「賃上げの流れを広げうる回答引き出し」(相原議長)/金属労協の会見

(2016年3月18日 調査・解析部)

[労使]

金属労協(JCM、相原康伸議長、約201万人)に加盟する主要労組に、一斉に2016闘争に対する回答が経営側から示された16日、相原議長(自動車総連会長)ら加盟5産別のトップが、都内金属労協本部(都内)で会見し、回答に対する受け止めなどを語った。相原議長は「賃上げの流れを広げうる回答引き出しだ」などと述べた。

17日9時30分現在での、16日までに回答を引き出すことになっている主要組合(集計登録組合、51組合)の回答状況をみると、賃金についてすべてが賃上げ要求しており、賃上げ要求額(賃金構造維持分・定昇分は除く)の単純平均は3,817円となっている。このうち、回答を引き出したのは50組合で、うち47組合が賃上げを獲得。賃上げ獲得額の平均は1,425円だった。

一時金は、51組合のうち32組合が要求・回答方式となっており、支給額・月数が確定した全31組合の回答をみると、平均月数は5.26カ月で、1組合のみが4カ月に満たなかった。前年比でみると、前年を上回った組合が17組合、同水準が5組合、下回った組合が9組合となっている。

企業内最低賃金協定については、50組合で協定締結できており、水準引き上げを要求した組合は42組合。水準引き上げ回答をうけた28組合の平均引き上げ額は1,701円。

16日午前までの回答状況について、同日開催された第6回戦術委員会で金属労協は、「本日示された回答は、われわれの要求を満たすものとはいえないものの、各組合がギリギリの交渉を行った結果、ほとんどの組合が賃上げの回答を引き出し、3年連続となる『継続的な賃上げ』を実現することができた」などとする確認事項をまとめた。

会見で相原議長は、「集計登録組合のほとんどが3年連続の賃上げを獲得できたことは、以下の4点に集約できる」とし、「賃上げの流れを広げうる回答引き出しであり、また、デフレ脱却と経済好循環の実現などマクロに対しても一定程度寄与できる。底上げ、格差是正につながりえる回答であり、人への投資によるモチベーションの維持・向上、企業基盤の向上に資する結果と受け止める」などと同時点での回答内容を評価した。