資料シリーズ No.159
入職経路の変化と民営職業紹介業に関する調査

平成27年5月29日

概要

研究の目的

本書では、入職経路のうち、民営職業紹介が増加してきた要因を明らかにするため、求人サイドの要因、求職者サイドの要因、マッチング関連の要因に分けて検討した。

研究の方法

公表統計の観察、先行研究の展望、民営職業紹介業のコンサルタントへのインタビュー調査

主な事実発見

  1. 『雇用動向調査』によると、民営職業紹介を経由した入職者は、入職者全体の中では、人数、比率ともわずかであるが、人数、比率ともに増加傾向で推移している。
  2. 先行研究では、民営職業紹介業を含む人材紹介業の成長は、規制緩和、インターネットによる技術革新、外資系企業や海外からの求人などを背景として成長してきたこと、また、民営職業紹介は、就職に有利な属性を持つ転職者に利用される入職経路で、大都市圏が中心であること、さらに、公共職業紹介と民営職業紹介は棲み分けが進んでいる、といったことなどが明らかにされている。
  3. インタビュー調査の結果、需要サイド(企業)の要因として、近年の人手不足を背景に、民営職業紹介会社に求人を寄せる件数が増えており、高齢化に関連する分野、情報通信分野、企業活動のグローバル化対応、大企業の再就職支援を民営職業紹介業と契約して行う場合、求職者の再就職支援施策として行政が民営職業紹介業に業務委託を行う場合がある。
  4. 供給サイド(求職者)の要因として、求人情報サイトの登録者数や民営職業紹介業の独自の登録者数は、重複登録はあるものの、増加傾向にある。技術者をはじめとする専門的職業の離転職の増加の効果が、依然として大きく、女性や就職氷河期、世界同時不況後に、不本意な就職をした者などの利用が目立つ。
  5. 人材ビジネス業界全体を見ると、国内市場の伸び悩み、企業間競争の激化を背景に、業界再編が進んでいる。こうした状況の下、業務のウエイトを人材派遣や業務請負から民営職業紹介にシフトさせ、また、サービスの細分化が進んでいる。民営職業紹介業による求人・求職のマッチングでは、求人広告事業者による大規模なデータベースを活用したコンピュータ・マッチングが増加しているが、従来と変わっていない部分もある。こうした中、求人要件の専門分野の高度化・細分化が進行しており、マッチングに携わるコンサルタントにも高度な専門的知識を備えた人材育成が求められている。

以上のことは、下の図のようにまとめることができる。とりわけ、インタビュー取材では、求人サイドの要因がより強調された。

図表 民営職業紹介経由の入職者増加の要因

図表画像

政策的インプリケーション

 今後雇用の拡大が期待できる分野のうち、専門的技術的分野の人材については、外部労働市場が比較的整っていると考えられる。したがって、人材が企業間移動する際、民営職業紹介を活用することによって、失業期間を経験しないか、失業を経験したとしても、相対的に短い期間で再就職することが期待できる。また、より質の高いマッチングも期待できる。しかし、民営職業紹介業が相対的に弱いとされる地方の労働市場、中高年労働力、就職困難者などでは、ハローワークの機能を相互補完的に組み合わせていくことが必要不可欠だと思われる。

本文

  1. 資料シリーズNo.159全文(PDF:1.0MB)

研究の区分

課題研究「入職経路の変化と民営職業紹介の現状に関する調査」

研究期間

平成25年4月~平成26年3月

執筆者

渡辺 博顕
労働政策研究・研修機構 統括研究員

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