労働者の8割、「一生懸命働けば収入が多くて当然」/連合総研調査

(調査・解析部)

[労使]

現役労働者の8割が「一生懸命働いた人が収入を多く得るのは当然」との考え方を支持している――連合総研(薦田隆成所長)が1月30日に発表した調査でこんな実態が分かった。現在の社会の平等感については、6割強が不平等だと答えており、収入や社会的権力・地位に不平等を感じる人が多い。

調査は昨年6~9月、連合の加盟組織を通じて現役労働者と退職者5,030人を対象に配布し、2,767人からの回答をまとめた。内訳は現役労働者2,243人、退職者524人。前者が84.8%、後者は79.6%を男性が占めている。回答者の8割が組合員もしくは組合役員の経験者だった。

それによると、日本社会を不平等社会と考える人は全体の64.2%。現役組合員は61.9%、退職者は74.0%と、高齢層の不平等感がより強い結果になっている。不平等感を強く感じる場合を9つの選択肢から選んでいるが、現役・退職者とも「収入による不平等」と「社会的な地位や権力による不平等」に回答が集中した。

さらに、調査は公平性について6項目の設問を立てて、それぞれ「まったくそう思う」から「まったくそう思わない」まで5段階の評価を尋ねている。ここでは、「一生懸命働いた人が収入を多く得るのは当然」との考え方を支持する人(「まったくそう思う」と「どちらかといえばそう思う」の合計)が現役組合員(81.3%)、退職者(75.0%)とも突出した。退職者で2番目に多い66.8%の支持を集めた「再配分して格差を縮小することが大切」との設問は、現役組合員では下から2番目の支持率(35.5%)となっている。

社会保障に関する5項目の問いについては、「社会保障は助け合い・支え合いの仕組みである」との考えが現役(76.1%)、退職者(81.1%)と共通して多くの支持を得た。その一方で現役労働者は6割が「今の高齢者は社会保険の面で恵まれている」と考え、4人中3人が「自分たちの世代は負担が大きく損をしている」と捉えている。これに対し、退職者で「今の高齢者が社会保障面で恵まれている」と思っているのは4人に1人に過ぎないなど、世代間の考え方の違いが際立つ結果になった。

調査は現在と10年後の「幸せ度」についても聞いているが、35歳以上の全年齢層で10年後の「幸せ度」の見通しが今より下がっている。