次期衆院選で政権交代も可能に/連合・笹森会長

(調査・解析部)

[労使]

連合の笹森清会長は7月12日午前、参議院選挙結果を受けて記者会見し、民主党が議席を50にのばしたことについて「昨年の衆院選で二大政党制への足場が築かれたが、今回は完全にそのステップを踏み出した」などと評価。「次の衆院選は政権交代を可能にできる選挙になるだろう」との認識を示した。

笹森会長は、民主党の勝因を、「国の進路や生活格差の広がりに対する国民の不安や危機感が強まり、改善のための期待が民主党に寄せられた」と分析。「議席を38から50まで増やしたのは躍進と言える。これまでは『勝ちはしているが勝ちきれない』という実態もあったが、今回は『勝てた』という評価でいいと思う」と述べた。

連合は、6月23日に民主党と政策協定を締結。 (1) 雇用創出と地域経済・中小企業の活性化 (2) パート労働者の均等待遇法、男女雇用機会均等法の改正(3)年金制度の抜本改革、社会保障制度全般の改革――を重点課題に掲げ、選挙に臨んだ。組織内候補として8人を民主党比例候補として擁立、うち6人が20万票台に達するなど堅実に票を伸ばし、全員が当選を果たしている。

また、笹森会長は会見の席上、自民、公明の与党両党と民主党による三党合意に設置が盛り込まれた社会保障制度全般を見直す与野党協議会についても触れ、「党利党略として社会保障制度を扱ってはならない。選挙が終わり、結果も出たのだから、国会の中でも協議を進めていくべきだ」などとして、民主党に与野党協議に応じるよう促した。一方、7月中に政府内に設置が予定されている政労使による「社会保障制度の在り方に関わる懇談会」に向けて、会長自らがメンバーになることが予想されていることもあり、「改革法を決めた手法やその内容に、国民からそうではないとの声が寄せられたことが民主党躍進につながった。『懇談会』の中で、国民が期待する内容の実現に全力をあげたい」と述べた。