあり方については別途民進党との調整を進める ③ 4月24日の衆議院補欠選挙の勝利に万全を期していく。また、第24回参議院選挙について、比例区組織内候補者12名をはじめ連合推薦候補者全員の当選に向け、引き続き全力の闘いを進める ④ 衆参同日選挙も視野に入れ、候補者推薦を促進していく。ただし、新党としての候補者調整については、これまで民主党を支援してきた立場から、その内容を注視しながら,候補者推薦をすすめていく――などの対応を進めることとした。

その結果、「民進党が連合の政治理念や政策を共有できる政党であると判断できる場合には、第24回参議院選挙に向けた政策協定を締結する」としている。なお、政策協定を結ぶ場合は、6月2日の中央委員会を予定している。

一つひとつ連携の関係を積み上げていく(神津会長)

神津会長は会見で「これからしっかりと一つひとつ連携の関係を積み上げていきたい。一部に関係が格下げではないかとの捉え方があるようだが、そういうことでは一切ない。新しく結党された民進党と真摯に向き合って連携を積み重ね、しっかりとしたお互いの政策の照らし合わせ、共有の下で力を合わせていく」と述べた。